ヘッドホンやイヤホンを通じて、ゲーム、音楽、さらには動画を楽しむことは、非常に充実した体験です。これらのデバイスは周囲の雑音を効果的に遮断してくれるため、特に通勤や通学の際には欠かせないアイテムとして広く利用されています。
しかしながら、ヘッドホンを使用することには、さまざまな危険が潜んでいることをご存知でしょうか?
意外な危険が背後に待ち受けているヘッドホンの使用について、この記事では、使用前に知っておくべき危険性や注意点を詳しくご紹介します。
ヘッドホン使用の危険性
街中でヘッドホンをつけて音楽を聴きながら歩くことや、ゲーミングヘッドホンを使ってゲームに没頭する行動は、現代のライフスタイルにおいて非常に一般的になっています。
しかし、このような行動が、知らず知らずのうちに思わぬ危険を招くことがあるのです。
ヘッドホン難聴
近年、世界中で深刻な問題として取り上げられています。
長時間にわたってヘッドホンを使用することで、耳が聞こえにくくなる「難聴」という症状が実際に存在し、これが多くの人々に影響を及ぼしています。
音量が過剰であるために、耳の内側にある有毛細胞が徐々に損傷し、難聴の症状が現れるのは通常5~6年後になると言われています。
もしヘッドホンを使って大音量で音楽を聴いた後に耳鳴りや耳の詰まりを感じた場合、それはヘッドホン難聴の兆候である可能性があります。
もし数分で収まるような軽い症状であれば、まだ安心ですが、長時間続くようであれば、耳が危険信号を発していると考えるべきでしょう。
このヘッドホン難聴の恐ろしい点は、一度損なわれた聴力を元に戻すことは非常に難しいとされていることです。
難聴は長い時間をかけて徐々に進行するため、症状が出た時にはすでに手遅れであることがほとんどです。
世界保健機関(WHO)も、全世界で11億人の若者が大音量で音楽を聴くことによって、難聴のリスクが高まっていると警鐘を鳴らしています。
事故に合う危険性
通勤や通学中にヘッドホンを使用している人々が多くいますが、この行動には意外な危険が潜んでいます。
ヘッドホンで音楽を聴きながら自転車を運転している姿をよく見かけますが、両耳で音楽を聴いていると、突発的な出来事に気づくまでの反応時間が約0.2秒遅れるという実験結果があります。このわずかな時間は短いと考えられるかもしれませんが、その0.2秒の差が接触事故や人をはねる危険性を高める要因となるのです。
もし接触した相手がけがをすれば、人身事故として「過失傷害罪」や「重過失傷害罪」が適用される可能性もあります。
また、自分が加害者になるだけでなく、被害者になるリスクも考慮しなければなりません。
周囲の音が聞こえない状態では、車や自転車の走行音を聞き逃してしまい、事故に遭う可能性も十分にあるのです。
後をつけられる危険性
暗い場所や人通りの少ない場所、また夜間に帰宅する際などには特に注意が必要です。
ヘッドホンを装着していると、当然周囲の音が聞こえにくくなります。
そのため、帰宅途中の女性が後をつけられてわいせつ行為やけがを負う事件が多発しています。また、ひったくりの被害も後を絶ちません。
実際に、ヘッドホンをつけていたために、後ろからつけられていることに気づかなかったというケースも報告されています。
外部の音を遮るほどの音量で音楽を聴くことによって、聴覚だけでなく、視覚情報の認識能力にも影響を及ぼすことがわかっています。
音楽に集中するあまり注意力が散漫になり、周囲の状況を把握する能力が著しく低下してしまうのです。
使用する際の注意点
このように、ヘッドホンの使用には多くの危険が潜んでいますが、ヘッドホンを使用すること自体が悪いわけではなく、使用方法に問題があるのです。
ヘッドホン難聴の主な原因は、長時間にわたって大音量で使用した場合に起こります。
会話が聞き取れる程度の音量、つまり約65dB程度であれば、ほぼリスクはないとされています。
しかし、その音量ではお気に入りの音楽や動画に集中するのが難しいと感じることもありますよね。
この問題を解決するために有効なのが、ノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホンです。この機能を利用すれば、周囲の音を効果的に抑えることができるため、小さな音でも十分に楽しむことができるでしょう。
また、ヘッドホンを使用した後は耳を休めることも非常に重要です。
ヘッドホンを使わない日を設けたり、使用時間を短くすることで難聴のリスクを大幅に減少させることが可能です。
音量を抑えたり、周囲の音を意識することで、事故や犯罪から自分を守る手段にもなるため、ヘッドホンの使用方法には十分な注意が必要です。
まとめ
ヘッドホン難聴や事故、犯罪のリスクから自分を守るためには、何よりも「ながらヘッドホン」の機会を減らすことが非常に重要です。
それでも、音楽やゲームを楽しむ時間を減らすことは、ストレスの原因にもなりかねません。
そこで、安価なヘッドホンは避けるようにしましょう。ある程度の機能が備わったヘッドホンを選ぶことをお勧めします。
低音量でも音楽を楽しむことができれば、音量を上げすぎることなく耳への負担も軽減され、周囲の状況を把握することも容易になります。
安全に楽しむためには、「大音量で聴かない」「長時間のヘッドホン使用を避ける」ことを心掛けていただきたいと思います。
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