買ってはいけないマイクロファイバー製のタオル

バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルなどは、私たちの日常生活において非常に重要な役割を果たしているアイテムです。これらのタオルを選ぶ際には、木綿、ポリエステル、マイクロファイバーなど、多様な素材が存在します。そこで、今回は特に注意が必要なマイクロファイバー製のタオルについて詳しくお話ししていきたいと思います。

マイクロファイバーとは

マイクロファイバーの起源にはいくつかの説が存在しますが、一般的には1970年代に日本で人工スエードの開発過程で誕生し、2000年頃には欧米で人気を博し、その後、日本にも広がったと考えられています。この素材は、ポリエステルやナイロンを原料とする合成繊維であり、特筆すべきはその繊維の細さです。実際、その細さは髪の毛の100分の1以下という驚異的なもので、非常に軽量でありながら高機能を備えています。

このマイクロファイバー製のタオルは、その繊維の極めて細かさゆえに、肌触りが非常に柔らかく、また、繊維の表面にギザギザした構造があるため、隙間に豊富な水分を吸収できる特長を持っています。

マイクロファイバー製のタオルのメリットと思われていること

マイクロファイバー製のタオルは、他のポリエステルや綿製のタオルと比較して、非常に優れた肌触りと吸水性を誇っており、加えて速乾性にも優れています。また、極細の繊維の特性を利用し、表面がギザギザしていることで、汚れを拭き取る際にも高い汚れの吸着力を発揮し、手軽に拭き取ることが可能です。実際、洗剤を使わなくても効果的に汚れを落とすことができるため、環境への配慮に繋がるとも言われています。

さらに、マイクロファイバー製のタオルは、手に入れる際のコストが低いことも大きな魅力の一つです。

マイクロファイバータオルのデメリット

一見すると、マイクロファイバー製のタオルには多くの利点があるように思われますが、実際にはその裏にはいくつかのデメリットが潜んでいることも忘れてはなりません。これから、その内容について詳しくお伝えしていきます。

極細の繊維が人の肌を傷つける恐れがある

マイクロファイバー製のタオルを使用したことがある方の中には、手荒れのある状態で触れた際に、肌が引っかかるように感じた経験を持つ方がいるかもしれません。これは髪の毛の100分の1という極細の繊維が肌に引っかかるためです。同じくマイクロファイバーで製造された掃除用クロスやメガネ拭き、車のワックス用クロスなども流通していますが、これらも手触りは柔らかいものの、極細の繊維が汚れを強力にこそぎ落とす特性を持っています。

そのため、マイクロファイバーの性質上、手触りが柔らかく感じられる一方で、漆塗りの器などを拭く際には傷をつけるリスクがあることを理解しておく必要があります。特に赤ちゃんや小さな子供のデリケートな肌をマイクロファイバーのタオルで拭くと、思わぬ傷を作ってしまうことがあるため、使用を避けるのが無難です。ただし、もし使用する場合は、こすらずに優しく押さえるようにして水分を吸わせるよう心掛けることが重要です。

皮脂などの汚れが詰まり、雑菌が繁殖する

マイクロファイバーは、汚れを落としやすいという特性がある一方で、その汚れは繊維の中に蓄積されてしまいます。そのため、洗濯を怠ると、詰まった汚れが原因で雑菌が繁殖し、生乾き臭や悪臭の元になってしまうことがあります。たとえ洗濯を行って大部分の皮脂や汚れが取り除かれたとしても、完全には落としきれない汚れが蓄積され、何度洗濯しても臭いが残ることがあるのです。このように、雑菌が繁殖したタオルで何かを拭くことは、雑菌をそのまま塗り付けることと同義であり、拭いた部分も不潔になることは容易に想像できます。

さらに、マイクロファイバー製のタオルは熱に弱く、熱湯での消毒や乾燥機の使用ができません。製品が劣化する恐れがあるため、直射日光を避けることも推奨されます。

火が付きやすい

マイクロファイバー製の台拭きなども流通していますが、マイクロファイバーはその極細の繊維の間に多くの水分を保持できる一方で、乾いた状態では大量の空気を含むため、ガスコンロなどの火気から引火した場合、一瞬で燃え広がる危険性が高いことを忘れてはいけません。

実は環境に優しくない

洗剤を使用せずとも高い汚れ落とし効果を持つことから、環境に優しいとされることがありますが、実際にはマイクロファイバー製のタオルを洗濯するたびに、海洋や河川を汚染しているという現実があります。マイクロファイバー製品を洗濯する際には、極細の繊維が抜け落ち、その微細な繊維が水の流れに乗って河川や海に流出してしまうのです。この繊維の破片はマイクロプラスチックとして水質汚染や環境破壊の原因となりかねません。

世界中の海に広がるマイクロプラスチックは油に溶けやすく、また表面に多くの有害物質を吸着する性質を持つため、このことが食塩や貝類、魚類の体内に混入し、それを食べる鳥類や大型の魚にも蓄積されていくのです。そして、最終的にはそれらの生物が捕食されることによって、人間の体内にも運ばれてしまうのです。

マイクロプラスチックが混入した生物を人間が摂取した場合、一部は人間の脂肪に溶け込み、体内に蓄積される危険性があるため、十分に注意が必要です。

洗濯ネットを使用しても、残念ながらマイクロプラスチックはネットの隙間をすり抜けてしまうため、現時点で海洋や河川への流出を完全に防ぐことは極めて難しい問題となっています。また、自宅の上水道を浄水している施設よりも上流でマイクロプラスチックが流出している場合、水道水にその成分が混入していないか心配になる方もいるでしょう。実際に、上水道からもマイクロプラスチックが検出されており、海外ではペットボトルの飲料水からも同様の成分が確認されているとの報告もあります。

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