買ってはいけない鼻炎薬

花粉症・アレルギー性鼻炎の原因
花粉症・アレルギー性鼻炎の治療薬
買ってはいけない鼻炎薬
花粉症・アレルギー性鼻炎の予防法

花粉症・アレルギー性鼻炎の原因

花粉症やアレルギー性鼻炎を抱える人々は、体内に侵入した花粉などのアレルゲンを異物として認識し、それに対抗するために免疫系が活発に反応を示します。具体的には、花粉を異物として判断したリンパ球が「IgE」という特定の抗体を生成し、これが花粉と結びつくことでマスト細胞、つまり免疫細胞の一種が刺激されます。この刺激によって、マスト細胞からは「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」といった化学物質が放出され、これらの物質は花粉が付着した粘膜を刺激し、炎症反応を引き起こす要因となります。その結果、体はくしゃみや鼻水を通じて花粉を排出しようとし、これが症状として現れるのです。

花粉症・アレルギー性鼻炎の治療薬

花粉症やアレルギー性鼻炎に対しては、いくつかの治療薬が使用され、症状の緩和を図ります。具体的には、以下の種類の薬があります。

（1）くしゃみや鼻水の原因となる「ヒスタミン」の作用を抑えるための抗ヒスタミン剤です。

（2）炎症を引き起こす「ロイコトリエン」などの働きを抑制するために用いるステロイド剤です。

（3）その他の抗アレルギー剤も存在します。

さらに、強いくしゃみや鼻水が続くことにより、鼻の粘膜が傷つくこともあります。この傷ついた粘膜には炎症反応が生じて充血し、腫れが見られることもあります。腫れを一時的に軽減し、血管を収縮させるためには、（4）血管収縮剤が使用されます。

買ってはいけない鼻炎薬

くしゃみや鼻水が続くと、その辛さは非常に堪えます。そのため、早急に鼻炎を改善したいと思い、鼻炎薬に手を伸ばしてしまうことも多いでしょう。しかし、効果が早い薬はその分、副作用も強い可能性があるため、注意が必要です。それでは、特に気をつけるべき鼻炎薬について詳しく解説していきます。

（1）抗ヒスタミン剤の中でも特に注意が必要なのは、「オキサトミド」です。商品名には【セルテクト、アデコック、アレトン、イワトミド、ペペシン、メクテクトなど】があり、これは抗アレルギー剤として使われることが多いですが、実際には抗ヒスタミン剤であり、副作用として筋肉の異常緊張や乳汁分泌、月経不順、高齢者においてはパーキンソン症状が現れることがあります。

（2）局所ステロイド剤の中では、「フルチカゾン」が挙げられます。商品名は【フルチカゾン、フルナーゼ】です。この薬は吸収されやすく、全身に影響を及ぼす可能性があり、副腎の機能を抑制する危険性が伴いますので、使用には注意が必要です。また、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の種類によっては、フルチカゾンの血中濃度が持続する恐れもあります。

（3）抗アレルギー剤の中には、「トラニラスト」という薬も含まれます。商品名には【リザベン、トラニラスト、リチゲーン、ラミセンスなど】があり、抗アレルギー作用を持ちながら、アレルギーを促進する作用もあり、出血性膀胱炎などの深刻な副作用が報告されています。

（4）血管収縮剤の中でも特に注意が必要なのは、「プソイドエフェドリン」です。商品名には【アネトン、アルメディ鼻炎錠、ジキニン鼻炎ＡＧ顆粒、パブロン鼻炎錠Ｓ】が含まれます。また、メチルエフェドリン（商品名【アルペン子ども点鼻シロップ】）やナファゾリン（商品名【プリビナ】）も同様に注意が必要です。これらの薬は血管収縮作用が非常に強いため、血圧が上昇し、脳出血のリスクを高める可能性があります。その結果、体のさまざまな部位で虚血が発生しやすくなりますので、特に高齢者にとっては非常に注意が必要となります。