最近では、街中でからあげ専門店が増えてきているのを見かけることが多くなりました。日本では「国民食」としても親しまれているからあげですが、専門店で作られたものは多様な味付けが施されており、一度に大量に高火力で揚げられるため、外はカリッとした食感で中はジューシーな仕上がりが特徴です。そのため、非常に美味しいと評判を呼んでいます。このように、からあげ専門店に関するランキングも存在し、現在進行中のからあげブームは多くの人々に支持されています。
ただし、注意が必要なのは、健康面を軽視している店舗や製造者が存在するということです。悪意を持って販売しているお店は少ないと思いますが、「安くて美味しいからあげ」の裏には、見た目では判断できない危険が潜んでいることを忘れてはいけません。残念ながら、日本は「食の安全後進国」とされており、食に関する安全情報は海外の先進国と比べて非常に乏しいのが現実です。そこで、今後からあげを専門店で購入する際に留意したい三つのポイントを挙げてみます。
産地をチェックしよう!外国産はナゼいけないの?
独立行政法人農畜産業振興機構の年報畜産2020によると、令和元年度の段階で、日本に輸入される鶏肉の約70%はブラジルからのものであり、次いでタイやアメリカ産が多くを占めています。スーパーで鶏肉を購入する際には、「ブラジル産」や「タイ産」といった表記があまり目に入らないかもしれませんが、専門店や外食で使用される鶏肉の多くがコストの観点から輸入されたものであることは容易に想像できます。
品質や味においては国産と大きな差がないとされる外国産鶏肉ですが、なぜあまり良くないとされるのでしょうか。その理由の一つとして、2017年にブラジルで発覚した食肉の不正問題が挙げられます。この事件では、21の大手食品会社が、腐敗した肉の臭いを消すために発がん性の化学物質を混ぜていたことが判明しました。

腐った肉そのものが非常に危険なのに、さらに発がん性物質を加えていたなんて、本当に恐ろしいですね。
この不正行為には政治家や検査官が関与していたとされ、賄賂を受け取って不正を黙認していたという驚くべき事実もあります。数年前の出来事とはいえ、現在は大丈夫だと言われても、不安感は拭えません。また、一般的に輸入された食材に対する検査は、全てを徹底的にチェックすることは不可能であり、多くの場合は書類検査だけで済まされているのが実情です。これにより、不正があった場合でも、書類が事実と異なっていても合格とされる可能性があるのです。
使われている小麦粉は大丈夫?
からあげに欠かせない小麦粉ですが、実は日本の小麦粉の自給率はわずか13%程度で、大部分を外国からの輸入に依存しています。【参考】関東農政局:「食料自給率 そのパンはどこのパン?」
では、なぜ外国産の小麦粉が危険だと言われるのでしょうか。
一つの理由はポストハーベストと呼ばれる現象です。おそらくあなたもこの用語を耳にしたことがあるのではないでしょうか。ポストハーベストとは、収穫後に作物に散布される農薬で、主に海外に輸出する際にカビや害虫を防ぐために使用されます。収穫後、外国から日本に運ばれるまでには時間がかかるため、その間にカビが発生したり食中毒の原因となるものができないようにするための措置として行われます。
残念ながら、製品化された小麦粉にも農薬残留が確認されています。【参考】一般社団法人 農民連食品分析センター:小麦粉および小麦製品の残留農薬ポストハーベストは原則として国内での使用が禁止されていますが、輸入小麦ではこの現実を避けることはできません。
さらに、除草剤のグリホサートの安全性についても懸念が寄せられています。グリホサートは除草剤「ラウンドアップ」に含まれる成分であり、2015年にはWHO(世界保健機関)の外部機関であるIARC(国際がん研究機関)が「人に対して恐らく発がん性がある」と発表しました。外国の公的機関では発がん性についての評価が分かれることもありますが、海外メディアではセリアック病との関連性が指摘されるなど、その安全性に疑問が呈されています。
特に、原材料にこだわっていると謳われている商品でない限り、多くの場合、安全性を犠牲にして安価な材料が使用されていることは容易に想像できるでしょう。

今まで見て見ぬふりをしてきたけれど、やはり大切なことなのに表に出てこないのが現状です。
粗悪な油に要注意!
また、からあげに欠かせない食用油についても十分な注意が必要です。サラダ油について、あなたはどのような印象を抱いていますか?植物性であることから「健康に良さそう」と考えるのは早計かもしれません。
実際に消費されるサラダ油の大半は「大豆油」「キャノーラ(なたね)油」「パーム油」で構成されています。これらは安価である一方、安全を脅かす危険性を含んでいます。大豆油はリノール酸の過剰摂取が善玉コレステロールを減少させ、加熱によって生成されるヒドロキシノネナールは有害物質です。キャノーラ油はほとんどが遺伝子組み換え原料であり、安全性の確立が不十分です。さらに、パーム油は大腸がんや糖尿病を引き起こすリスクがあるとされています。
また、揚げ物に使用された油が何度も再利用されて酸化した場合は、非常に危険です。【参考】トクバイニュース:「酸化した油は身体に良くない」のはナゼ?管理栄養士が解説あなたが普段購入するからあげは、油の入れ替えをどの程度行っているかを知っていますか。おそらく、1回や数回ごとに油を入れ替えることは、コストや実務面から見てもほとんど行われていないのが現実でしょう。
せっかく鶏肉や小麦粉などの材料にこだわっても、「揚げ物」として成り立つ以上、新鮮な油を使用することが身体にとっても良いと言えるでしょう。

いったい、どのくらいの専門店が原材料に気を使っているのでしょうか。
たまには買ってもよいけど、ほどほどにした方がよさそう
実際のところ、家事や育児、仕事に追われる日常の中で、からあげを自宅で揚げる余裕はなかなかないのが現状です。時には、専門店でからあげを購入し、家族の喜ぶ顔を見たいと思うこともあるでしょう。
しかし、もしも毎日それを続けているとしたら、今すぐには健康に影響が出ないとしても、徐々に体が不健康になってしまう可能性があるのです。安価で手軽なものの背後には、表には出てこない事実が隠されていることが多いのです。原材料にも目を向けることが重要かもしれません。
近くに原材料にこだわったからあげ専門店を探してみたり、総菜として他の選択肢を考えてみるのも良いかもしれません。この記事が、皆さんが一度考え直すきっかけとなることを願っています。
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