知らないと危険!買ってはいけないロキソニンテープ

運動や重い作業を終えた後に襲いかかる筋肉痛や、長時間の立ち仕事や座り仕事によって、ひざや腰に痛みを感じている方は多いのではないでしょうか。そんな厄介な痛みを和らげるために役立つのが「湿布」です。

多くの家庭では、日常的な痛みを軽減するための常備薬として湿布がストックされていることでしょう。

通常、痛みが和らいだ時点で湿布の使用をやめるのが一般的ですが、慢性的に体のどこかに痛みがある方は、長期間にわたり湿布を使い続ける傾向が見られます。

手軽に使用できる湿布ですが、実はその背後には予想外の危険が潜んでいることをご存じでしょうか?

今回は、数多くある湿布の中でも特に鎮痛効果が優れている「ロキソニンテープ」の特徴と、それに伴う意外な危険性について詳しく見ていきましょう。

ロキソニンテープってどんな商品?

ロキソニンテープ」は、2008年に医療用として第一三共株式会社から発売され、2016年8月には「ロキソニンS外用薬」シリーズの一部として販売が開始されました。

第2類医薬品に分類されるロキソニンテープは、薬剤師または登録販売者が常駐する店舗であれば、処方箋なしで手に入れることができます。

一般的には「湿布」として一括りにされることが多いですが、湿布は実際には2つの異なる種類に分けることが可能です。

①白くて特有の香りがする「パップ剤
②薄くて貼りやすく、剥がれにくい肌色の「テープ剤

ロキソニンテープは②の「テープ剤」に分類される湿布です。

これまでの湿布の一般的なイメージは「パップ剤」が中心でした。

患部に貼る部分には消炎鎮痛成分が含まれており、水分を多く保持することで、ひんやりとした冷感を感じるタイプや、温かさを感じる感温タイプが存在します。 しかしながら、メントール系の特有の刺激的な香りや厚み、そして剥がれやすいという欠点も指摘されていました。

「テープ剤」も消炎鎮痛成分を含有していますが、パップ剤に比べて香りが穏やかで、収縮性が高く、密着性に優れています。

また、非常に薄く作られているため、剥がれにくく、特に痛みが出やすい関節部分にも容易に使用することが可能です。

テープ剤は医療用として以前から処方されていましたが、次第にその利用が一般化していくことになりました。

主成分「ロキソプロフェン」の効果

「ロキソニンテープ」と聞くと、鎮痛剤として非常に有名な「ロキソニン錠」を思い浮かべる方も少なくないでしょう。

この内服薬は痛みを抑える効果が非常に高いことで知られ、主成分は「ロキソプロフェン」です。

ロキソプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬に分類される一種で、非常に強力な効果があり、次の3つの作用があります。

  • 抗炎症作用
  • 鎮痛作用
  • 解熱作用

 このような素晴らしい効果により、打撲、頭痛、生理痛、神経痛、リウマチなどによる関節の痛み、手術後や抜歯後の痛みや腫れ、さらには炎症による発熱を抑えるために広く用いられています。

 ロキソニンテープに含まれる消炎鎮痛成分は、このロキソプロフェンです。

すぐれた効き目にひそむ危険性

さまざまな痛みや炎症に効果を発揮するロキソプロフェンですが、高い効果を持つ薬剤には副作用が伴う可能性があるという側面もあります。

そのため、どのような薬にも必ず添付文書が付属しており、使用上の注意点、効能、副作用について詳細な説明がなされています。

 「ロキソプロフェン」の副作用とは

ロキソプロフェンの副作用としては、主に以下の症状が挙げられます。

 浮腫、消化性潰瘍消化管出血消化器穿孔、発疹、そう痒感(かゆみ)、胃部不快感、食欲不振、下痢、吐き気・嘔吐、蕁麻疹

このように挙げられた副作用を見てみると、消化器関連の症状が多く目立っています。

 医師や薬剤師がロキソプロフェンを処方する際には、胃痛などの消化器への副作用を軽減するために、胃薬を併用することが一般的です。

 実体験として、私の母が手術後の痛みを軽減するために約一ヶ月間、処方されたロキソニン錠を服用していたところ、突然大腸からの出血が発生したことがありました。

驚いて主治医に診てもらうと、痛み止めとして使っていたロキソニンが原因であることが判明し、使用を中止することになりました。

その後、適切な処置を受けて無事に回復したのですが、改めて薬の副作用の恐ろしさや、長期間にわたる服用が体に与える影響を身近で実感する出来事でした。

ロキソニンテープの使いすぎに注意!!

 多くの人は内服薬の副作用に対して注意を払いますが、湿布のような外用薬に対しては注意が不足しているケースが見受けられます。

 しかし、患部に貼ることで皮膚から薬剤が吸収され、毛細血管を通じて全身の血流に入り込むことになります。

 そのため、肝臓が薬剤を処理しきれない場合、胃潰瘍や消化器に対する悪影響を及ぼすリスクが懸念されます。

特に高齢者は、痛みを感じる部分が複数あるため、体のあちこちに湿布を何枚も貼る傾向があります。

家族が副作用について注意を促し、使用者の体調をしっかりと観察することが重要です。

ロキソニンテープの副作用

 ロキソニンテープには、以下のような副作用が報告されています。

  • 皮膚症状~そう痒、紅斑、接触性皮膚炎、皮下出血、皮膚刺激、色素沈着
  •  消化器症状~胃不快感、上腹部痛、下痢・軟便
  •  肝臓の症状~AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇
  •   その他の症状~浮腫

皮膚に直接触れるため、皮膚症状が多く見られますが、消化器にも影響を及ぼす可能性があることを忘れてはいけません。

また、肝臓に関連する数値が上昇することも報告されていますので、体調に変化があった場合には必ず医師の診察を受けるように心がけましょう。

安心して使用するために

ロキソニンテープを安全に使用するためには、以下のポイントを遵守してください。

  • 一日一回、患部に貼り、使用枚数は増やさないようにしましょう。市販品はロキソニンSテープなら一日4枚まで、SテープLの場合は2枚までが推奨されています。
  • 15歳未満のお子様には使用しないでください。
  • 2週間以上の使用は避けるべきです。
  •  皮膚が敏感な方は、特に使用前にパッチテストを行うことをお勧めします。1~2cm角に切った小片を半日以上、腕の内側に貼り、発疹やかゆみ、かぶれ、赤みなどの症状が出ないことを確認してから使用することが望ましいです。

正しく使用すれば、効果が高く、不快な痛みを和らげる力を持つロキソニンテープですが、あくまで痛みに対する対症療法として使われるものです。

 特定の部位に痛みを感じるとき、内臓など体の内部に原因がある場合も考えられます。

湿布を使用しても痛みが改善せず、長引く場合は、すぐに医師の診断を受けることをお勧めします。

この記事が皆様のお役に立てることを願っています。

最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。

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