家庭菜園と聞くと、自らの手で育てた野菜が成長していく様子を見守る楽しさは特別なものですが、それだけではなく、自分が育てた野菜を収穫し、食卓で味わう喜びは何物にも代えがたい貴重な体験です。
「収穫がたくさんできて、食べきれないほど」といった話を耳にすることが多いですが、その一方で「虫にやられてしまった」「すぐに枯れてしまった」といった声も同じくらい多く聞かれます。家庭菜園を楽しむためには、育てやすい野菜を選ぶことが大切です。市場には多数の種類の野菜が流通しており、育てやすいものもあれば、逆に栽培が難しいものも存在します。そこで、これから家庭菜園を始めようとする初心者の方に向けて、あまりお勧めできない野菜についてご紹介いたします。
初心者にオススメしない野菜
– トウモロコシ
– キャベツ
– スイカ
これらの野菜は、人工授粉や害虫・鳥害対策など、初心者にとっては難しく感じる作業が伴うため、家庭菜園を始めたばかりの方にはあまり適していないと言えるでしょう。
トウモロコシ
分類:イネ科トウモロコシ属
トウモロコシは、世界的に三大穀物の一つとして知られ、その甘さや食感の良さから非常に人気があります。焼いても、茹でても美味しく、家庭料理でも幅広く使われるため、料理に欠かせない存在です。しかし、初心者にオススメしない理由は以下の通りです。
– 人工受粉が必要
– 肥料を大量に使用する
– 害虫や鳥からの被害対策が必要
これらがトウモロコシを育てる際の主な課題です。
・人工受粉が必要
自然受粉も可能ですが、育てる株が少ない場合、実ができる際に歯抜けや不揃いの実ができる原因になることがあります。そのため、家庭菜園では人工受粉を行うことが多くなります。しかし、人工受粉が失敗すると、同様に歯抜けが発生する可能性があります。受粉の方法としては、雄花を切り取って、その花粉を雌花のひげに軽くなでるようにして受粉させる必要があります。
・肥料をたくさん使う
トウモロコシは他の野菜に比べてかなりの量の肥料を必要とします。そのため、適切な土作りが非常に重要であり、追肥や土寄せも何度も行わなければなりません。肥料が不足すると、草丈が低くなったり、実が大きく育たないことがあるため、注意が必要です。
・害虫&鳥害対策が必要
トウモロコシの幹や実は、アワノメイガの幼虫によって被害を受けやすいです。特に、花粉が出ている時期の雄花には特に注意が必要です。防虫対策としては、人工受粉が終わった後に速やかに雄花を切り落とす方法が効果的です。農薬を使わない場合は、定期的に害虫の点検を行い、見つけ次第捕殺することが重要です。また、実が大きくなると、虫だけでなく鳥にも狙われるため、しっかりとした対策が求められます。
まとめ
トウモロコシは美味しくて人気のある野菜ですが、人工受粉や害虫・鳥害対策が必要なため、家庭菜園初心者にはあまりおすすめできない選択肢です。
キャベツ
分類:アブラナ科アブラナ属
栄養素が豊富に含まれているキャベツは、野菜炒めやお好み焼き、さらには料理の付け合わせなど、日常の食卓で大活躍する食材です。しかし、初心者にオススメしない理由は以下の通りです。
– 非常に多くの虫が発生するため、対策が必須です。
・かなり虫が発生するので対策が必要
キャベツは多くの虫を引き寄せるため、害虫の被害が特に多い野菜の一つです。キャベツに寄生する虫の中でも特に代表的な存在は、モンシロチョウの幼虫であるアオムシです。この虫は放置してしまうと、葉の大部分を食べ尽くしてしまいます。防虫対策としては、苗を植えた段階で防虫ネットをかけることが推奨されますが、隙間があるとそこから入り込まれるため、日々の観察と対策が求められます。
まとめ
子供から大人まで楽しめる栄養豊富なキャベツですが、野菜の中でも非常に多くの虫が発生しやすいため、家庭菜園初心者で虫が苦手な方にはあまりオススメできません。
スイカ
分類:ウリ科スイカ属
夏バテや疲労回復に効果があると言われるスイカは、甘さがあり水分たっぷりで、冷やして食べると夏の定番デザートとして非常に人気があります。しかし、初心者にオススメしない理由は以下の通りです。
– つるの伸ばし方と誘引が難しい
– 鳥害対策が必要
・つるの伸ばし方と誘引
スイカは親つるを摘芯し、小つるを育てる必要があります。ただし、単に伸ばすだけでは、つるが繁茂して通気性や日照に問題が生じ、病気を引き起こす可能性があります。そのため、小つるを適切に誘引することが必要です。しかし、思ったように小つるが育たないからといって何度も動かすと、つるが弱り、株全体の成長が遅れてしまうことになります。
・鳥害対策が必要
カラスは非常に賢い鳥で、スイカが大きく育って収穫寸前になると、その果実を突いて食べてしまうことがあります。スイカもカラスの標的になりやすい野菜の一つであるため、対策が欠かせません。しかし、隙間があるとそこからくちばしを入れられてしまうこともあるため、十分な対策が必要です。
まとめ
甘くて水分が豊富で、冷やしてデザートとして楽しめるスイカですが、つるの伸ばし方や鳥害対策が必要なため、家庭菜園初心者にはあまりオススメできません。
まとめ
今回ご紹介した「トウモロコシ」「キャベツ」「スイカ」は、それぞれ防虫対策や鳥害対策が必要です。したがって、家庭菜園初心者にとっては最初に栽培するには少しハードルが高いと考えられます。ただし、これらの野菜を育てることが必ずしも失敗を意味するわけではありません。誰もが最初は初心者であり、どの野菜も毎年安定して栽培するのは難しいものですし、それぞれに手間がかかります。
家庭菜園はさまざまな体験を通じて楽しむことができるのがその大きな魅力です。まずはどの野菜を育てようかと、ホームセンターで野菜の苗を見てみるのはいかがでしょうか?きっと新たな挑戦が待っていることでしょう。
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