インターネットをスマートフォンで利用できればそれで十分だと考えていた人々も、在宅でテレワークを始めると、自宅にインターネット回線が必要不可欠だと感じることが増えてきます。
そのため、自宅に光ファイバーのインターネットを導入する際には、工事を行うために必ず家にいる必要があります。土日の工事が可能であれば非常に助かりますが、平日には仕事があるため、工事の対応が難しく、手間がかかることが多々あります。
そんな時に役立つのが、今回ご紹介する「モバイルルーター」です。このデバイスを利用することで、自宅にインターネットを導入する際に工事を行う必要がなく、簡単に接続することが可能になります。
楽天回線でインターネット
モバイルルーターには多様な種類があり、具体的には携帯電話回線を利用する①4Gや5GのSIMを挿入して利用するタイプと、②Wi-MAXと呼ばれるインターネット専用のSIMを挿入して使用するタイプがあります。
Wi-MAXに関しては、UQモバイルなどがそのサービスを提供していますが、無料でモバイルルーターを提供する代わりに、固定契約期間が設けられていたり、月額料金が高額であったりする場合があります。
そこで特に推奨したいのが「楽天モバイル回線」です。楽天モバイルは以前の完全無料ではなくなったものの、楽天回線エリア内で2980円で使い放題という点は変わっていません。
したがって、楽天SIMに対応したモバイルルーターにSIMカードを挿入することで、2980円で使い放題のインターネット回線を実現することができます。使用するデータ量によっては、1,980円や980円で済むケースもあるかもしれません。
モバイルルーターの選択肢
そのために必要なデバイスが、今回ご紹介する「モバイルルーター」です。楽天回線を利用するためには、SIMフリーであることが必要不可欠です。docomoやauなどでSIMロックされて配布されたモバイルルーターは、楽天回線では利用できないため、注意が必要です。
さらに、自宅でのインターネット回線用として利用する場合、特に重要視したいのが「接続台数」です。モバイルルーターは一般的に性能があまり高くなく、接続できる台数が10台未満のものが多いのが現実です。
そのため、SIMフリーであり、接続台数も多いモバイルルーターを探していくと、出会えるのが富士ソフトのモバイルルーター FS040Wという製品です。
このルーターは最大15台まで接続できる能力を持ち、他のモバイルルーターと比較しても接続台数が多い点が非常に魅力的です。さらに、この製品にはオプションとしてホームキットが用意されており、これを利用することで最大接続台数が15台から32台に増加します。また、最大通信速度も433Mbpsから867Mbpsへと倍増します。まさに、モバイルルーターの域を超えた高性能を実現しています。
こんなモバイルルーターは買ってはいけない
しかしながら、今回はその性能が十分であるにもかかわらず、購入を避けるべき商品としても紹介せざるを得ません。
期待を高めておいて申し訳ありませんが、この商品をメインのインターネット回線として利用すると、さまざまな問題が発生する可能性があります。一般的にモバイルルーターとして使用する際には、こうした問題はあまり起こらないでしょう。
その問題とは、発熱問題です。激しい利用を続けると、本体が異常に熱くなってしまうのです。
ただ熱くなるだけなら触らなければ良いのですが、さらに厄介なのは、熱が蓄積されることで動作に異常が生じることです。最終的には通信が不安定になり、インターネットが利用できなくなることもあり得ます。
この発熱問題は、さらに別の問題も引き起こします。それは、この商品がモバイルルーターであるためです。モバイルルーターにはバッテリーが搭載されており、持ち運びに非常に便利な存在です。
しかし、このバッテリーは高温にさらされ続けることが好ましくありません。長時間にわたり高温になる使用環境は想定されていないようです(モバイルルーターですから当然と言えますが)。高温にさらされたバッテリーは、膨張する恐れがあるのです。
正直なところ、バッテリー自体は機能していることが多いのですが、膨張してしまうとケースに収まらなくなり、裏蓋が外れてしまう場合もあります。ここで特に注意したいのは、バッテリーが危険物であるという点です。
バッテリーをハンマーなどで叩くと、すぐに煙が出る可能性があるのです。ましてや、過剰な電流が流れ込むようなことがあれば、発火を引き起こす危険もあるのです。バッテリーは非常に燃えやすい物質であるため、膨らんだままで使用することは極めて危険で、運が悪ければ発火することも考えられます。このような状態では、安心して使用することはできません。
これらの理由から、モバイルルーターを無理にメインのインターネット回線として使用するのは非常にリスクが高いということになります。
まとめ
結論として、モバイルルーターをメインの回線として利用することは適していないという結論に至りました。素直に固定のルーターを購入するのが最も安全で確実ですが、それでも何かしらの理由でモバイル回線を利用したいという方もいらっしゃるでしょう。
そのような方には、SIMが搭載可能なバッテリーを搭載していないホームSIMルーターを強くおすすめしたいと思います。例えば、UQモバイルのHome L11などの製品が該当します。もちろん、サイズ的には嵩張りますし、持ち運ぶことはできません。
その代わり、接続台数も多く、ケースが大きいため放熱性も良好です。また、バッテリーを搭載していないため、熱によってバッテリーが膨張する心配もありません。
くれぐれもモバイルルーターを自宅のメインインターネット回線用に購入することは避けてください。
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