ガムと聞くと、多くの人が「人生の中で一度も口にしたことがない人はいない」と言えるほど、私たちの日常生活において欠かせない存在であることを実感しますよね。
ガムを噛むことの利点についてはよく知られていますが、逆にデメリットや健康に対する悪影響に疑問を持つ方も少なくないのではないでしょうか。
たしかに、ガムを噛むことで得られる利点は数多く存在します。
しかしながら、過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼす可能性があるということも否定することはできません。
今回は、あまり一般的には知られていないガムの潜在的な危険性について、詳しく解説していきたいと考えます。
それでは、早速その内容に目を通していきましょう。
ガムはどのように作られているのか?
ガムを長時間噛んだ後に残る、味がなくなった部分は「ガムベース」と呼ばれています。
このガムベースには、木の樹液を煮詰めて作られる天然のチクルや、石油由来の酢酸ビニル樹脂、さらにはエステルガムやポリイソブチレン、炭酸カルシウムなど、さまざまな物質が含まれています。
ガムベース自体には風味がないため、甘味料や香料、そして柔らかさを出すための軟化剤を加えることで、私たちが日常的に楽しむ「ガム」に仕上げられています。
ガムベースには厳格な基準が設けられており、体内に摂取しても問題がないことが確認されていますが、一方で、ガムベースに加えられる甘味料にはさまざまな危険性が指摘されています。
次に、これらの潜在的な危険を持つ甘味料について詳しく見ていきましょう。
ガムに含まれる甘味料の主な種類
マルチトールは、でんぷんから生成される麦芽糖を原料とした糖アルコールの一種です。
そのカロリーは砂糖の約半分程度であり、虫歯の原因になりにくい甘味料として広く知られています。
ただし、マルチトールを過剰に摂取すると下痢を引き起こす可能性があるとの報告もありますので、注意が必要です。
アスパルテームは、砂糖の約200倍の甘さを持つ合成甘味料で、自然界には存在しない化合物です。
経口摂取された際には、小腸でフェニルアラニン(50%)、アスパラギン酸(40%)、さらには有害とされるメタノール(10%)に分解され、消化吸収されます。
その後、通常のアミノ酸のようにタンパク質に合成されたり、脱アミノ化された後にエネルギー源として分解されたりすることが知られています。
これらの成分が健康に影響を及ぼす可能性があると考えられており、現在でもその安全性や危険性については議論が続いている人口甘味料の一つです。
アセスルファムKもアスパルテームと同様に、砂糖の約200倍の甘さを持つ人工甘味料です。
この甘味料は、人体に利用されない物質で、分子量が小さいため消化ができず、体内ではほとんど代謝されないためカロリーはゼロという特性があります。そのため、ダイエット食品に多く用いられることが一般的です。
カロリーはゼロですが、体にとっては異物として認識されるため、頭痛やアレルギー、さらには腹痛や下痢といった症状を引き起こす可能性があるのです。
キシリトールは虫歯を引き起こさない甘味料として特に知られています。
世界中でその安全性が認められているため、リスクが少ないものとされていますが、一度に大量に摂取するとお腹が緩くなるといった副作用も報告されています。
以上が、市販されている多くの「ガム」に含まれる主要な甘味料の例です。
これらは一見安全であると言われていますが、実際には摂取過多によって体に悪影響を及ぼす可能性があることが理解できると思います。
ガムの過剰摂取がもたらす悪影響とは?
ガムを噛むことの利点は、メディアや書籍などでしばしば取り上げられています。
確かに、ガムを噛むことは集中力を向上させたり、虫歯のリスクを低下させたり、さらには食欲を抑えダイエット効果を得ることもできるなど、さまざまな利点があります。
しかし、そんなガムでも過剰に摂取することによる悪影響は一切ないわけではありません。
ガムを長時間噛んでいると、顎の筋肉が疲労し、その疲労が進行すると関節周辺に痛みを引き起こすことがあります。
また、その疲労が蓄積されることで頭痛が生じる場合もあります。
日常的にガムを噛む習慣がある方で、頭痛の頻度が増加していると感じる場合、その原因が噛み過ぎによる筋肉の疲労から来ているかもしれません。
何度も強くガムを噛むことによって、歯の表面にあるエナメル質が摩耗し、知覚過敏を引き起こす要因となります。また、噛み合わせが悪くなり、フェイスラインに影響を及ぼすこともあります。
さらに、砂糖が多く含まれるガムを長時間噛むことで、口腔内に糖が多く残り、虫歯のリスクが高まることもあるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「ガム」は健康に良い面も多く存在しますが、実際には過剰に摂取することで体に悪影響を及ぼす可能性があることが分かりました。
スーパーやコンビニで「ガム」を手に取る際には、裏面の成分表示を確認すると、意外と多くの製品に人工甘味料が含まれていることに気づくでしょう。
健康のためにガムを噛んでいるのに、それが結果的に頭痛や虫歯の原因になってしまうのであれば、本末転倒ですから慎重になるべきですよね?
歯科医院や薬局で販売されている医療機関専用の製品には、キシリトール含有率が90%以上のものがほとんどで、虫歯予防に役立つことが多いです。一方で、コンビニ等で販売されている商品には、含有率が50%以下のものや、特にひどいものでは数%しか含まれていないものも存在します。
同じ「ガム」を選ぶのであれば、キシリトールの含有率が90%以上のものを選ぶことを強くおすすめします。
この記事が皆さんのお役に立てることを願っています。最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。

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