最近では接骨院だけでなく、専門のクリニックも増えてきた産後の骨盤矯正ですが、驚くべきことに、実際には骨盤矯正が産後ダイエットにほとんど効果をもたらさないことをご存じでしょうか。
骨盤矯正に関する広告では、「産後の体重増加を解消する」といった魅力的なキャッチコピーが目に入ることが多いですよね。
私自身も、子供を出産した後には妊娠前にお気に入りだったジーンズが履けなくなり、非常に焦った経験があります。そのため、骨盤矯正を受けるべきかどうか、真剣に悩んだことを今でも鮮明に覚えています。
しかしながら、骨盤矯正の施術にかかる費用は、一般的に1回あたり2,000〜5,000円ほどで、通常は7〜8回の通院が必要とされています。
特に産後の場合、1回の施術が5,000円であれば、7回通うとなると総額で約5万円になることもあり、かなりの高額となります。
私の経験から言うと、契約を決めかねていたその間に、自然と産後の骨盤は元の形に戻り、無事に妊娠前の服をすべて着ることができるようになりました。
この記事では、産後の骨盤矯正が実際にどのような効果を持つのか、そして産後のママに本当に必要なことについて詳しくお伝えしていきますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
産後の骨盤矯正は効果なし!?
なぜ産後のママたちは骨盤矯正に関心を寄せるのでしょうか。
体重がなかなか元に戻らない状況や、私と同じように妊娠前に着ていた服が入らないことに対する不安を感じる方が多いのではないかと思います。
また、妊娠中だけでなく、出産後にも続く腰痛や腰周りの不調が、日常生活のストレスとなっている可能性もあります。

慣れない育児にストレスが加わる中で、身体の不調がさらに不安を増す要因になりますよね。
さらに、メディアや接骨院からの影響で、骨盤矯正がダイエットに効果的であるかのように宣伝されていることも、ママたちの関心を高める一因となっているのです。
しかし、骨盤矯正は必ずしも必要なものではなく、実際には骨盤矯正がダイエットに結び付くこともありません。
効果が不明な骨盤矯正に約5万円も支払うことは、本当に無駄な出費と言えるのではないでしょうか。
加えて、産後の骨盤は非常に不安定な状態にあり、誤った施術を受けることで痛みを引き起こすリスクも存在します。
骨盤の開きは自然に戻ります
妊娠中には「リラキシン」と呼ばれるホルモンが分泌され、骨盤周辺の靭帯が緩むことで、赤ちゃんの頭が通るために骨盤が開かれます。
産後もリラキシンは分泌され続け、約半年程度で徐々にその分泌量が減少していくため、骨盤の開きが出産後すぐに元に戻るわけではありません。妊娠前の状態に戻るには、ある程度の時間がかかります。
特に初めて出産を経験する場合、「このまま体型が戻らなかったらどうしよう」と不安になることも多いでしょう。
安心してください。私も自分の体型にショックを受けて不安になりましたが、骨盤矯正に通うことなく、普通に半年ほど過ごした結果、腰回りがすっきりし、妊娠前の服も問題なく着られるようになりました。
産後の不調にはストレッチが効果的
出産後の腰痛の原因は主に「ホルモンの影響」「婦人科疾患の影響」「腹筋の筋力低下」「育児中の姿勢」の4つです。
ホルモンによる腰痛は、先に述べた「リラキシン」の影響によるもので、産後はその分泌が徐々に減少するため、安静にしながら痛みを和らげる方法が効果的です。

特に安静にしていても腰の痛みがひどい場合には、何らかの婦人科疾患が影響している可能性も考えられますので、不安がある場合は産婦人科で診察を受けることをお勧めします。
腹筋の筋力が低下したり、育児中の姿勢が原因で腰痛が発生する場合には、ストレッチやマッサージを行って筋肉をほぐすことで痛みを和らげることができます。
妊娠中は、子宮が大きくなり腹筋が引き伸ばされることで姿勢を維持することが難しくなり、これが腰痛の原因となることがあります。
育児中は、おむつ替えや授乳などで前かがみになることが多く、これも腰に負担をかける要因となり、腰の筋肉が緊張しやすくなります。
ストレッチを行うことで、負担がかかっている腰の筋肉をほぐし、血行を促進させることが腰痛対策につながります。
猫のポーズのストレッチが効果的
腰回りのストレッチ方法はいくつかありますが、その中でも特に効果的な猫のポーズのストレッチをご紹介します。
- まず、四つん這いの姿勢をとります。
- 手のひらを手首が肩の真下にくる位置に置きます。
- 背中をまっすぐに伸ばし、膝はお尻の真下に来るようにします。
- 息を吐きながら、頭をお腹に入れ込むようにして背中を丸め、腰の筋肉をストレッチします。
- 心地よいと感じるところで10秒間キープします。
- 鼻から息を吸いながら、最初の姿勢に戻ります。
- 次に、背中を反らせて10秒間キープします。
- 再度、最初の姿勢に戻ります。
痛みが生じる場合などは無理をせず、自分のペースで行ってください。また、どうしても痛みが取れない場合は、病院で専門家に診てもらうことをお勧めします。
まとめ
- 産後の骨盤の開きはほとんどの場合自然に戻るため、産後の骨盤矯正に通う必要はありません。
- 骨盤矯正の料金は、産後の場合高めに設定されており、不安定な時期に誤った施術を受けると痛みが生じる恐れがあるため、焦って契約する必要はないのです。
- 産後の腰痛に関するトラブルにはストレッチが効果的であることがわかります。
産後は育児に伴う不安も加わり、体型が元に戻らないことや腰の痛みで気分が落ち込むこともあるでしょう。
しかし、赤ちゃんとの貴重な時間を大切にしながら、自宅でできる軽いストレッチを行うことで、痛みを緩和することができます。
自分自身のケアをしっかりと行いながら、育児を楽しむ時間を過ごせると良いですね。
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