防水スプレーは、軽く吹きかけるだけで水からの保護を行い、貴重なアイテムに汚れが付着するのを防ぐことができる、非常に便利な製品です。このアイテムは、日常生活の様々なシーンで活躍するため、一つ持っていることで大いに役立つでしょう。
しかし、手軽に使用できる防水スプレーであっても、使用方法を誤ると健康に悪影響を及ぼす可能性や、適切でない素材に使用した場合に問題が生じることがあります。この記事では、購入を避けるべき防水スプレーの種類やその危険性、さらに正しい使用方法について詳しく解説していきます。
防水スプレーの種類
一般的に「防水スプレー」と呼ばれる製品ですが、実際に販売されているスプレー式の正確な名称は「撥水スプレー」とされています。
「撥水」という言葉は、水を表面で弾く現象を指し、一方で「防水」は水が内部に侵入しない状態を意味します。どちらのスプレーも撥水性の効果を持ち、一般的に知られている防水スプレーには多くの種類があります。
使用されている成分によって異なるため、生地の特性に応じた適切なものを選ぶことが重要です。そのため、素材に合ったタイプを選ぶことが非常に大切です。
フッ素系樹脂スプレー
このタイプのスプレーは、通気性を持ち、さらに油を弾く性質があるため、汚れの防止にも効果的です。主に革製品や靴、鞄、布製品などに適しています。
たとえば、新たに購入したスニーカーや革靴に使用することが一般的です。フッ素樹脂が繊維を覆うため、衣類全般に使用可能ですが、効果の持続時間は短めで、価格は比較的高めです。また、皮革の表面を加工したエナメル素材には、通常の防水スプレーが適さない場合もあるため、使用時には注意が必要です。
シリコン樹脂スプレー
シリコン樹脂スプレーは、フッ素系のものよりも持続性が高く、価格も手頃であるため、多くの人に利用されています。このスプレーは、表面に皮膜を形成し、繊維の隙間を埋めることで、通気性や透湿性を失う場合があります。
このスプレーは、傘やレインコート、マリンスポーツやアウトドア活動での利用に最適です。ただし、油性の汚れを弾くことはできないため、素材に油が染み込むのを防ぐためには、特に注意が必要です。革製品に対しては、シミを引き起こす恐れがあるため、使用を避ける方が賢明でしょう。
また、フッ素系とシリコン系を組み合わせた特別な防水スプレーも存在し、スキーウェアや革ジャンに使用できるタイプもあります。
防水スプレーの使い方
防水スプレーを使用する際には、対象物から約20〜30cmほど離して、全体に均一に吹きかけることが重要です。特に薄い色の素材や変色の恐れがあるものに関しては、目立たない部分で試しに吹きかけてから使用することを強くお勧めします。
スプレーを使用する際は、必ず屋外で人がいない場所を選び、風下に向かって噴射するように心がけましょう。新たに購入した靴や鞄、衣類にスプレーを施すことで、汚れが付きにくくなり、雨などの水を弾くため、常に清潔な状態を保ちつつ長持ちさせることが可能です。
防水スプレーの危険性
防水スプレーによる健康被害
雨や雪が多いシーズンには、靴や鞄、衣類に防水スプレーを使用することが一般的です。その際、屋内で長時間にわたって防水スプレーを使用してしまうと、大量に吸入することで呼吸困難を引き起こす事故が発生することがあります。また、屋外でも風向きによって同様の事態が起こる可能性があるため注意が必要です。
防水スプレーを大量に吸入すると、その成分が肺に入り込み、付着することで正常な呼吸ができなくなります。その結果、呼吸困難や肺炎につながるリスクがあり、最悪の場合、命を落とす危険性もあります。また、人間だけでなく、私たちの愛するペットにも悪影響を及ぼすことがあります。
スプレーが地面に溜まるため、低い位置にいるペットも同様に吸い込んでしまう可能性があります。たとえ少量であっても、小さな動物にとっては呼吸困難を引き起こす大きな要因となり得るため、注意が必要です。
防水スプレーを使用して気分が悪くなったら
防水スプレーを使用した際に気分が悪くなった場合の対処法としては、以下のような方法があります。
・まず、屋外に出て新鮮な空気を吸いながら深呼吸を行うことが大切です。
・もし目に入った場合は、流水で15分以上しっかりと洗い流すことをお勧めします。
・皮膚に付着した場合は、石鹸を使って丁寧に洗浄することが必要です。
咳が出たり息苦しさを感じるといった症状が現れたり、気分が改善しない場合は、速やかに医療機関での治療を受ける必要があります。このような事態を避けるためにも、使用時には十分な注意を払うことが不可欠です。
防水スプレーを安全に使用する上で守る5つのこと
①屋内の狭い空間、特に玄関や浴室での長時間使用は避け、風通しの良い屋外での使用を心がけましょう。
②屋外でも強風や風向きに注意を払い、風下に人や動物がいない場所で使用するように心掛けます。特に高齢者や妊娠中の方、小さなお子様の近くでの使用は避けるべきです。
③防水スプレーを使用する際には、必ずマスクと手袋を装着し、対象物に顔を近づけないようにしましょう。
④スプレーを使用する際は、長時間を避け、大量に噴射しないように細心の注意を払ってください。
⑤引火の危険があるため、火気の近くでは絶対に使用しないことが非常に重要です。
防水スプレーの吸入による事故は身近に起こり得る事象として認識し、常に安全に使用することを心がけましょう。
まとめ
防水スプレーは、簡単にスプレーすることで水を弾き、汚れが付きにくくなり、お手入れが非常に楽になる優れた製品です。この便利さから、多くの人々に愛用されていますが、使用方法によっては非常に危険な側面も存在することを理解する必要があります。
防水スプレーを使用する際は、パッケージ裏に記載された注意事項や、どの素材に適しているかをしっかりと確認することが不可欠です。また、スプレーしたアイテムが十分に乾くまで換気の良い場所に置き、しっかりと乾燥させることも重要です。
さまざまな種類の防水スプレーが存在しますが、それぞれの成分の特性を理解し、安全性を見極めながら正しく使用することで、より便利で健康を害さない生活を実現できるでしょう。
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