冷凍野菜は買ってはいけない?

野菜が不足していると感じる場面や、特に忙しい朝にお弁当を作る必要があるときに、冷凍野菜は非常に便利で重宝しています。手軽に使えるため、料理の時短にも寄与してくれます。

最近では、野菜の価格が高騰しているため、冷凍野菜は経済的にも非常に助かる存在と言えるでしょう。ただし、栄養価が低いのではないか、農薬の使用が心配、また手抜きに見えるのではないか…など、様々な理由から冷凍野菜の購入をためらう方も多いかもしれません。

そこで、今回は市販の冷凍野菜を購入するかどうかを迷っている方に向け、以下の疑問点にお答えしていきたいと思います。

・冷凍野菜に栄養はあるの?
・冷凍野菜の安全性は?
・冷凍野菜のメリット・デメリット

安心して購入するための参考にしていただければ幸いです。

冷凍野菜に栄養はあるの?

冷凍野菜は加工品であるため、栄養が少ないと考えている方も少なくないでしょう。しかし、実際には国民生活センターが1998年に実施した調査によれば、冷凍野菜の栄養価は生野菜とほとんど変わらないことが示されています。冷凍保存を行うことで、栄養が大きく失われることはないため、冷凍野菜は生野菜とほぼ同等の栄養価を保持しているのです。特に、市販の冷凍野菜は栄養価と美味しさを最大限に引き出すために、様々な工夫が施されています。

旬の野菜を急速冷凍

冷凍野菜には、栄養が豊富で美味しい旬の野菜が使用されています。コストを抑えるために、最も多く収穫され、価格が下がりやすい時期に収穫された野菜が選ばれています。新鮮な状態で急速冷凍されるため、旬でない生野菜や鮮度が落ちた生野菜よりも、栄養価が高い場合も実際にあるのです。

ブランチングと温度管理

冷凍する前には、野菜を熱湯で下茹でしたり、蒸気を当てたりして加熱処理を行います。この処理は「ブランチング」と呼ばれ、ブランチングを行うことで色の変化や劣化を引き起こす酵素の働きを抑えることができます。さらに、野菜の組織を柔らかくすることにより、冷凍による組織の破壊を防ぎ、細胞や栄養を損なうことなく冷凍保存が可能になります。

また、冷凍野菜は収穫後から店舗に並ぶまで、−18℃以下という厳しい温度で管理されています。この徹底した温度管理によって、長時間経過しても品質が劣化せず、栄養がしっかりと保持されているのです。

冷凍野菜の安全性は?

2002年には、中国産の冷凍野菜から残留農薬が基準値を超えて検出され、大きな問題となりました。このため、冷凍野菜が多く海外から輸入されていることから、農薬や添加物が多く使用されているのではないかと不安になる方もいるかもしれません。しかし、現在では企業が安全な食品を提供するために様々な取り組みを行っており、安心して食べられる製品が増えてきています。

管理体制の徹底

2002年以降、日本及び中国では再発防止策が講じられ、食品の安全性に対する意識が高まっています。自社農場や契約農場以外からの野菜を仕入れず、残留農薬については日本の基準に基づいて検査が行われるなど、徹底した対策が実施されています。また、農場での栽培や農薬の監視・指導が行われ、指定された工場での品質管理も厳格に行われているため、日本の企業の管理体制は非常に信頼性が高いものとなっています。

添加物は不使用

ほとんどの冷凍野菜は、添加物を使用せずに製造されています。冷凍野菜は急速冷凍された後も、−18℃以下の温度で保存され続けます。このような低温管理によって、食中毒や腐敗の原因となる細菌が活動できなくなるため、保存料を使用しなくても長期間保存が可能になるのです。

冷凍野菜のメリット

調理がしやすい

冷凍野菜の大きな魅力は、何と言ってもその調理のしやすさにあります。洗う手間が省け、すでに食べやすいサイズにカットされているため、そのまま手軽に使うことができ、料理にかかる時間を大幅に短縮することができます。また、捨てる部分もないため、必要な量だけを取り出して利用できるため、無駄が出ることもありません。特に、皮むきやカットが面倒なカボチャや里芋などの野菜については、冷凍野菜が非常に役立つ存在となるでしょう。

価格が安定している

生野菜は季節によって価格が大きく変動することがありますが、冷凍野菜はその価格が安定しています。野菜が高騰している時期でも、安心して購入することが可能です。旬の野菜を急速冷凍しているため、一年を通じて美味しい野菜を気軽に楽しむことができるのは嬉しいポイントです。

長期保存ができる

生野菜は適切に保存していても傷んでしまうことがありますが、冷凍野菜は長期間保存ができるため安心です。賞味期限も長いため、一度に大量に購入しても問題ありません。冷凍庫に常備しておくことで、買い物に行けないときやもう一品欲しいときに非常に役立ちます。

冷凍野菜のデメリット

種類が限られている

市販の冷凍野菜は、冷凍しても影響を受けにくい野菜を選んで製造されています。モヤシや大根、レタスやキュウリなど、水分や繊維質が多く含まれる野菜は冷凍には適さないため、冷凍野菜としては摂取できないのが現実です。

生野菜のほうが良い場合も

冷凍野菜は価格が安定しているものの、季節によっては生野菜の方が高くなることもあります。特に旬の時期には生野菜を選ぶ方が、栄養が豊富でコストパフォーマンスが良いことが多いです。また、冷凍野菜は購入後に自宅の冷凍庫に入れるまでに溶けてしまうリスクがある一方、生野菜はその影響を受けないため、保存温度に注意が必要です。

味や食感が変わる

冷凍野菜は高度な加工技術を用いて製造されていますが、ブランチング後に急速冷凍されるため、味や食感に変化が生じることがあります。生野菜に比べて加熱しやすく柔らかくなりがちなため、適切に解凍しないと水っぽくなってしまうこともあります。そのため、凍ったまま使用して短時間で調理するなど、加熱しすぎに注意する必要があります。

生野菜には敵わない…けど便利な冷凍野菜

冷凍野菜は栄養や美味しさの面で、新鮮な生野菜には劣ることは否めません。栄養バランスの整った食事を実現するためには、やはり旬の生野菜を調理して食べることが最も効果的です。また、冷凍に適さない野菜も存在するため、便利であるからといって市販の冷凍野菜だけでは十分な栄養を摂取することは難しいでしょう。

それでも、保存が効く冷凍野菜は常備しておくと本当に役立つ存在です。野菜が必要なときには、冷凍庫から取り出してすぐに使用できます。冷凍野菜は手抜きだと感じることもあるかもしれませんが、里芋などの手間のかかる野菜も簡単に利用でき、料理の幅を広げることが可能になります。

普段は生野菜を選びつつ、皮むきやカットが面倒な食材については冷凍野菜を活用することで、冷凍野菜も立派な栄養源として役立つのではないでしょうか。

まとめ

市販の冷凍野菜は、農薬や添加物に関する心配が少なく、栄養もしっかりと保持されているため、料理に安心して使用できることが明らかになりました。

これまで何となく抵抗感があった方も、この情報をきっかけに冷凍野菜を購入したくなるのではないでしょうか。

冷凍野菜の味や柔らかい食感が気になる場合には、濃い味付けをしたり、加熱時間を短縮したりすることで、より美味しく楽しむことができます。

バランスの取れた食事を実現するためには生野菜もしっかり摂取することが重要ですが、冷凍野菜を巧みに活用して、食卓をさらに豊かに彩ることができるでしょう。

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