目の充血や乾燥、さらには花粉症などによるアレルギー症状に伴う痒み。これらの不快な症状に悩まされ、眼科に通院したいと思っても、平日は仕事が忙しかったり、また休日にわざわざ眼科で長時間待たされるのも気が引けたりしますよね。
そんな時、手軽に解決策を求めて近くのドラッグストアで市販の点眼薬を購入するのが一番の選択肢かもしれません。しかしながら、市販の点眼薬と専門の医師によって処方される点眼薬には、実は多くの重要な違いが存在します。
私自身も、何も考えずに市販の点眼薬を購入した結果、予期せぬ悲劇に見舞われました。そこで、私の体験を交えつつ、市販の点眼薬を使用する際に留意すべき理由を詳しく説明したいと思います。
1. 点眼薬に含まれている「防腐剤」
先日、アレルギーによる目の痒みが我慢できず、ドラッグストアで点眼薬を選びました。この薬で楽になると期待し、意気揚々と点眼したその瞬間、目の周りに熱を感じ、少し痛みを伴うような気がしました。
その後、これはメントール成分の影響だろうと気にしないようにしていたのですが、翌朝鏡を見てみると、目の周りが赤く腫れ、皮膚が鱗のようにザラザラになっていることに気付きました。
(このまま一生治らなかったらどうしようと不安に思いましたが、幸いにも約1週間で元の状態に戻りました。)
※もし異常が発生した場合は、私のように放置せず、すぐに医療機関を受診することを強くお勧めします。
後になってわかったことですが、これは「防腐剤アレルギー」によって引き起こされた症状でした。点眼薬には防腐剤が含まれていることをご存じでしたか?実際、点眼薬の多くには防腐剤が使われているのです。
その防腐剤についての量ですが、眼科で処方される通常の目薬のサイズは5mlで、必要に応じて何本も処方されることがあります。しかし、市販の目薬の一般的なサイズは10〜20mlで、薬剤師によると、そのサイズのために防腐剤の量が処方薬の2倍から3倍も入っていることが多いそうです。そのため、この防腐剤に対してアレルギー反応を示す人も少なくありません。
アレルギーのメカニズムとして、「この量までは問題ない」とそれぞれの体が耐性を持ち、その限界を超えるとアレルギー反応が現れることが知られています。つまり、私が5mlの点眼薬に含まれる防腐剤の量には耐えられたとしても、市販の10〜20ml(実際に私が購入したものは12mlでした)に含まれる防腐剤の量には耐えられなかったということです。
気軽に利用できるドラッグストアですが、実際にはこのようなリスクが潜んでいるので注意が必要です。では、自分が「防腐剤アレルギー」であるかどうかを知る方法はあるのでしょうか?残念ながら、アレルギー反応が出ていても、アレルギー検査で「アレルギー」と判定されない場合もあるため、検査で確実に分かるとは限らないようです。
自分は大丈夫だと過信して購入しても、異変が生じた際は必ず眼科を受診するように心掛けましょう。
2. コンタクトレンズを使用している人はさらに注意が必要
コンタクトレンズは多孔性のため、防腐剤などを吸着する性質があります。防腐剤が吸着したコンタクトレンズを長時間装着していると、角膜も長時間にわたり防腐剤にさらされることになります。
眼科で点眼薬を処方してもらう際には、必ず「コンタクトを使用していますか?」と尋ねられます。もしコンタクトを使用していることを伝えると、コンタクトをしていても使用できる点眼薬を処方してくれることが多いです。コンタクトをしていても使用可能な薬であれば、医師も特に確認しないかもしれませんが、普段からコンタクトを使用している方は、念のため「コンタクトを使用していますが、これで大丈夫ですか?」と確認しておくと安心です。
また、ドラッグストアで市販の点眼薬をどうしても購入する必要がある場合は、必ず薬剤師にコンタクトレンズを装着した状態でも使えるものを確認してみてください。
3. 防腐剤フリーの市販点眼薬
市販の点眼薬の中には「防腐剤フリー」とパッケージに記載されている商品もあります。点眼薬は目の疲れや乾燥、痒みなどの症状によって異なるため、自分の症状に合ったものを選ぶことが大切です。
1. アイリスCL-Iネオ(大正製薬)
2. アイリスAGユニット(大正製薬)
3. ソフトサンティア(参天製薬)
4. ソフトサンティアひとみストレッチ(参天製薬)
5. ロートソフトワン点眼液(ロート製薬)
これらの点眼薬は、開栓後に1回だけではなく、何度も使用することができるように設計されており、品質を維持するために防腐剤が使用されています。「それでは防腐剤フリーは本当に安全なのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、今回紹介した点眼薬は、1回ずつ使用するタイプや、5mlのボトルが複数本入ったものなどであり、防腐剤フリーでも安心して使用できるものです。
『ロートソフトワン』は特に親切に、パッケージに大きな文字で「開栓後、10日を過ぎたものは使用しないでください」としっかりと記載されています。防腐剤を使用していないことのデメリットもあるため、こうした注意書きには素直に従うことが重要です。
最も推奨されるのは眼科を受診して処方された薬を使用することですが、気になる方は上記で紹介した「防腐剤フリー」の点眼薬もぜひチェックしてみてください。
ここまで、市販の点眼薬に含まれる「防腐剤」が引き起こすアレルギーに注意する必要があること、さらにはコンタクトレンズを使用している人は特に注意が必要であることをお伝えしてきました。防腐剤アレルギーを持つ方が市販の防腐剤を多く含む点眼薬を使用すると、目だけでなく、目の周りの肌荒れにもつながる可能性があります。
結婚式や大切なイベントが控えている方、あるいは面接などで肌を美しく保ちたい方は、市販の点眼薬を選ぶ際に十分注意を払ってください。
※異常が発生した場合は、速やかに医療機関を受診することを強くお勧めします。
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