多くの人々にとって、人生において最も重要な投資先となるのが「住宅」です。
新たに建てられる新築物件か、あるいは中古住宅か?それともマンションか戸建てか?さらに、建売住宅か注文住宅かといった選択肢もあり、どれを選ぶべきか悩むのは当然のことです。
今回は、建売住宅の購入を検討している方々に向けて、購入前に考慮すべき重要なポイントを詳しく解説していきます。
建売住宅購入のメリット
まずは、建売住宅ならではのメリットについてご紹介します。
価格が抑えられる!
「安い」という表現は一見すると誤解を招くこともありますが、土地から注文住宅を建てるのと比べると、はるかにコストを抑えることができます。
注文住宅の建設に際しては、
- 頻繁に行われる打ち合わせにかかる人件費
- 個別の要望を反映させるための設計費用
- 特定の住宅のために調達される材料費が高くなる場合
など、さまざまなコストが発生します。
対照的に、建売住宅は標準化された資材を使用するため、こうした費用を大幅に削ることが可能で、希望の物件をより手頃な価格で見つけることができます。
価格が安いからといって、必ずしも品質が劣るわけではありません!
実際の建物を見てから購入できる!
図面や写真でいくら確認しても、実際に住んでみると「思っていたのと違った」ということは避けられません。
- 日当たりが期待したほど良くない場合
- 生活動線が不便に感じること
- 窓を開けても風が通りにくいと感じること
こうした問題は、注文住宅に限らず建売住宅でも実際に住んでみないと分からないことが多いのです。
建売住宅の場合、完成した物件を実際に見学してから購入を決定できるため、こうした誤解や不安を減少させることができ、安心して選ぶことが可能です。
立地条件がいい!
譲れない条件の中でも、特に重視されるのが「立地」です。
建売住宅は、専門家であるメーカーやディベロッパーが慎重に調査した上で土地を選び、その土地に住宅を建設して販売します。
建売業者にとって、売れ残りは大きな損失となるため、必然的に売れる場所を選んで住宅を建てるのです。
したがって、プロが選んだ「良い立地」であることが保証されています。
さらに、建売業者は不動産市場に精通しており、長年にわたって築き上げたネットワークを持っているため、地元の不動産業者や大地主から地域の売り出し土地に関する情報を素早く得ることが可能です。そして、物件が市場に出る前に押さえることができることも少なくありません。
建売住宅購入のデメリット
次に、建売住宅のデメリットについても考察してみましょう。
以下に挙げる項目に心当たりがある方は、もしかすると建売住宅は自分に向いていないかもしれません。
基本的には何も選べない!
建売住宅は、メーカーが多くの人々に受け入れられることを前提に、立地、間取り、デザイン、カラー、使い勝手に基づいて建設されています。
自分の好みにぴったり合った建売住宅を見つけるのは、ほぼ不可能であると言っても過言ではありません。
例えば、夫婦二人暮らしの場合、駅近くにあり、夜遅くまで営業しているレストランやコンビニが近い方が便利でしょう。一方で、子どもが二人いる家庭であれば、交通量が少なく、公園が近くにあること、さらに駐車場が完備されていることが望ましいといった要望が考えられます。
また、就学年齢のお子さんがいる場合、学校までの道のりやその距離も重要なチェックポイントとなります。
それぞれのライフスタイルにおいて何が重要なのかを家族全員でしっかりと話し合い、譲れない条件を明確にすることが、物件探しを始める前に非常に大切です。
収納が少ない!
リビングや各部屋には、空間を圧迫しない程度の適切な収納が備わっていますか?
クローゼットやパントリー、床下収納があったとしても、それらの広さは十分でしょうか?
家族で生活していると、意外にも荷物が増えてしまうことがあります。特に子どもが増えると、夫婦二人暮らしの時とは比べ物にならないほどの荷物が必要になることが多いです。
タンスやカラーボックスを追加して収納を増やすことは可能ですが、その分部屋が狭くなり、生活感が漂ってしまうことも避けられません。また、収納を増やすためのコストもかかることを忘れてはいけません。
意外と見落とされがちなのが玄関の収納です。一人一足の靴しか持たないわけではありませんよね。
季節ごとやTPOに応じて、成長とともに増えていく家族全員の靴を収納できるスペースや設備が整っているかどうかも確認しておくべき重要なポイントです。
設備が最新のものではないかも!?
最近の一般的な建売住宅には、全自動食洗機や給湯器、床暖房、タンクレストイレなど便利な設備が標準装備されている物件が増えています。
一見すると、これらが付いていることに喜びを感じるかもしれませんが、その設備が最新のものである保証はありません。
電化製品は日々進化を遂げており、より優れた設備が次々と開発されています。
たとえば、食洗機は設置に必要なスペースはそのままに、内容量が増加する新型モデルも登場しています。また、床暖房や給湯器はエコ性能が向上し、節約効果が期待できるようになっています。
長く住む家だからこそ、電力や水道の節約によってコストがどれほど変わるかは非常に大きな要素となります。
10年から15年ごとに交換が推奨される大型設備ですが、将来的な交換時期に備えて、エコでコストを抑えられる選択をしておくことが重要です。
THE!建売!!な外観
4戸から多い場合には100戸以上の物件が、大手メーカーやディベロッパーによって一括して開発されることがあり、完成した街並みには似たような外観の住宅が並ぶことがよく見られます。
これは見た目には非常に圧巻ですが、個性が感じられないと感じる方も多いのではないでしょうか。
このような状況が生じる理由は、同じ素材や部品を大量に仕入れることでコストを抑えているためです。
さらに、間取りや外観を個別に変更すると、その分だけ設計費用が増加するため、ディベロッパーの中には、いくつかのバリエーションを用意している場合もありますが、慣れている人には「ここは○○建設の分譲住宅だな」と見抜かれることもあります。
時には、販売予定の建築中の物件を完成前に契約することで、壁紙を選んだり建具を変更したりできる物件もあるため、そうした点もぜひチェックしてみてください。
まとめ
建売住宅のメリットとデメリットについて、代表的なポイントをお伝えしてきました。
どのような住宅でも、100%満足できるものを見つけることは難しいものです。
一生を共にする可能性のあるマイホーム、少しでも理想に近く、快適に過ごせる場所に巡り合いたいものですね。
夢のマイホーム購入が近づいているあなたにとって、迷った際の参考となれば幸いです。
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