スーパーマーケットの米コーナーで見かける雑穀米は、私たちの食卓で非常に人気があり、多くの人々に支持されています。
六穀米、十穀米、十六穀米など、多種多様な種類が販売されており、それぞれが持つ独自の特性があります。
これらの雑穀米は、健康に良いというイメージが強く、白米には含まれていない多くの栄養素を含むことから、栄養価が高いと広く認識されています。
私自身も、雑穀米を白米に加える形でしばしば食べる習慣があり、体に良いと感じています。
しかし、そんな健康的なイメージを持つ「雑穀米」には、実は私たちの体にとって良くない側面も存在するのです。
え?本当にそんなことがあるの?と驚かれる方も多いのではないでしょうか。
健康のために食べている食材に対して、そういった疑問を持つのも理解できます。
多くの人がそのように感じているかもしれません。
この記事を通じて、以下のテーマについて理解を深めていただけると幸いです。
それでは、どうぞ最後までお付き合いください。
雑穀米が危険な理由とは?
まず最初に、雑穀米は豊富な食物繊維を含んでいて、栄養価が高いという特性があります。雑穀米は、玄米やあわ、キビ、もち麦などを白米と混ぜたものです。その歴史は非常に古く、「古事記」には「稲・栗・麦・小豆・大豆」という五穀についての記載が見られ、古代から主食として親しまれてきたことがわかります。
白米が一般的に食べられるようになったのは奈良時代頃であり、その当時は貴族の食べ物として非常に高価でした。庶民は精製されていない米と共に「ひえ」や「アワ」といった雑穀を混ぜて摂取していたのです。
その後、江戸時代になるとお米の大量生産が可能となり、武士や庶民も白米を食べることができるようになりました。しかし、江戸時代には「かっけ」と呼ばれる病が流行し、白米だけではなく、そばや麦などの雑穀を混ぜて食べる方が健康に良いとされ、地域によっては今でも雑穀米が食され続けていることがあります。
このように「雑穀米」は古代から健康に良い食品として重宝されてきたのですが、実際にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、満腹感や持続的なエネルギーを供給し、健康維持に寄与するとされています。
では、一体なぜ雑穀米が身体に良くないとされるのでしょうか?
その理由は、主に次の二つの物質が含まれているためだとされています。
フィチン酸は主に玄米や雑穀、豆類、野菜などに含まれる成分で、体内の不要な有害物質から私たちの身体を守る働きがあります。しかし、その際に私たちに必要な亜鉛や鉄、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルの吸収を妨げる可能性があるとされています。
ただし、野菜や豆をバランスよく摂取することで、ミネラルを十分に補給できれば、吸収障害を心配する必要はあまりないと言われています。
アブシジン酸は、玄米や雑穀に含まれる植物ホルモンの一種で、植物が乾燥などのストレスに対処する際に生成されることから「ストレスホルモン」とも呼ばれています。このホルモンが私たちの体に悪影響を及ぼし、何らかの障害を引き起こす可能性が示唆されていますが、根拠となる研究はまだ少ないため、詳細は不明な点が多いです。
また、以下のようなデメリットも指摘されています。
雑穀米は豊富な食物繊維を含んでいるため、摂取しすぎることで消化不良を引き起こすことがあります。特に、麦に多く含まれる不溶性食物繊維は、胃腸が弱い方や体調が優れない時に消化不良を引き起こしやすくなることがあります。
雑穀米にはもち麦や押し麦が含まれており、これらにはグルテンが含まれています。グルテンを過剰に摂取すると、人によってはアレルギー反応を引き起こし、大量に摂取することで倦怠感などの中毒症状が現れることがあります。
グルテンをできるだけ避けたい方は、麦の中でもグルテンを含まない大麦やライ麦が混ざった雑穀米を選ぶことをお勧めします。
雑穀米を食べるメリット
このように、雑穀米には身体に対する危険性が指摘されることがありますが、それ以上に健康に良い点も多く存在します。
それでは、具体的にどのようなメリットがあるのかについて、詳しくご説明いたします。
・血糖値の上昇を緩やかにする。
雑穀米は白米に比べ消化に時間がかかるため、血糖値の上昇が緩やかに進みます。血糖値が急激に上昇すると、体脂肪を増加させるホルモンであるインスリンが多く分泌され、肥満の原因となることがあります。そのため、血糖値の上昇が穏やかな雑穀米は、白米と比較して体重管理において有利な選択肢となります。
・腸内環境を改善する。
雑穀の中でも特に押し麦や丸麦などの大麦は、食物繊維が非常に豊富に含まれています。白米と比較すると、押し麦には実に19倍もの食物繊維が含まれていると言われています。また、水溶性食物繊維も豊富で、腸内細菌を活性化させ、腸内環境の改善に寄与しています。
・美容やアンチエイジングに効果的。
雑穀米は美容効果が期待できる食材でもあります。特にハト麦は「ヨクイニン」として知られ、漢方薬にも使用されています。肌の乾燥やしわ対策に効果があるとされており、赤米や黒米に含まれるポリフェノールは抗酸化作用があり、アンチエイジング効果も期待されています。

まとめ
このように、雑穀米には一部危険な要素が存在するものの、適切な食べ方や量に配慮することで、私たちの健康にとって非常に有益な食品であると考えられます。
食物繊維は「第五の栄養素」とも称されるほど、私たちの生活の中で欠かせない重要な栄養素です。
古くから日本人に親しまれてきた雑穀米は、今後も大切にしていきたい存在です。
先人たちの知恵を参考にしつつ、私たちも日々の食事に適切な量の雑穀米を取り入れていくことが重要だと思います。
最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。

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