昔から日本の食卓には欠かすことのできない存在として漬け物があります。その種類は実に多岐にわたり、特に大根や白菜、きゅうり、さらには人参など、さまざまな野菜が使用されています。
漬け物は、日本の伝統的な発酵食品であり、健康や美容に寄与する成分が豊富に含まれています。そのため、最近では特に健康志向の高まりから、スーパーマーケットなどには多種多様な漬け物が並ぶようになり、どれを選べば良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、選択に迷う方々のために、「購入するべき漬け物」と「避けた方が良い漬け物」について詳しくお伝えしたいと思います。
漬け物とは
漬け物とは、野菜を塩やぬか、麹、酢などの調味料に漬け込み、発酵させたり、味をなじませたりしたものを指します。このプロセスでは、野菜が塩漬けされることによって水分が抜け、野菜本来の旨味が凝縮されるとともに、ビタミンや栄養素も集まります。また、発酵された漬け物には乳酸菌が豊富に含まれているため、近年注目されている「腸活」にも最適です。
さらに、漬け物は野菜だけでなく、果物や魚介類、さらには肉を漬け込むこともあります。そのため、バリエーションが豊富で、様々な食材を楽しむことができます。
代表的な漬け物の種類
【塩漬け】
漬け物の中でも最も古い歴史を持つのが塩漬けです。もともとは、野菜を長期間保存するために塩漬けが行われ、その際に乳酸菌が自然に作用して発酵が始まったとされています。具体的な例としては、白菜を塩で漬けた「白菜漬け」、なすを赤紫蘇と塩で漬けた「しば漬け」、そして京都の名物として知られるカブを使用した「すぐき漬け」があります。
【ぬか漬け】
日本人の主食であるお米を精米する際に生じる副産物である米ぬかを利用した独特の漬け物です。米ぬかに塩や水を加えた「ぬか床」に野菜を漬け込むことで、特有の風味が生まれます。米ぬかにはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、最近では新たなスーパーフードとして注目を集めています。一般的にはきゅうりやなすのぬか漬けが有名ですが、「たくあん」もこのぬか漬けの一種に該当します。
【粕漬】
お酒やみりんを絞った際に生じる「酒粕」で漬け込んだ漬け物です。酒粕は、もろみを発酵させて作る日本酒の副産物であり、米ぬかと同様にビタミンやミネラルが豊富に残るため、酒粕特有の風味と味わいが特徴的です。代表的なものには奈良漬けやわさび漬けがあり、野菜だけでなく肉や魚を漬けることも多く見受けられます。
【麹漬け】
米麹に塩や砂糖を加えた麹床に漬けた漬け物で、特に大根の「べったら漬」と「三五八(さごはち)漬け」が有名です。三五八漬けは、福島県、山形県、秋田県などの東北地方で古くから伝わる麹漬けで、塩、米麹、蒸し米を3:5:8の割合で混ぜ合わせたことに由来します。野菜だけでなく、肉や魚に漬け込むこともでき、煮物やスープの隠し味としても活用可能で、料理を美味しく仕上げることができます。
ちょっと待って!買ってはいけない漬け物
本来、漬け物は野菜と塩だけで簡単に作れる、非常にシンプルな料理です。しかし、スーパーマーケットで目にする漬け物の原材料を確認してみると、さまざまなカタカナ表記の添加物が目に入ります。
例えば、たくあんにはアミノ酸や増粘多糖類、アセスルファムK、ステビア、ソルビン酸K、ビタミンC、香料、着色料などが含まれていることが多いです。その中でも、着色料(赤色102号や黄4号など)や人工甘味料(アセスルファムK、アスパルテーム、ステビアなど)は、健康へのリスクが懸念される添加物となっています。
これらの添加物は、発がん性や下痢、頭痛の原因となったり、染色体異常を引き起こす可能性があるため、海外では使用が禁止されている国も存在するのです。
安全でおいしい漬け物
せっかく健康に良い食べ物を摂取するのであれば、身体に優しい材料で作られた漬け物を選ぶことが非常に重要です。では、どのような漬け物を選ぶべきなのでしょうか?それは、遺伝子組換作物不使用であり、保存料や合成着色料、化学調味料が使われていない無添加の漬け物です。できる限り、農薬不使用と記載されているものが理想的です。
原材料欄をチェックする際には、/(スラッシュ)の後に書かれているものが添加物になりますので、/が書かれていない製品を選ぶことをお勧めします。スーパーマーケットで漬け物を購入する際には、ぜひとも原材料を確認してみることをお勧めいたします。
また、漬け物は自宅で簡単に作ることも可能です。ぬか漬けや麹漬けは少し手間がかかりますが、塩漬けであれば家庭で気軽に作ることができます。用意する材料としては、白菜やキャベツなどの葉物野菜、塩、加えて昆布や鷹の爪があれば尚良いです。これらの材料をすべてジップロックに入れ、軽く揉んで冷蔵庫に保存しておけば、あっという間に美味しい浅漬けが完成します。発酵の進み具合は食べるまでの日数によって異なりますので、酸味が苦手な方は早めに食べ切ることをおすすめします。
まとめ
古くから私たち日本人の食卓に並んできたお漬け物は、最近特にその健康効果が注目を集めています。今では、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで手軽に購入できる時代となりましたが、「どれでもいいや」と考えるのではなく、しっかりと原材料を確認し、安全で美味しい漬け物を選ぶことが極めて重要です。
また、手軽に自宅で作ることも可能ですので、ぜひ一度試してみることをお勧めします。自分好みの味を見つける楽しさも味わえることでしょう。漬け物を購入する際は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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