Microsoftが提供する2in1デバイスとして高く評価されているSurface Pro Xですが、購入を真剣に考えているのであれば、一旦待つことをお勧めします。
購入後に後悔しないためにも、本記事ではこのデバイスに潜むデメリットについて詳しく解説していくことにします。
持ち運びの際の重量感
キーボードカバーを装着した状態での移動時には、相当な重さを感じることがあります。
2in1デバイスやしっかりとしたヒンジ機構を備えた製品は、どうしても重量が増す傾向にあり、薄型の本体デザインであるために、見た目以上に実際の重さが気にかかることがあるのです。
さらに、SurfaceスリムペンはSurface Pro X専用のもので、持ちにくさを感じるユーザーも多いのが現実です。また、キーボードを打つ際の音が周囲に響きやすいため、静かな場所では注意が必要となります。
加えて、タッチパッドのクリックボタンが硬めであることも、使用中のストレス要因となることがあるため、注意が必要です。
汚れの目立ちやすさ
特に黒色モデルでは、背面パネルが指紋を非常に吸着しやすく、そうした汚れが目立ってしまうという特性があります。
縦向きでの使用が難しい
ボタン配置が両側に存在しているため、画面を縦にして壁に立てかけて使用する際、思わぬボタンを押してしまう可能性があります。これにより、結果的に使いにくさを感じることが多いかもしれません。
電源ボタンが片側にあり、反対側にはボリュームボタンが二つ存在するため、わずか3つのボタン配置が使いにくさを生む要因となっています。
インターフェースの不足
インターフェースが限られているため、外付けSSDやマウス、キーボード、モニターなどを接続する際に、接続ポートが不足する問題が非常に高いことが挙げられます。
狭いスペースでの使用不便
モニターを立てて使用する場合、キックスタンドを広げる必要があり、一般的なノートパソコンよりも10〜15cmほどの奥行きを必要とします。
そのため、現在使用している狭いテーブルなどでは、使えないケースが増えるかもしれません。
5G非対応
Surface Pro XはQualcomm Snapdragon X24 LTEモデムを搭載しており、LTEには対応しています。
外出先でも、電源を入れるとすぐにインターネットに接続できるという点は非常に便利ですが、残念ながら5Gには対応していない点は大きなマイナスです。
現在、5Gが注目されている中で、YouTubeやTikTok、VODなどの動画サービスが人気を博していることを考えると、この点が特に残念に感じられます。
ARMアーキテクチャの制約
Surface Pro XはARM版であり、ARMアーキテクチャを基に設計されているため、基本的にARM版のアプリとIntel版のアプリは互換性がありません。
Windows 10で動作していたアプリがSurface Pro X上で問題なく動くとは限らないのです。
x86(32ビットアプリ)は動作可能ですが、64ビット版は使用できないため、通常のWindows 10アプリは基本的に利用できないと考えておくべきでしょう。
最近のAdobeやChromeなどは64ビット版の開発に力を入れているため、これらのアプリは今後利用できなくなる可能性が高いです。
パソコンとしての利用には懸念が多い
パソコンとしての使用を前提に考える場合、価格がやや高めのSurface Pro Xは、ソフトウェアの対応性に問題があるため、実用性が低くなる懸念があります。
このデバイスは実質的にパソコンとは異なる存在であると捉えても問題ないでしょう。
プログラミングや動画編集、さらには画像編集すらも難しい可能性が高いです。
Surface Pro Xでのゲームプレイは難しい
Adobe Creative Cloudは利用できませんし、Steamで販売されているゲームも動作しないことが多いようです。
Steamを含む多くのゲームは高い性能を要求し、64ビットが必須となるタイトルが多数存在します。したがって、Surface Pro XのようなARM版デバイスでゲームを楽しむことは非常に難しいと考えるべきでしょう。
使用できるメモリは最大3GBまで
32ビットアプリケーションの制約により、各アプリで使用できるメモリは3GBまでに制限されます。
せっかく16GBのRAMを搭載したPCなのに、各アプリは3GBしか利用できないというのは非常に残念な状況です。
動作の遅さ
エミュレーション技術を用いることで、IntelのCPUを模倣するため、動作速度が遅くなることがあります。
さらに、OpenGL 1.1以上のサポートがないため、特定のアプリケーションが正常に動作しない場合もあります。
Surface Pro Xの購入は慎重に
Surface Pro Xは、主にブラウザを使用するライトユーザーや、すべてのアプリの互換性を十分に理解している上級者向けのデバイスです。
古くなったからという理由などで、一般的なWindowsとしてSurface Pro Xを選ぶのは避けた方が賢明です。
タブレットとしてはiPadの方が優秀
iPadのようにブラウザとその周辺機能しか使用しない方にとって、Surface Pro Xは必ずしも最適な選択肢とは言えません。
ただし、Surface Pro Xは別売りのキーボードを購入することになるため、合計で10万円以上の費用がかかることが多いです。
多くの人がキーボードをオプションとして追加すると考えますが、Surface Pro X専用のキーボードはなんと3万円にもなります。
キーボードはもう少しリーズナブルな価格設定であってほしいところです。
タブレットとしての利用を重視するのであれば、高価なSurface Pro Xではなく、iPad Proを選ぶことが賢明な選択と言えるでしょう。
また、パソコンとしての使用を考える場合、ソフトウェアの対応性の問題から実用性が低いとも言えます。
タブレットとしてもパソコンとしても、どちらも中途半端な性能であるため、Surface Pro Xは購入しない方が良い選択肢であると言えるでしょう。
コメント