普段、皆さんが購入するお菓子や飲料水は、ただ見た目が美味しそうだからという理由だけで無造作に選択していませんか?しかし、その飲食物には危険な合成着色料が含まれている可能性が十分にあるのです。
合成着色料には多くの種類が存在し、アレルギーを引き起こすものや発がん性が懸念される物質も含まれています。特に驚くべきことに、海外では使用が禁止されているにもかかわらず、日本国内では使用が認められているものもあり、非常に危険な物質が多く含まれている場合があります。
この記事では、いくつかの合成着色料について詳しく紹介し、最後に今後どのように注意を払っていけばよいかについて解説します。
合成着色料のタール色素とは
飲食物に使用される着色料は大きく分けて二つのカテゴリに分類されます。それは、動植物由来の天然着色料と、化学合成によって製造される合成着色料です。
中でも特に代表的な合成着色料がタール系色素です。この色素は「〇色〇号」として表示されることが多く、石炭タールや石油タールを原料として化学的に合成された着色料を指します。タール系色素を使用することで、食品は非常に鮮やかな色合いを得ることができ、食品だけでなく、衣類や化粧品などにも広く利用されています。
お菓子などの食品が色鮮やかに仕上がることで、一見すると美味しそうに見える効果がありますが、これらは人工的に合成された物質であるため、体内での分解が難しく、健康に悪影響を及ぼす可能性があるものも多く存在します。そのため、十分に注意が必要です。
以下に、日本で一般的に使用されているタール系色素を5種類ご紹介します。
食用赤色2号
別名「アマランス」とも呼ばれるこの着色料は、ゼリーやイチゴシロップ、ジュースなど、食品を鮮やかな赤色に染めるために使用されています。
この物質を摂取すると発がん性のリスクがあるほか、不妊や死産の原因になる可能性が指摘されており、タール系色素の中でも特に危険性が高いとされています。日本国内では使用が許可されていますが、アメリカでは禁止されています。
食用黄色4号
別名「タートラジン」として知られるこの着色料は、食品を鮮やかな黄色に仕上げるため、ゼリー、シロップ、たくあん、数の子、カクテル、キャンディ、グミなど多岐にわたる食品に使用されています。
この色素に過敏に反応する方は、摂取によって喘息、鼻水、じんましんなどの症状が出る可能性があります。イギリスでは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)に影響を及ぼす可能性があるとして警告されています。また、動物実験では染色体への影響や胃腸に異常が見られることが報告されています。
食用緑色3号
別名「ファストグリーンFCF」として知られるこの着色料は、食品を鮮やかな緑色に染めるため、メロンをイメージしたお菓子や飲料に多く使用されています。この着色料は光や熱、酸に強いという特性を持っており、長期間色あせない特徴があります。
しかし、摂取により動物実験で発がん性が報告されており、ヨーロッパやアメリカでは使用が禁止されています。一方で、日本では人体に影響がないとされているため、使用が認められています。
食用青色1号
別名「ブリリアントブルーFCF」として知られるこの着色料は、さまざまな食品に使用されており、特にかき氷のシロップ、ゼリー、アイス、野菜の漬物などに使われています。
他のタール系着色料と比べると、発がん性のリスクは低いとされています。そのため、日本だけでなくアメリカでも使用が許可されていますが、ドイツやフランスなどの国々では使用が禁止されています。また、水やアルコールには溶けるが油には溶けず、酸や熱に強いものの、着色力はそれほど強くないという特徴があります。
食用赤色3号
別名「エリスロシン」と呼ばれるこの着色料は、ピンク色に近い色合いを持ち、主に菓子、かまぼこ、福神漬け、漬物、さくらんぼなどに広範に使用されています。
この物質は人体に有害であり、成長抑制や染色体の異常、赤血球の減少などの可能性があるとされています。動物実験ではアレルギーや貧血、発がん性の可能性が確認されています。日本では使用が認められていますが、ポーランド、ドイツ、アメリカなどの国々では禁止されています。
合成着色料との付き合いかた
ここまで合成着色料のタール色素について5種類紹介しましたが、皆さんはどのように感じたでしょうか?
発がん性やアレルギーなど、さまざまな危険性が指摘されているため、心配に思われた方も多いかもしれません。一方で、「普段何気なく口にしているものに含まれているので、完全に避けることは難しいのでは?」と感じた方もいらっしゃることでしょう。
その通りで、自給自足をしていない限り、合成着色料を完全に摂取しない生活は現実的ではありません。では、どう対処すべきなのでしょうか?一つの方法として「ADI(Acceptable Daily Intake)に従って摂取する」という考え方があります。
ADIとは、健康に悪影響が出ないとされる1日の許容摂取量のことであり、日本で販売されている多くの食品ではこのADIの基準を下回る量の合成着色料が使用されています。したがって、よほどの量を一度に摂取しない限り、健康に悪影響が出る可能性は低いと考えられます。
そのため、一般の方々はそこまで神経質になる必要はないと言えますが、気になる方は普段購入している食品のADIについて調査してみることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ほんの一部の合成着色料の紹介に過ぎませんが、その危険性について少しでも理解を深めていただけたのではないでしょうか。
今後注意してほしいことは、自分が普段購入する食品にどのような合成着色料が含まれているのかを把握し、気になる方はそのADIの値を調べることです。この情報を大切にし、健康的な食生活を心がけていきましょう。
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