
テレビのあり方は、もはや一家に一台という時代から、個人用に一台持つスタイルへと進化しています。最近の傾向として、特に若い世代の中でテレビから離れる動きが顕著に見られますが、それでもなおリビングルームにおいては中心的な存在感を保っているようです。現在、家庭内では65インチの大画面テレビを所有することが一般的なトレンドとして広まっています。
家電量販店を訪れる際には、目を引くような大画面テレビが次々と目に飛び込んできて、その魅力に思わず心を奪われてしまうことが多いでしょう。このように美しいテレビを目の前にすると、購入を真剣に検討してしまうこともあるかもしれません。
しかし、その前に一度立ち止まって考えることが重要です。本当にそのテレビが必要なのか、また、家電量販店で見かけたテレビと同じものを他の場所で購入することを検討していないでしょうか?
買ってはいけないテレビ

家電量販店やメーカーのカタログには、特に売りたい商品が目立つように配置されていることから、その魅力に引き寄せられてしまうことがよくあります。しかし、以下のポイントに関しては、しっかりと注意を払う必要があります。
1.画面のサイズが部屋の広さに合っていない
家電量販店のテレビ売り場は非常に広々としており、そのため大画面テレビが展示されていても圧迫感を感じにくいです。しかし、実際の家庭のリビングは限られたスペースで構成されていることが多く、商品が自宅に届いて設置した際には、部屋が狭く感じたり、インテリアとの調和が取れない場合がよくあります。このような意見はネット上でも多く見受けられますので、設置可能かどうかだけでなく、実際に置いた場合の雰囲気も考慮することが重要です。
適切な視聴距離については、フルハイビジョンテレビの場合、画面の高さの約3倍が目安とされています。一方、4Kテレビの場合はその距離が1.5倍で済むことが一般的です。具体的には、32インチのフルハイビジョンテレビでは視聴距離が1.2メートルとなりますが、65インチの4Kテレビでも同じく1.2メートルの距離で視聴が可能です。
2.画質

画質については、かつて「ハイビジョンテレビは購入しない方が良い」と言われることが多かったのですが、現在では新品のハイビジョンテレビを目にする機会が非常に少なくなっています。
もし、中古の非常に安価なハイビジョンテレビを見つけた場合、それは古いモデルである可能性が高く、故障のリスクがかなり高くなります。購入後すぐに映らなくなっても文句は言えないため、手を出さない方が賢明です。
画質の基準を再確認すると、以下のようになります:
・ハイビジョンテレビ・・・水平1366×垂直768画素
・フルハイビジョンテレビ・・・水平1920×垂直1080画素
・4Kテレビ・・・水平3840×垂直2160画素
・8Kテレビ・・・水平7680×垂直4320画素
現在の市場では、フルハイビジョンテレビと4Kテレビが主流となっています。もちろん、4Kテレビはより詳細な描写が可能であるため、予算が許すのであれば4Kテレビを選ぶことをお勧めします。
一方、ハイビジョンテレビは子供部屋に設置するための小型テレビとしては問題ないかもしれません。
8Kテレビについては、NHKの8K放送が始まったものの、依然として本格的な8K放送は行われていない現状です。テレビの価格は技術の進化によって以前よりも、同じ価格でより良いものが手に入るようになっています。したがって、8Kがさらに普及し、価格が下がった頃に購入を検討しても決して遅くはありません。
3.倍速機能
4Kか8Kかよりも重要なのは「倍速機能」です。メーカーによっては異なる呼び名が使われることもありますが、「倍速」というキーワードが含まれているかどうかを確認することが非常に重要です。
倍速機能が搭載されていない場合、以下のような問題が発生する可能性があります:
・目が疲れやすくなる。画面に動きがあると、目がチカチカすることがあります。
・性能全体に影響を与える。残像やにじみが目立つようになります。
特に、画面サイズが大きくなるにつれて、その影響も大きくなりますので、4Kテレビを購入する際には、倍速機能がないモデルは避けるべきです。
4.音質

かつては、薄型テレビの音質があまり良くないため、音質にこだわる際には外部スピーカーを用意する必要がありました。この考え方は今でも一定の妥当性を持っていますが、最近ではテレビに内蔵されているスピーカーの性能も大きく向上しています。
一般的に、価格が上がるとスピーカーシステムも高品質になる傾向がありますので、カタログをしっかりとチェックすることを忘れないようにしましょう。
5.Blu-rayドライブ内蔵
最近のテレビはインターネット接続が可能となり、多機能化が進んでいます。テレビ番組を視聴するよりもYouTubeなどの動画配信サービスを利用する時間が長い人も多いのではないでしょうか。
多様な機能を備えたモデルが存在する一方で、必要な機能は人それぞれ異なるため、選択肢が多いことは一概に悪いことではありません。
ただし、購入を避けるべきモデルがあります。それはBlu-rayドライブ内蔵のテレビです。
その理由は、テレビの平均寿命とBlu-rayドライブの平均寿命が異なるためです。CD、DVD、Blu-rayなどのメディアを持っている方も多いと思いますが、光学ドライブは一般的に3~5年で故障することが多く、実際にそのような経験を持つ方も少なくありません。しかし、テレビの寿命はそのように短くはありません。
もしテレビにBlu-rayドライブが内蔵されている場合、故障した際には修理に出すのが難しくなります。その結果、新しいBlu-rayレコーダーを購入することになるかもしれません。ですので、最初から別々に購入しておく方が、保守面でも便利で賢い選択と言えるでしょう。
テレビをここで買ってはいけない

自動車は、万が一製品に欠陥があれば人命に関わる問題が生じるため、全品検査が行われ、定期的な点検も義務付けられています。
しかし、家電製品を含む多くの商品は、全品検査を実施していません。全品検査を行うことは、莫大な人件費がかかるため、そのコストは商品に反映されることになります。代わりに、商品が故障した際には、一定の期間内であれば無料で修理を行っています。
テレビもこの対象に含まれます。たとえ日本製であっても初期不良が発生する可能性はゼロではありません。
初期不良が発生した場合、メーカーが提供する保証は無料の修理という形になります。
多くの人が誤解している点ですが、初期不良の場合の基本的な対応は無料の修理であり、新品の交換ではないことがほとんどです。
もちろん、運が良ければ新品に交換してもらえる可能性もありますが、これはあくまで「運が良ければ」という条件です。初期不良が発生しても、メーカーに連絡しても交換してもらえないと不満を持つ人がいることも事実です。
しかし、一般的には、初期不良があれば購入店に連絡することになります。実際、販売店は設置やチャンネル登録まで行うのが通常です。その際に、設置作業中に画面の割れを発見したり、設定作業中に画面が映らないといった初期不良が見つかることもあります。こうした場合、販売店は責任を持って別の商品を交換してくれるでしょう。なぜなら、交換は販売店が行っているからです。
では、なぜ販売店ではなくメーカーに連絡することになるのでしょうか。それは、格安のネット通販で購入しているからです。確かに、正しく動作するのであれば、どこで購入しても同じ商品は同じです。できるだけ安く買うことは大切ですが、ネット通販の中には、製品を販売するだけで、その後のアフターケアも行わず、故障時にはメーカー対応になることがあります。
家電製品は初期不良や故障のリスクを十分に抱えています。家電量販店では、テレビの設置に加えて設定も行ってくれます。その段階で何らかの初期不良があれば、販売店が責任を持って交換対応してくれます。また、修理も訪問修理の対象となる可能性があります。
格安のネット通販では、配達業者が玄関先まで届けるだけです。しばらくして故障が発生した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。大手の家電メーカーの商品であれば、他店で購入した製品でも修理してくれることがありますが、取り扱いのない海外メーカー製品の場合、修理が難しくなることも考慮する必要があります。
高価な商品だからこそ、少しでも安く購入したいという気持ちは理解できますが、テレビの購入にはリスクが伴います。
そのため、テレビを購入する際には、責任ある店舗である家電量販店や、家電量販店のWEBストア、または設置サービスを提供している通販サイトからの購入を強くお勧めします。
いくら安くても、設置サービスやアフターケアに関する記載がないネット通販での購入は避けるべきです。
まとめ

現代の生活において、テレビの果たす役割は依然として非常に重要です。一家団欒の時代は終わったかもしれませんが、リビングに適したテレビを選ぶことは今もなお重要なポイントです。高額な買い物となることが多いので、慎重に考えた上で購入することを強くお勧めします!



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