スーパーの売り場で頻繁に見かけるバナナは、その手頃な価格から多くの人々に広く愛されています。豊富な栄養素が含まれており、食べやすさも手伝って、大人はもちろんのこと、子供たちにも非常に人気の高い果物となっています。
多くの方が、毎回の買い物の際にバナナを手に取り、そのまま購入しているのではないでしょうか。
しかし、皆さんがバナナを選ぶ際に、その背後には多くの農薬が使われていることをご存知でしたか？
この記事では、私たちの身近にあり、栄養価が高いとされるバナナの意外な危険性について詳しく掘り下げてお話ししたいと思います。
バナナと農薬
日本で流通しているバナナの大半は、実は海外で生産されたものです。
これらのバナナは、生産国を出発し、日本に到着するまでにさまざまな工程を経て輸送されますが、出荷の際には通常、熟していない青い状態で送られます。
青い状態で収穫されたバナナは、輸送中に傷んだりカビが発生したりするのを防ぐために、防カビ剤が散布された後に輸出されるのです。
防カビ剤とは、食品添加物として認可されている物質の一つであり、収穫後に使用されるものにはイマザリル、チアベンダゾール、ベノミルなどが含まれます。
日本国内では、収穫後の果物に防カビ剤を散布することは法律で禁止されていますが、海外ではこの防カビ剤が使用されており、そのため日本に輸入される際には食品添加物として認識されるという仕組みになっています。
イマザリル
イマザリルは、殺菌効果や防カビ効果が認められており、食品添加物として防カビ剤として利用されています。
1992年に食品添加物としての使用が認められたものの、その毒性が懸念されており、過去には農薬としての使用が禁止されていた経緯もあります。
イマザリルの急性毒性は非常に高く、その致死量はわずか20gとされています。
動物実験では発がん性は確認されていないものの、人間に対する安全性については十分なデータが存在しないのが現状です。
もしイマザリルを食品添加物として使用した場合、たとえ売り物であっても、その使用が表示されることが、食品表示法によって求められています。
食品添加物として使用が認可されているのは、バナナとみかんを除く柑橘類のみという重要な事実も忘れてはいけません。
イマザリルは果物に散布される農薬として認可されており、その残留農薬量には厳格な基準がありますが、特に海外から輸入された果物には残留していることが多いとされています。
散布されたイマザリルを完全に取り除くことは非常に困難であるため、その使用が確認できれば、そのバナナの購入を控えるのが賢明だと言えるでしょう。
チアベンダゾール（TBZ)
チアベンダゾールは食品添加物のみならず、農薬や動物用医薬品としても広く利用されており、その毒性の強さで知られています。
日本やアメリカでの動物実験では、遺伝子損傷や変異原性、染色体異常、さらには発がん性のリスクが確認されています。
それにもかかわらず、チアベンダゾールは現在でも食品添加物としての使用が認められています。
この物質は果物の表皮だけでなく、果肉からも検出されることがあるため、知らず知らずのうちに体内に摂取してしまう可能性が非常に高いと言えるでしょう。
チアベンダゾールが使用されている果物には、TBZ表示のシールが貼付されているため、購入時には必ず確認してみてください。
特に妊娠中の方々は、チアベンダゾールが使用された果物を避けることが望ましいでしょう。
ベノミル
ベノミルは発がん性があるため、EUやアメリカ、オーストラリアではその使用が禁止されている農薬の一つです。
また、ベノミルは土壌に3か月から2年の間残留することがあり、植物の生態系にも負の影響を及ぼすことが明らかになっています。
この農薬は環境ホルモンとしても知られる危険な防カビ剤であることが指摘されています。
安全なバナナの見分け方
輸入されたバナナには、防カビ剤が残留している可能性が非常に高いこと、そしてその防カビ剤の危険性について理解していただけたのではないでしょうか。
安全なバナナを選ぶためには、農薬や化学肥料に依存せずに生産された商品に与えられる、有機JASマークがついているものを選ぶことが重要です。
有機JAS規格とは、日本農林規格に基づいた生産方法に関する規格を指し、登録された認証機関が調査を行い、認定された生産者や事業者には有機JASマークの使用が許可されます。
ポチップ有機JASマークの付いたバナナは通常は少々高価ですが、農薬を摂取するリスクを考慮すれば、有機JASマークの付いた果物の方がはるかに安全であることは明らかです。
有機JASマークが付いているものであれば、たとえ輸入品であっても安心して楽しむことができるでしょう。
バナナの栄養素
バナナは、ビタミンやミネラル、食物繊維が非常にバランスよく含まれており、健康に良い効果が期待できる果物です。
さらに、バナナのカロリーは意外にも86kcalと低く、さまざまな種類の糖が含まれているため、体内での吸収速度が異なり、血糖値の上昇が緩やかに進行します。
バナナに豊富に含まれる栄養素には、カリウム、食物繊維、糖質、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、マグネシウム、ポリフェノール類、アミノ酸、トリプトファンなどがあり、非常に多くの栄養素が詰まっています。
朝食や小腹が空いたときのスナックとして、ぜひバナナを取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、バナナに含まれる防カビ剤の危険性や、安全なバナナの選び方についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
バナナは栄養が豊富で、手軽に食べられる非常に優れた果物ですが、残留農薬が気になるからといって避けてしまうのは非常にもったいないことです。
安価で手に入るバナナだからこそ、その安全性には特に注意を払っていただきたいと思います。
この記事が、皆さんが安全なバナナを選ぶ際の参考となれば幸いです。
コメント