最近では、資産運用という言葉を耳にしない日がないほど、非常に注目を集めています。
資産運用と言っても、その手法は多岐にわたり、為替取引や不動産投資、さらには暗号資産取引など、さまざまな投資方法が存在しています。
野村総合研究所の報告によれば、日本における投資を行う人々の数は2015年以降、着実に増加しており、2021年にはその割合が21.1%以上に達したとのことです。このことから、今後も投資人口はさらに増えていくことが見込まれています。
そのような中でも、インデックス投資は、景気の変動に強く、安定した運用成績を実現することができるため、多くの投資家にとって非常に魅力的な選択肢となっています。アクティブ投資のように高リターンを狙うことは難しいかもしれませんが、相場のインデックスに連動し、経済のサイクルに左右されにくいこの投資スタイルは、資産を安定的に増やす手段として非常に優れています。
現在の時代では、銀行や証券会社に足を運ぶことなく、オンラインプラットフォームを利用することで、初心者でも誰でも気軽にインデックス投資を始めることができるようになりました。しかし、この安定した運用が可能なインデックス投資にも、資産を効果的に増やすための基本的なルールが存在することをご存知でしょうか?
インデックス投資の基本を理解していないと、資産を増やすどころか、逆に貴重な資産を失ってしまうリスクがあるのです。
この記事では、インデックス投資とアクティブ投資の違いについて詳しく解説した後、特に避けるべきインデックスファンドについて、その基本ルールとともにご紹介していきます。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、市場の動きを示す指数(インデックス)に連動することを目指す運用スタイルのことを指します。
このインデックス投資には、シンプルでわかりやすい構造や、コストが低く抑えられるといった特徴があります。複数の銘柄に対して広く分散して投資を行うため、一つの銘柄に集中して投資するよりも、経済の変動による価格の変動が抑えられ、リスクを回避する効果が期待できます。
代表的なインデックス指数には、日本株式では日経平均株価(通称日経225や日経平均)、東証株価指数(TOPIX)、また米国株式ではNYダウ、S&P500指数、ナスダック総合指数などがあります。
インデックス投資を行うための商品は、一般的にインデックスファンドと呼ばれています。
アクティブ投資とは
一方、アクティブ投資とは、インデックス投資とは異なり、日経平均株価やTOPIXなどのインデックスを上回る成績を目指す運用スタイルのことを意味します。
市場を凌駕するリターンを狙うこの投資スタイルには、多種多様な投資対象や運用方法が存在します。証券会社などに所属するプロフェッショナルな運用チームやファンドマネージャーが、個別の銘柄や市場を徹底的に調査し、分析を行った結果を基にして投資銘柄を選定します。
アクティブ投資を行うための商品は、アクティブファンドと呼ばれることが一般的です。
買ってはいけないインデックスファンド
一括投資
一括投資とは、まとまった金額を一度に投資する行為を指します。
株価が上昇傾向にある場合には、複利の効果も相まって資産を最大限に増やす可能性がありますが、逆に株価が下落トレンドにある場合には、損失が大きくなるリスクも伴います。
ここで問題となるのは、誰もが株価の動向を100%正確に予測することはできないという点です。証券会社のファンドマネージャーのようなプロであっても、株価を常に正しく予測することは難しく、インデックス投資との勝率は五分五分であると言われています。
このような時にリスクを抑えるために有効な投資手法の一つが分散投資です。その中でも特に有名なのはドルコスト平均法です。
ドルコスト平均法とは、価格が変動する商品(株価など)に対し、常に定期的に一定の金額を購入する方法です。
この手法を用いることで、投資の金額を一定に保つことができ、価格が低い時には多くの口数を購入し、価格が高い時には少ない口数を購入することで、平均購入単価を抑えることが可能になります。
高い手数料
投資信託を利用する際にかかる手数料のことを指します。
手数料には、販売手数料、信託報酬、信託財産留保額の3つの種類があります。
販売手数料は投資信託を購入する際にかかる手数料、信託報酬は保有期間中に継続的に支払う手数料、信託財産留保額は投資信託を解約する際に発生する手数料のことを指します。
これらの手数料はファンドによって異なるため、手数料が高いファンドを選ぶと、たとえ利益が出た場合でも、その利益の大部分を手数料に支払うことになり、結果として手元に残る利益が少なくなることも考えられます。
このため、できるだけ手数料の低いインデックスファンドに投資することを心掛け、手元に残る資産を増やすことが大切です。
ただし、手数料が低ければ何でも良いというわけではなく、そのファンドのリターンも重要な要素となります。リターンが同じで手数料が異なるファンドから選ぶ場合には、できるだけ手数料が少ない方を選ぶように心がけましょう。
短期運用を前提とした売買
数日から数ヶ月の短い期間で、株式の売買を行うことを指します。
インデックス投資は基本的に長期運用を前提としており、短期的な運用では直近の経済状況の影響を大きく受けるため、安定的なリターンを期待することが難しくなります。また、ドルコスト平均法によるリスク抑制効果も薄れてしまいます。
仮に株価が低迷し、含み損が発生してしまった場合でも、すぐに焦って売却するのではなく、株価が回復するまで忍耐強く待てるかどうかが、投資で成功するための重要なポイントとなります。
まとめ
景気変動に強く、安定した運用成績が期待できるインデックス投資は、初心者にとっても比較的購入しやすく、資産を安定的に増やす手段として非常に魅力的です。
しかし、一括投資や高い手数料を支払うこと、短期売買など、インデックス投資で避けるべき手法に関する正しい知識を持っていないと、大切な資産を失うリスクも存在します。
インデックス投資だからといって安心せず、資産を守るためにも正しい知識をしっかりと身につけることを心がけましょう。
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