アトピー性皮膚炎の人が買ってはいけない食べ物

皆さんの家族の中で、アトピー性皮膚炎に苦しんでいる方はいらっしゃいますか?

もしそのような方がいるのであれば、アトピーがもたらす肌のかゆみやその他の不快な症状を、少しでも軽減してあげたいと思うのではないでしょうか。

アトピー性皮膚炎を適切に管理する方法には、保湿やステロイド薬の使用など多様な選択肢が存在しますが、最近の研究では食事の見直しが非常に効果的であることが多くのデータにより示されています。

そこで今回は、アトピーの症状を悪化させる可能性がある食事の内容について、詳しく解説していきたいと思います。

脂質や糖質の偏りがありませんか?

まず最初に考慮すべき点は、栄養の偏りについてです。

アトピーに悩む方の中には、油分や糖分を過剰に摂取している方が少なくありません。例えば、頻繁に揚げ物が食卓に上る、ポテトチップスが常に手元にある、あるいは肉の脂身を好んで食べるような食生活が続いているかもしれません。これらは脂質が豊富な食事の典型的な例であり、注意が必要です。

マーガリンやドレッシング、スナック菓子に多く含まれるn-6系脂肪酸を過剰に摂取することは、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる可能性があるとされています。

ただ、脂質は体にとって欠かせない栄養素であり、全く摂取しないことが理想的なわけではありません。大切なのは、魚などに含まれるn-3系脂肪酸との適切なバランスを保つことです。最近の傾向として、日本人の食生活において魚を食べる回数が減少しているため、n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸のバランスが崩れつつあると言われています。

そのため、揚げ物やスナック菓子の過剰摂取に注意し、n-3系脂肪酸を意識的に摂取するために、週に3〜4回は魚を食べるよう心がけることが重要です。

また、甘い食べ物が好きで毎日のようにお菓子を食べている方や、毎日砂糖入りのコーヒーやジュースを飲む習慣がある方は、糖質を過剰に摂取している可能性があります。

過剰な糖質の摂取は、腸内で悪玉菌を増やす原因となることが知られています。善玉菌を増やし、腸内環境を良好に保つことがアトピー性皮膚炎の緩和に寄与すると考えられるため、甘い飲み物や食べ物の摂取には注意が必要です。

食事のバランスについて

食事の基本は、主食(炭水化物)、主菜(タンパク質)、副菜(野菜類)の3つを揃えることです。この3つを適切に組み合わせることで、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルという5つの重要な栄養素をバランスよく摂取することが可能になります。毎回の食事で全てを揃えることが難しい場合でも、「今日の昼食は野菜が少なかったから、夜は多めに摂ろう」といった形で、前後でバランスを意識することが大切です。

野菜は1日に350g摂取することが推奨されています。目安として、生野菜であれば両手を広げた上にたっぷり乗るくらいの量、またお惣菜の小鉢であれば5つ分ほどが理想的です。

普段、どれくらいの野菜を摂取しているかを確認し、もし少ないと感じる方は、サラダを追加したり、味噌汁やスープに野菜をたっぷり加えるなど、少しずつ野菜を増やす工夫をしてみることをお勧めします。

おすすめの食べ物

アトピー性皮膚炎を改善するためには、特定の食品だけを摂取することは難しいと考えられています。

基本的にはバランスの良い食事を摂ることが重要ですが、乳酸菌を継続的に摂取することで症状が改善されたという研究結果が報告されています。

例えば、カルピス株式会社が提供しているL-92乳酸菌の摂取によって、アトピー性皮膚炎の症状が緩和されたという研究が存在します。

l-92乳酸菌 に対する画像結果

さらに、フジッコ株式会社によるカスピ海ヨーグルトの乳酸菌がアトピー性皮膚炎を改善したという研究もあります。

カスピ海ヨーグルト に対する画像結果

次に、この2つの研究で共通している乳酸菌とアトピー性皮膚炎の関連性について少し詳しくお話しします。

乳酸菌とアトピー性皮膚炎の関係

アトピー性皮膚炎のようなアレルギーの発症には、体内に侵入してくる有害物質を排除する免疫機能が非常に重要です。

この免疫機能は、感染予防因子であるTh1細胞とアレルギー因子であるTh2細胞の2つが、互いにバランスを取りながら免疫を制御しています。しかし、この2つの細胞のバランスが崩れてしまうと、アレルゲンが体内に侵入した際にTh2細胞が過剰反応を示すことがあります。

このような過剰な防御反応が引き起こされるため、このバランスの崩れがアレルギーを発症させる要因となっているのです。

また、成人型アトピー性皮膚炎の患者では、腸内のポリアミン濃度が低下していることが確認されています。これが、健康な人との腸内フローラの違いを示しています。

ポリアミン濃度が低下すると腸の防御機能も低下し、アレルゲンが体内に侵入しやすくなります。その結果、アレルギー症状が発現しやすくなるというわけです。

しかし、ビフィズス菌LKM512を含むヨーグルトを摂取することで、成人型アトピー性皮膚炎の患者の腸内ポリアミン濃度が上昇し、免疫バランスがアレルギー抑制型であるTh1型にシフトしたことが確認されました。

これは、ポリアミンが腸から吸収された後、血中に移行し、血中のリンパ球に作用してTh1型に転換させたと考えられています。

このビフィズス菌LKM512が豊富に含まれているのが、前述したカスピ海ヨーグルトですので、見かけた際にはぜひ試してみる価値があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アトピー性皮膚炎の治療には、薬物療法やスキンケアが基本となりますが、私たちが日常的に摂取する食事のバランスを見直し、腸内環境を整えることも非常に重要です。

さらに、胃腸の機能が低下すると栄養の吸収が難しくなり、新陳代謝が悪化したり、皮膚に必要な栄養が不足してしまう可能性がありますので、暴飲暴食は避けることをお勧めします。

少しずつでも良いので、自分にできることから食習慣を見直し、健康的で美しい肌を目指して努力していきましょう!

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