ただ舐めるだけではなく、噛むことによってその柔らかい食感を楽しむことができるソフトキャンディは、特に日本で人気を博しているお菓子の一つです。代表的な商品としては、「森永製菓 ハイチュウ」や「UHA味覚糖 ぷっちょ」などが挙げられます。ハードキャンディとは異なり、口に入れるとすぐに溶けるその優しい味わいが、多くの人々を魅了しています。
これらのソフトキャンディは、ほとんどのコンビニエンスストアやスーパーマーケットで手軽に購入可能であり、様々なフレーバーも豊富に揃っています。
フルーツ系の味わいに加えて、抹茶やきなこ、黒ごま、甘酒といった和風のフレーバーも豊富に存在するため、幅広い年齢層から愛されるお菓子として定着しています。
しかし、その甘味と粘り気のある食感が、「歯に悪影響を与えるのではないか?」という懸念を抱く人々も多いのも事実です。さらに、子どもに与えても安全なのは何歳からかという疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、ソフトキャンディに関する基本的な知識をはじめ、歯に及ぼす影響や幼少期におけるリスクについて詳しく解説していきます。
ソフトキャンディとは?
ハードキャンディとの違い
飴は大きく分けて、「ハードキャンディ」と「ソフトキャンディ」の二種類が存在します。
ハードキャンディは硬く、主に舐めることを基本とする一方で、ソフトキャンディは舐めるだけでなく、噛むことも楽しめるという特長を持っています。
両者とも水あめと砂糖を主成分としているものの、ソフトキャンディにはゼラチンが用いられていることが多く、これがソフトキャンディ特有の柔らかい食感を生み出す要因となっています。
また、製造時の煮詰め方には以下のような違いが見られます。
・ハードキャンディ…150~165℃の高温で煮詰め、水分量2%程度に硬く仕上げる
・ソフトキャンディ…110~140℃の低温で煮詰め、水分量6%以上の柔らかい食感に仕上げる
このゼラチンの有無・煮詰め時の温度・水分量の違いによって、まさにソフトキャンディ特有の独特な食感が生まれるのです。
キャラメルやヌガーは?
実は、キャラメルやヌガーもソフトキャンディの一種として分類されます。
キャラメルは、砂糖や水あめ、練乳などを低温でじっくりと煮詰めて作るため、その柔らかな食感が特徴的です。
一方、ヌガーは、砂糖や水あめを煮詰めた後に泡立てた卵白またはゼラチンを加え、最終的にナッツやドライフルーツを混ぜ込むフランスの伝統的なお菓子です。
どちらも水あめや砂糖を120℃前後の低温で煮詰めて作られているため、ソフトキャンディの仲間として位置付けられるのです。
歯への影響
むし歯の危険性はナンバーワン
むし歯の原因となるミュータンス菌のエサは、明らかに「糖質」であることが知られています。
そのため、ポテトチップスや煎餅と比べて、ケーキやお饅頭といった甘いお菓子はむし歯になりやすいという傾向が非常に強いのです。
さらに、糖分が口の中に長く留まるほど、むし歯になるリスクが高まることも知っておくべき重要なポイントです。
糖分が多く含まれ、口の中に長時間留まる飴やガムといったお菓子は、非常にむし歯になりやすい食品と言えるでしょう。特にソフトキャンディは歯にくっつきやすいため、ハードタイプのキャンディよりも糖分が口の中に長く残ることになります。
また、治療済みの歯の詰め物が外れるなど、歯に対して悪影響を及ぼす可能性が高いお菓子とも言えるのです。
歯の質が弱い人・子どもは要注意
むし歯の原因は甘いものだけに限らず、歯の質にも深く関連しています。
歯の質は、遺伝や歯を形成する際の環境、さらには薬など多くの要因によって影響を受けるため、個々によって差が生じるという特徴があります。
特に、乳歯や生え変わりたての永久歯は特にむし歯になりやすいため、乳歯が生え始める生後6か月から、永久歯に生え変わる中学生頃までは特に注意が必要です。
中学生や高校生になると、部活動や塾の後に子どもだけで間食をするケースが増え、食生活が乱れやすくなります。できれば幼児から小学生の間に、デンタルケアの重要性についてしっかりと認識させておくことが望ましいでしょう。
歯の質が弱い人やお子さんがソフトキャンディを食べた後は、特に念入りにデンタルケアを行うことを強くおすすめします。
子どもに食べさせるのは5歳から
甘くて美味しいソフトキャンディは、子どもたちにとっても非常に人気が高いお菓子の一つです。
ハイチュウやぷっちょ、キャラメルなどのソフトキャンディは、いったい何歳頃から与えても良いのでしょうか?
結論としては、できれば5歳以降をおすすめします。
なぜ5歳からかというと、子どもの乳歯は3歳ころまでに生え揃い、その後に生えた歯の表面にあるエナメル質が完成するまでに、さらに2年以上かかるからです。
乳歯がむし歯になると、大人の歯である永久歯もむし歯になりやすくなるため、特に注意が必要です。
また、幼児の場合は窒息事故のリスクも懸念されます。
食べ物をしっかりと噛み砕く能力は、3歳から6歳にかけて徐々に発達していくため、窒息事故は1歳から4歳が最も多いとされています。このため、この時期にソフトキャンディのような形状のお菓子を与えることには慎重さが求められます。
以上の理由から、食べさせるのは5歳以降が最も適していると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ソフトキャンディに関する基本的な知識や、歯に与える影響、さらには子どもが何歳から食べることができるのかといった気になるポイントについて詳しく紹介してきました。
ほどよい噛み応えのあるソフトキャンディは、少しリフレッシュしたいときにぴったりのお菓子です。
しかし、非常にむし歯になりやすいお菓子でもあるため、だらだらと何個も食べ続けることは控えた方が賢明です。また、子どもにソフトキャンディを与える場合は、むし歯のリスクを考慮すると5歳以降が適切であると言えるでしょう。
ソフトキャンディを楽しんだ後は、普段以上に丁寧に歯磨きを行い、歯の健康をしっかりと守るよう心掛けたいですね。
コメント