近年、家庭内で洗濯物を干す光景が一般的になってきました。この背景には、花粉症や黄砂などの外的要因から洗濯物を守る必要性や、天候に影響されずに洗濯ができる便利さが挙げられます。室内で干すことには多くの利点がありますが、正しい方法で行うことが肝要です。そこで今回は、室内で使える物干しについて、詳しく掘り下げてお伝えします。
室内で洗濯物を干すときのポイント
室内で洗濯物を干す際に、最も気になるポイントの一つは「臭い」ではないかと思います。
室内で洗濯物を干すと臭いが発生する理由は、外干しに比べて乾燥するまでに時間がかかるため、残った汚れから雑菌が繁殖しやすくなるためです。洗濯物の不快な臭いを防ぐためのポイントを以下の5つにまとめてみました。
乾きやすい部屋に干す
湿気を抑え、乾きやすい環境を整えるためには、「バスルーム」や「部屋の中央」といった、部屋干しに適した場所を選ぶことが重要です。
多くの家庭では、バスルームに乾燥機能が付いているため、湿度が上昇しにくく、風通しも良好です。さらに、窓がある場合は開けることで風の流れを促進し、洗濯物がより早く乾くようになります。
リビングや空き部屋に洗濯物を干す際、物干しを部屋の端に置くことが一般的ですが、実際には部屋の中央に設置する方が効果的です。部屋の中央は空気の流れが良いため、下から扇風機で風を送ることで、洗濯物をさらに早く乾かすことができるのです。
部屋の通気性をよくする
空気の流れがないと湿度が上がり、洗濯物が乾きにくくなってしまいます。そのため、除湿器やサーキュレーターを活用して空気の流れを作り出すことが重要です。これにより湿度を下げ、洗濯物がスムーズに乾燥できる環境を整えることができます。特に「洗濯物の下から風を当てる」方法が非常に効果的です。
洗濯物干し方を工夫する
洗濯物を干す方法を工夫することで、乾きやすさを向上させることも大切です。洗濯物同士の間隔を10〜15㎝ほど空けることや、厚手の衣類と薄手の衣類を交互に干すこと、さらにタオルは片側を長めに干すなどの工夫が有効です。また、アーチ状に干す方法を採用すると、良い結果が得られます。両端にタオルを干し、その中央に靴下や下着などの短い衣類を干すことで、風通しを良くすることができます。
室内干し用の洗剤を使う
室内干しを行う際には、日光による自然な殺菌効果が期待できないため、特に室内干し用の洗剤を使用することが強く推奨されます。これらの洗剤は通常のものよりも除菌効果が高く、さらに「酸素系漂白剤」や防臭・抗菌効果のある「柔軟剤」を併用することで、室内干しの臭いを効果的に防ぐことが可能です。
洗濯槽をきれいに保つ
洗濯槽は雑菌が繁殖しやすい場所で、放置すると見えないところにカビが発生することがあります。洗濯機で衣類を洗っても、洗濯槽がカビだらけでは洗濯物に多くの雑菌が残ってしまう原因になってしまいます。定期的に、少なくとも月に1回は洗濯槽の掃除を行い、常に清潔な状態を保つことが非常に重要です。
室内用物干しの種類
突っ張り型
突っ張り型には、天井突っ張りタイプと窓枠突っ張りタイプの2種類があります。これらは高さがあり、ワンピースなどの長い衣類を干すことが可能です。また、上下に2段に設置することで大量の洗濯物を干すこともできます。窓枠に突っ張るタイプでは、洗濯物を干している間に窓の開閉や出入りが不便になることがありますが、特に仕事で外出している間に干しておくことで問題はありません。
置き型
置き型は、最も一般的な物干しであり、スペースさえあればどこでも設置可能という利点があります。サイズが大きいものであれば、布団や多人数の洗濯物も干すことができますが、デメリットとしては場所を多く占めることが挙げられます。
天井設置型
天井からポールが出ているタイプや昇降タイプがあります。
ポール式は、特にワンルームマンションなどでよく見かけるタイプで、ポールの先に物干し竿や洗濯ハンガーをかけて使用します。ポールは取り外し可能で、必要のないときには収納できるため、非常に便利です。また、長さを調整できるため、身長に応じて適切に調節することも可能です。
昇降タイプは、名前の通り竿を上下に動かすことができ、洗濯物を干す際には下ろせるため、体への負担を軽減させることができます。また、使用しないときは天井に収納されるため、見た目もすっきりとしており、来客時にも気にならないのが大きな利点です。
傘型
傘型の物干しは、1本のポールを中心に傘のように広がる形が特徴です。商品の段数はさまざまで、省スペースでタオルや小物をたくさん干せる点が魅力です。使用しないときはコンパクトに折りたたんで収納できるため、非常に便利です。
ワイヤー型
ホテルのバスルームなどでしばしば見かけるワイヤー型の物干しは、通常は壁にコンパクトに収納されており、必要な時だけワイヤーを伸ばして使用します。しかし、デメリットとして、洗濯物の量が増加するとその重さでワイヤーがたるみ、洗濯物が中央に集中してしまうことがあります。
室内用物干しの選ぶポイント
収納性
室内に物干しがあると生活感が出てしまうことが気になる方や、物干しを部屋に置きっぱなしにするとスペースが狭く感じる方には、収納できるタイプの物干しを強くお勧めします。天井昇降式や傘型、ワイヤー式のものは簡単に収納できるため非常に便利ですが、大きなサイズの置き型物干しは重くて場所を取るため、そのままにしてしまうことが多いです。
洗濯物の量
洗濯物の量は、一般的に1人あたり1日に1.5㎏ほど出るとされています。したがって、4人家族であれば、1.5㎏×4人=6㎏の洗濯物が発生することになります。水を含むとその重さは1.5倍にもなるため、4人家族の場合、毎日最低でも9㎏の洗濯物を干す必要があるということになります。布団や追加の洗濯物も考慮に入れると、耐荷重に余裕を持った物干しを選ぶことが大切です。
まとめ
以上の内容はいかがでしたでしょうか。室内用物干しには多くの種類が存在し、それぞれに独自の特徴があります。干す場所や洗濯物の量を十分に考慮し、自分にとって最適な物干しを選ぶことが極めて重要です。自宅での洗濯作業を効率的に、また楽に行える方法を見つけて、日々の暮らしをより快適にしていきましょう。
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