整髪料は、髪型を整えてスタイリッシュに仕上げるためには欠かせないアイテムですが、毎日の使用が続くと、毛髪に与える影響、特に抜け毛や切れ毛が気になる方も少なくありません。整髪料を選ぶ際には、どの製品を避けるべきか、また整髪料にはどのような種類が存在するのか、それぞれの成分が髪にどのような影響を与えるのかを事前にしっかりと把握しておくことが重要です。
整髪料の種類
整髪料には多種多様なタイプが存在しており、それぞれが持つ特性によって使用シーンが異なります。これらは水分・油分・アルコール分のバランスや、固形・液体・気体といった物理的な状態によっても分類されます。
1.ワックス(油性・クリームタイプ)
ボリュームや動きを髪に与えたい時に非常に有効なスタイリング剤です。ソフトからハードタイプまで幅広く取り揃えられており、髪の流れを作る時やしっかり固めたい時など、思い描く髪型に合わせて選ぶことができます。
2.ムース(泡状タイプ)
パーマスタイルやウェーブをしっかりキープしたい時に非常に役立ちますし、動きを出したい場合にも効果的です。ムースにはハードタイプとソフトタイプがあり、持続力に関してはハードタイプのほうが優れています。
3.ジェル
髪型をしっかりと固めたいときや、ウエット感やツヤを出したい場合にも適しています。このような特性から、スタイリングには非常に便利なアイテムです。
4.スプレー
スタイリングを仕上げる際に用いられ、髪にツヤを与えたり、長時間キープするために優れた効果を発揮します。
5.ポマード
ジェル状の製品で、髪をピタッと固めたい場合にぴったりです。濡れ感やツヤを加えられるため、リーゼントやオールバック、七三分けのスタイルに最適です。
6.グリース
水溶性のポマードであり、ハードタイプとソフトタイプの2種類があります。ソフトタイプはセット力が控えめで、自然な仕上がりを好む方におすすめです。対して、しっかりと固めたい方にはハードタイプが適しています。
整髪料の髪への影響
整髪料の成分
ヘアワックスには、合成界面活性剤、油分、香料、防腐剤などが主な成分として使用されています。また、ヘアムースの成分には合成界面活性剤と合成樹脂が含まれており、さらに多くの製品にはシリコンやアルコールも加えられています。ジェルやスプレーの主成分は合成樹脂であり、時間が経過すると現れる白い粉状の物質もこれに該当します。
ポマードの主成分は油分であり、植物由来のものや鉱物由来のものがあります。植物由来にはヒマシ油や木蝋に香料を加えたものがあり、鉱物由来のものにはワセリンやミネラルオイルが使用されています。グリースに関しても、主成分には合成界面活性剤が含まれています。
整髪料の頭皮へのダメージ
多くの整髪料には、石油由来の合成界面活性剤が含まれており、これは水と油分を結びつけるために必要な成分です。しかし、過剰に使用することで頭皮の油分が奪われ、肌荒れの原因となることがあるため注意が必要です。
界面活性剤にはさまざまな種類が存在していますが、すべてが有害な影響を及ぼすわけではありません。天然の界面活性剤も存在しますが、一般に市販されている洗剤の多くには、有害とされる合成界面活性剤が含まれています。こうした合成界面活性剤は皮膚から体内に吸収されやすい性質を持ち、整髪料に含まれる油分やシリコンが毛穴を塞ぎ、薄毛や脱毛につながる可能性もあります。
さらに、シリコンは洗浄力を低下させるため、洗浄力の強いシャンプーが必要になりますが、洗いすぎると頭皮が乾燥し、かゆみやフケの原因になることもあります。合成界面活性剤が頭皮に残ると、汚れや有害物質を吸収しやすくなり、アレルギー性皮膚炎を引き起こすリスクも存在します。
整髪料をしっかり落とす
ヘアワックスやスプレーなど、しっかりと固めたヘアスタイルを作るためには、油分が豊富に含まれているため、シャンプーだけでは効果的に落とすことが難しいです。そのため、シャンプーの前にコンディショナーやトリートメントを適量髪に馴染ませながら揉み込み、しっかりとすすいだ後に丁寧にシャンプーを行うことで、整髪料を効果的に落とすことが可能です。油と油を馴染ませることで、髪へのダメージを最小限に抑えることができます。
整髪料を十分に落とさず、頭皮に残ったまま眠ってしまうと毛穴が詰まり、頭皮トラブルの原因となることがあるため、注意が必要です。頭皮の健康を保つためには、使用後はしっかりと整髪料を落としてから就寝することが大切です。
まとめ
整髪料は、簡単にヘアスタイルを整えることができ、髪をしっとりさせて広がりを抑える効果や、表面に油分を加えることで髪同士の摩擦を軽減するなど、さまざまな役割を果たしています。しかし、頭皮に付着すると毛穴を塞いでしまうリスクがあるため、その点には特に注意が必要です。
スプレータイプを使用する際は、髪の短い部分にかからないように、30センチ以上離してスプレーすることをおすすめします。これにより、頭皮に直接つけないようにし、毛穴に皮脂が詰まるのを防ぎ、また毛穴の汚れをしっかりと落とすことで血行を促進し、頭皮の健康につながります。
簡単に髪をまとめたり、ツヤツヤに仕上げられる整髪料には、強いシリコン剤や速乾性のあるアルコール成分が含まれている場合があります。これらの成分が原因で、髪に残るシリコン剤がカラーやパーマのかかりにくさを引き起こしたり、強い薬剤が髪の内部に浸透し、髪への負担になることも考えられます。
もし刺激が強いと感じたり、肌に合わない場合は、無理に使用を続けない方が賢明です。ヘアスタイルを手軽に整えるための整髪料は非常に便利なアイテムですが、使用方法に気をつけ、自分に適した製品を選ぶことで、髪のおしゃれを存分に楽しむことが重要です。
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