買ってはいけないノコギリヤシ　その理由とは？

排尿に関する困難を抱えている方々が、効果的なサプリメントを探す際にしばしば目にするのが「ノコギリヤシ」という名称です。このサプリメントは、ラジオ広告などでその効果が高いと紹介されることが多く、興味を持たれる方も少なくないでしょう。

ノコギリヤシは、ネイティブアメリカンの活力源として広く知られている植物であり、日本においても食品として認可された人気の高いサプリメントの一つとして位置づけられています。実際に、ドラッグストアやオンラインショップでは、種類豊富なノコギリヤシ製品が取り扱われています。

栄養価の高いノコギリヤシを継続して摂取することで、長年にわたって悩まされてきたさまざまな問題が解消されるかもしれないという期待感から、手に取る機会も多いでしょう。しかし、実のところこのサプリメントが全ての人に対して効果をもたらすわけではなく、服用する際にはいくつかの注意点が存在します。そこで、まずはノコギリヤシについて詳しく説明し、その上で注意すべき点についても詳しくお話ししたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

ノコギリヤシとは？

ノコギリヤシは南アメリカを原産地とする低木ヤシで、別名ソーパルメットとも呼ばれています。この植物は、主に男性や女性の生殖機能に関する障害や、様々な疾患による咳などの症状を和らげるために用いられてきました。その葉の先端がまるでノコギリの刃のように尖っていることから、この名前が付けられたのです。

脱毛などの症状に対するサプリメントとして非常に名が知られていますが、ノコギリヤシは病院での検査の際に、検査値に影響を与えないとされています。そのため、安心して服用できると考えられています。ヤシの種類は約3333種存在すると言われており、身近な植物としても親しまれています。

ノコギリヤシは通常、2から4メートルの高さに成長し、その幹は不規則に伸びる非常に強靭な植物です。成長はゆっくりと進み、葉は細かく鋭い棘で覆われているため、その特徴が和名や英名の由来となっています。

ノコギリヤシの果実や種子、また新芽は主に食用として利用され、その果汁は炭酸飲料として消費されてきた歴史があります。

特に9月から1月にかけて収穫される濃赤色の果実は、現地のアメリカ先住民にとって、天然のスタミナ食品として古くから重宝されてきました。

さらに、ノコギリヤシが男性の健康維持をサポートする力に関する研究は、ハーブが盛んなヨーロッパにおいて特に進められています。

ノコギリヤシは、ドイツのコミッションEで認可されたメディカルハーブとして、中高年男性の健康を支えるために長年利用されてきました。

生息数が多いが国内ではあまり見ることはない？

原産国である南アメリカでは、原住民たちが古くから尿路の不調の改善やせき止め、さらには抗炎症剤として幅広く利用してきました。しかし、極端な寒さや湿度の高い地域では栽培が難しく、日本国内では主に観賞用として栽培されています。

ノコギリヤシを買ってはいけない理由

・原材料のノコギリヤシは、国内での生産量が非常に少ない。

・多くの製品が輸入原材料から作られており、その安全性については不明な点が多い。

・持病のある方にとっては、長期間の服用に際して注意が必要である。

主な副作用

発疹などのアレルギー反応が現れることや、女性の更年期に似た不調が見られることもあります。また、むかつきや吐き気といった胃腸の不調、さらにはめまいも報告されています。持病の治療薬を服用中の方は、飲み合わせによって効果が薄れる可能性があるため、十分な注意が必要です。

他にも、ノコギリヤシの副作用として一般的に性欲減退、無気力、下痢、腹痛、吐き気、めまい、頭痛などが確認されています。

効果の研究はまだ始まったばかり

アメリカ国立衛生研究所が助成した研究では、使用されたノコギリヤシの成分は数種類あり、それぞれが若干異なるものの、いずれも前立腺肥大の症状に対してプラセボ（効果のない不活性物質）よりも高い効果が確認されたわけではありません。ノコギリヤシ製剤は製造方法が多岐にわたるため、製品ごとに成分が異なることが、結果に影響を与えている可能性があります。

NIHが助成した研究とは異なるノコギリヤシ製剤を用いた一部の研究では、前立腺肥大の症状に有用である可能性が示唆されていますが、これらの研究は質が低く、確実な有効性が確認されたノコギリヤシ製剤は存在していません。

さらに、前立腺肥大以外のさまざまな症状や疾患に対するノコギリヤシの研究はまだ十分に行われておらず、その効果について結論を出すことは非常に難しい状況です。