一般的にペットとして人気のある動物といえば、犬や猫が主流ですが、フェレットはそれらと比較するとあまりペットショップの棚に並ぶことのない存在です。しかし、フェレットの愛らしい外見や、小動物特有の遊び好きな性格が、多くの人々の心をつかむ理由となっています。
フェレットについて調査を進めると、インターネット上では「臭い」や「高い」といったキーワードが頻繁に検索されることに気づくでしょう。これらの情報は、フェレットを飼う際の重要な注意点を示しているといえます。
したがって今回は、フェレットを飼う際に知っておくべき注意点や具体的な飼い方に関する情報をまとめてお届けします。これからフェレットを迎え入れることを考えている方々にとって、デメリットも含めて参考にしていただければ幸いです。
フェレットの初期費用
まず初めに、フェレットを新しく迎える際に必要となる生体価格についてですが、一般的には約2万円から10万円と、価格に幅があります。この価格設定は繁殖場、つまりファームによって異なりますが、最も一般的な価格帯はおおよそ6万円程度です。
フェレットは素人が繁殖を試みるのが難しいため、市場に流通しているフェレットはほとんどが去勢・避妊手術を受けており、さらに臭線の除去も行われていることが通常です。また、日本で特に多く流通しているマーシャルフェレットを含む多くのファームでは、個体識別のために入れ墨やマイクロチップの埋め込みが行われています。これにより、他の小動物と比べてコストが高くなっているのです。
続いて、フェレットを飼うために必要なアイテムを以下に挙げます。
- ケージ
- トイレ
- トイレ砂
- ハンモック
- エサ入れ
- 水入れ(ボトルなど)
- フェレット用フード
これらのアイテムを揃えるためには、大体2万円ほどの初期投資が必要となります。さらに、毎月の餌代やトイレ砂代、エアコン代など、定期的にかかる経費も考慮する必要があります。
加えて、フィラリア症を予防するためのワクチン接種が必要です。生後1年目のフェレットには、年に2回のジステンパーワクチン接種が求められます。
フェレットのニオイ
時折、日本のファームからも臭線が残っているフェレットが存在しますが、全体的には多くのフェレットは海外から輸入されており、臭線が除去されていることが一般的です。そのため、フェレット特有の臭いがそれほど気にならないケースが多いのです。
ただし、独特の香りが完全に消失するわけではないため、臭いに敏感な方にとっては不快に感じることがあるかもしれません。この臭いはフェレット自身のものだけでなく、ハンモックなどに付着した臭いが強く感じられることもあります。そのため、できるだけ替えのハンモックを用意し、毎日洗濯を行うことをおすすめします。これにより、臭いをかなり抑えることができるでしょう。
フェレットはトイレのしつけも可能なため、毎日のトイレ掃除は非常に重要です。さらに、毎日約1時間程度はケージから出して遊ばせることが、彼らのストレス軽減にもつながります。その間にケージ内の掃除を済ませるのも良い方法です。
また、月に1回程度のシャンプーも推奨されますが、洗いすぎると逆に皮脂が過剰に分泌されることがあるため、軽い汚れは濡れたタオルで優しく拭き取るだけで十分です。
フェレットにかかる医療費
フェレットが「高い」と言われる理由の一つには、医療費が大きな要因として挙げられます。
フェレットはほぼ確実に病気にかかる可能性が高いとされています。フェレットの平均寿命はおよそ7年から10年ですが、その生涯を通じてかかる医療費が100万円を超えることもあると言われています。
主な病気には以下のようなものが存在します。
- インスリノーマ
- 副腎腫瘍
- リンパ腫
- フィラリア症
- 犬ジステンパー症
- インフルエンザ
これらの中でも特に注意が必要なのは、フェレットの3大腫瘍と呼ばれる以下の3つです。
●インスリノーマ・・・膵臓に腫瘍ができる病気で、インスリンというホルモンが過剰に分泌されることによって、低血糖症を引き起こします。その結果、運動障害や昏睡状態、けいれんなどの深刻な症状が生じます。発症した場合は、食事を1日に何度も分けて与える必要があります。
●副腎腫瘍・・・副腎に腫瘍ができることで、脱毛やかゆみ、貧血、尿の出にくさなどの症状が現れます。手術で腫瘍を摘出することが可能ですが、その際には手術費用に加えて入院費用も発生します。
●リンパ腫・・・血液の癌で、食欲不振や下痢から始まり、最終的には体の麻痺やけいれんを引き起こします。抗がん剤による治療が必要となり、治療は1~2週間ごとに行われ、その都度1~2万円ほどの出費がかかります。
加えて、蚊に刺されることで感染する可能性が高いフィラリア症や、致死率が100%の犬ジステンパー症、人からの飛沫感染が広がりやすいインフルエンザなど、フェレットには様々な病気が存在します。さらに、病気は単独で発生することは少なく、年齢を重ねるごとに合併症のリスクが増大します。
これらの要因が、フェレットに対して「高い」と言われる理由の一因となっているのです。
まとめ
どんな動物においても、人間と同様に病気になる可能性があり、飼い主には金銭的な負担も伴います。特に動物は痛みや不調を言葉で訴えることができないため、日常的なコミュニケーションが非常に重要です。
フェレットを飼う際には、確かに病気になりやすいことや独特の臭いなどのデメリットが存在します。しかし、そうした点を理解した上で愛情をもって接することができれば、フェレットの可愛らしい仕草や性格に癒されることでしょう。
小動物であっても、犬や猫と同じようにフェレットも心を込めて大切に育ててあげてくださいね!
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