買ってはいけない月経カップ。正しい選び方

「第三の生理用品」として広く認知されている月経カップは、近年多くの注目を集めています。この製品が持つ大きな魅力の一つは、繰り返し使用可能であるため、経済的な観点からも非常に有利である点です。さらに、使い捨ての生理用品と比べて廃棄物を大幅に減少させることができるため、環境への配慮が求められる現代においても理想的な選択肢となっています。「試してみたいけれど、自分に合ったカップがどれか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は月経カップの選び方や特徴について、詳しく解説していくことにします。

月経カップとは
メリット
デメリット
正しい選び方
初心者に使いやすいカップの特徴
お手入れ方法
まとめ

月経カップとは

月経カップとは、女性の膣内に挿入して経血を受け止めるタイプの生理用品であり、通常は医療用シリコンなどの安全性の高い素材で作られています。使用後は洗浄を行い、再利用することができるという点が、この製品の大きな特徴の一つです。

メリット

・繰り返し使用可能経血が満杯になった際には、カップを取り出して洗浄し、再度装着することが可能です。これにより、繰り返し使用することができ、適切なお手入れを行うことで、カップは最長で10年間使用することができるため、経済的にも非常に優れています。

使い捨てのナプキンやタンポンは、毎月700円から800円程度の費用がかかりますが、月経カップは初期投資として5000円から7000円程度で購入できるため、長期的に見れば経済的な負担が大きく軽減されることが明らかです。・肌への不快感がない経血がデリケートゾーンに直接触れないため、ムレやニオイの問題が起こるリスクが低く、かぶれの可能性も大幅に減少します。特に敏感肌の方でも安心して使用できるのが大きな魅力です。また、合成繊維で作られたタンポンを長時間使用することによって生じるTSS（トキシックショック症候群）のリスクも軽減されるため、安心して利用できます。・ゴミを出さない使い捨てナプキンには、レジ袋4枚分に相当するプラスチックが含まれており、ナプキンやタンポンは海洋プラスチック汚染の一因として問題視されています。

このため、月経カップは環境に優しい生理用品として多くの人々から注目されています。

・長時間の使用が可能月経カップは医療用シリコンなど、体に優しい素材で作られているため、メーカーによっては最長12時間の装着が可能です。就寝中も安心して着用できる点が大変便利です。

また、旅行中などでトイレが頻繁に使用できない状況でも非常に重宝します。

・運動時や水中でも着用可能適切に装着すれば、膣内でカップがしっかりと密着するため、経血の漏れや水の侵入を心配する必要がありません。

運動時や温泉、プールなどでも安心して使用することができるため、アクティブなライフスタイルを楽しむことができます。

デメリット

・洗浄が必要生理期間中は、経血がたまった後に再度装着する前に、水洗いやせっけんを使ってしっかりと洗浄する必要があります。
そのため、外出中にはふき取りだけで済ませることもあり、完全に洗浄できない場合もありますが、長時間の装着が可能なので、外出先では取り外す必要がないケースも多いでしょう。

・毎月の煮沸消毒が必要生理が始まる前と終わった後には、カップを煮沸消毒する必要があります。
この消毒には約10分から15分かかりますが、これを行うことでニオイや変色を防ぐことができるため、適切なお手入れが重要です。

また、適切なお手入れを行うことで、カップを長持ちさせることが可能です。

・初期投資が必要カップの価格は5000円から7000円程度であり、この初期費用を高いと感じる方も多いかもしれません。

しかし、使い捨てナプキンやタンポンの月々の費用は約800円程度ですので、カップを半年ほど使用すれば初期投資分を回収できる計算になります。そして、最長で10年使用できるため、コストパフォーマンスは非常に優れています。

・装着と取り出しの練習が必要初めての方は、装着や取り出しに慣れるまでには練習が必要です。うまく装着できないと、痛みを感じることがあるかもしれません。

また、漏れの原因にもなりかねませんので、慣れるまでには少し時間がかかるかもしれません。漏れが心配な場合は、ナプキンを併用することをお勧めします。

正しい選び方

・出産経験の有無出産経験がある方は、骨盤底筋が柔らかくなっているため、大きいサイズのカップを選ぶことをおすすめします。
小さいサイズを選ぶと、カップが膣内で安定せず、ズレ落ちるリスクがありますので注意が必要です。出産経験のない方は、小さいサイズを選ぶと良いでしょう。

・経血量経血量が多い方は、出産経験に関わらず、大きいサイズを選ぶことをおすすめします。
小さいサイズを選択すると、頻繁に取り外して経血を捨てる必要が出てくるため、使用が煩わしく感じるかもしれません。

初心者に使いやすいカップの特徴

・カップの硬さ
柔らかいタイプは折れ曲がりやすく、挿入や取り出しが容易に行えます。加えて、弾力のあるタイプは膣内でしっかりと開きやすく、固定されるため、漏れのリスクが少なくなります。

・カップの形月経カップには「V字型」と「ベル型」という2種類の形状が存在します。

初心者には「V字型」がおすすめです。この形状は、カップのふち部分が薄く、折りたたみやすく設計されています。一方、「ベル型」はふちの部分が本体よりも広がりがあり、厚みがあるため、折りたたむのが難しく、初心者にとっては扱いづらいかもしれません。

・持ち手の形持ち手には「ステム」、「ボール」、「リング」の3種類があり、カップを取り出す際に使用されます。膣内で広がるように持ち手を持って調整しますが、「ステム」は棒状の持ち手で、「ボール」は持ち手の先端が丸い形状をしています。「リング」は指が引っかけられるように輪になっています。初心者には特にリングが推奨されており、リングに指をひっかけることで力が入りやすく、取り出しがスムーズに行えます。

お手入れ方法

・生理が始まる前や終了後には、カップを10分から15分程度煮沸消毒します。消毒後はしっかりと乾燥させ、付属のケースや袋で保管してください。密閉容器に入れるとカビが発生する恐れがあるため、避けるようにしましょう。・生理期間中にカップを取り出した際には、水洗いまたは低刺激性のせっけんでしっかりと洗浄します。カップの上部には空気穴が設けられているため、洗浄時にはその穴に詰まった汚れも忘れずに取り除くことが重要です。