モルモットはそのおとなしい性格と飼いやすさから、多くの人々に愛されているペットです。
ずんぐりとした体形と大きな瞳は、見る人々の心を癒す魅力を持っており、最近のペットブームによって、モルモットを新たに家族の一員として迎える人が増えていることを実感します。
モルモットはエキゾチックアニマルに分類され、犬や猫と比べると情報があまり普及していないため、それに伴い、診療を行える動物病院も限られているのが現状です。
可愛らしいモルモットが健康で長生きするためには、飼い主が持つ知識と適切な食事が極めて重要です。
そこで、モルモットが健康に過ごすために避けるべき食べ物について、詳しくご紹介していきます。
モルモットって？
「モルモットは大きなハムスターのような動物なの？」
そう考える方も少なくないかもしれませんが、実際にはモルモットはハムスターとはまったく異なる動物です。
ハムスターは雑食性ですが、モルモットは完全に草食性の動物です。
ハムスターが食べ物を頬っぺたに詰め込む姿は本当に愛らしいものですが、モルモットはそのように食べ物をため込むことはありません。
また、彼らが食べられる食べ物の種類も、雑食のハムスターとは大きく異なります。
まず、モルモットはテンジクネズミ族に属していますが、実際にはネズミではなく、ヤマアラシの一種とされています。
彼らの平均寿命は約4～8年で、体長は20～30センチ、体重は700～1200gほどです。
性格は非常に温和でおとなしく、また繊細で臆病なところも持ち合わせており、個体によってはとても人懐っこい性格をしています。
臆病な性格ではありますが、慣れ親しむことで人に対して愛らしい行動を見せてくれる動物です。
ハムスターとは異なり、モルモットには回し車は必要なく、頬袋も存在しません。
モルモットって何を食べるの？
草食性のモルモットを健康に育てるために特に重要なのは、食事に含まれる繊維質の量です。
モルモットに必要な食べ物は以下の通りです。
・牧草（チモシー）
・モルモット用ペレット
・ビタミンCサプリ
牧草は常に食べられるようにストックしておく必要があります。
成長期や妊娠中のモルモットには、より栄養価の高いアルファルファなどの牧草を与えることが望ましいですが、それ以外のモルモットには結石や肥満を引き起こす原因となるため、チモシーを与えることが最も適切です。
繊維質が不足するとどうなる？
モルモットは、牧草を常に食べることで歯の伸びすぎを防ぎ、
繊維質を豊富に摂取することで腸の働きを促進します。
腸の健康を維持することで、消化器系の病気を予防することにもつながります。
モルモットにとって、繊維質が豊富な牧草は絶対に欠かせない食べ物なのです。
主食としての牧草、補助的役割のペレットという位置づけをしっかりと理解しておくことが重要です。
モルモットによく見られる病気の一つに「うっ滞」があります。
うっ滞は、消化器の動きが鈍くなり、ガスや消化管の内容物が詰まってしまう病気です。
草食動物であるモルモットは、常に繊維質の豊富な牧草を食べることで、そのような病気を未然に防ぐことができるのです。
ビタミンCが不足するとどうなる？
ビタミンCも非常に重要な栄養素です。
モルモットは人間と同じように、体内でビタミンCを合成することができないため、ビタミンCを含む食事を与える必要があります。
ハムスターに似ているからといって、ハムスター用のフードやウサギ用のフードを与え続けると、健康に悪影響を及ぼすことがあるため、特に注意が必要です。
市販のモルモット用ペレットを購入する際には、ビタミンCが添加された商品を選ぶことが非常に大切です。
ビタミンCが不足してしまうと、モルモットは「ビタミン欠乏症」にかかる危険性があります。
その症状には、
・毛並みの悪化
・骨の変形
・食欲減退
・不正咬合
などの症状が現れることがあり、悪化した場合には歩行が困難になることもあります。
可愛らしいペットが病気で苦しむ姿を見るのは非常に悲しいことです。
モルモットが健康に生きるためには、与える食事に対して十分な注意を払う必要があります。
モルモットに与えてはいけないもの
ここからは、特に注意が必要な
モルモットに与えてはいけない危険な食べ物を紹介します。
うっかり与えてしまわないよう、十分に気を付けましょう。
・ヒマワリの種
・ナッツ類
・ネギ類
・トマトのヘタや茎
・ジャガイモの皮
・アボカド
・お菓子類 など
ヒマワリの種やナッツ類は脂肪分が多く、与える必要はありません。
これらの食材が原因で肥満を引き起こし、さまざまな病気にかかりやすくなる要因となります。
特にアボカドは強い毒性を持っており、近くで調理しただけで体調を崩すモルモットもいるため、特に注意が必要です。
さらに恐ろしいことに、モルモット用として販売されているフードの中にはヒマワリの種やナッツが含まれているものも存在するため、購入時には成分をよく確認し、与えてはいけないものが入っていないかをしっかりとチェックしてください。
市販のモルモット用おやつにも注意が必要です。
モルモット用のおやつとして、クッキーのような商品が販売されていますが、これらの主成分は小麦などのでんぷん質で構成されていることが多いです。
モルモットは食べることが大好きなため、好んで食べるからといって与え続けると、繊維質が少なくでんぷんが多い食事が続くことになり、腸内で異常な発酵が起こる可能性があり、最悪の場合には急死することもあるとされています。
ペットを守る役割を果たせるのは、飼い主自身だけです！
危険な食べ物を与えないよう、十分に気を付けましょう。
最後に
とても可愛らしいモルモット。
ペットとして飼う以上、ペットの健康寿命を左右するのは、飼い主による食事管理が非常に重要な要素となります。
飼い主が少しでも長く、愛らしいペットと楽しい時間を過ごせることを心から願っています。
コメント