近年、不幸な出来事があった際に故人の遺族に対して線香を贈る人々が増加傾向にあります。しかし、実際には購入を避けるべきケースや送るべきでない状況も存在するようです。それでは、その理由について詳しく考察してみましょう。
贈答用線香が人気となった背景
お菓子や花などの贈り物は、受け取った相手に負担をかけることがあるため、気を使うことが多くなります。その点において、線香は腐ることがなく、保存が簡単で、場所を取らないため、贈り物として選ばれることが増えているのかもしれません。
また、日常のお供えやお墓参りの際に気軽に使用できるという思いから、線香が贈答用の選択肢として広がったのではないでしょうか。
線香の広告
一部の線香メーカーは「御香典の代わりに贈る」という内容のCMを放送しています。このような広告が登場する以前から、贈答用として線香を利用するケースはあったと考えられます。
その過程で、「ささやかな贈り物で遺族に負担をかけず、またお線香で故人への思いを伝えることができるのでは」と考える人々が増えたのかもしれません。
喪中欠礼を受けた
最近では、お葬式は親しい友人や家族だけで行われることが多くなっています。そのため、ご遺族からの喪中欠礼を通じて、亡くなった方のことを知る機会も増加しています。
後からお香典を渡すことが気が引ける場合には、お線香を代わりに贈ることが選択肢として浮上するようです。
香典を遠慮された場合
故人や遺族の意向により、大規模な葬儀を行わない場合も多く見られます。家族葬などの形式で行われる際には、故人や遺族の意思で香典を遠慮されることが一般的です。
これは、相手に気を使わせたくないという配慮から来ているものです。無理に香典を渡そうとすると、かえって相手に負担をかけてしまうこともあるため、悼む気持ちを線香で表現したいと考える方もいるようです。
贈答用線香を避けるべき理由
贈答用の線香を受け取った際に、相手に迷惑をかけることがあることがわかります。善意で贈ったものが、かえって相手を困らせてしまうのであれば、贈るのを控える方が賢明です。
では、どのような場合に贈答用の線香を購入するのは避けた方が良いのでしょうか。
仏教徒でない場合
まず第一に、贈る相手の宗教を事前に確認することが非常に重要です。
線香は仏教において特有のお供え物であり、仏壇やお墓に供えるためのものです。従って、もし相手がキリスト教や神道などの宗派であれば、線香は必要ないということになります。
多くの場合、線香立てもないため、贈られたとしても困惑する方が大多数でしょう。結果として、贈った側は相手に余計な手間をかけさせてしまう可能性があるのです。
相手の家族に匂いに敏感な人がいる
一般的に市販されている線香は白檀などの香りがついているものがほとんどです。贈られる側に匂いに敏感な人や、花粉症や鼻炎を抱えている方がいることも考慮する必要があります。
少しの香りでも、くしゃみや鼻水が出ることがあるかもしれません。お墓参りなどの屋外で使う場合には問題ないと考えがちですが、匂いに敏感な方にとっては、持ち歩くだけでも苦痛を伴うことがあります。
また、近くにお墓や納骨堂が存在しない場合、お参りする機会も限られてしまいます。したがって、あまり匂いが強くない線香を選ぶことが望ましいでしょう。
煙で咳き込む方がいる場合
線香の煙が原因で咳が出る方もいます。部屋の窓を全開にして風通しを良くすれば大丈夫だと思う方もいるかもしれませんが、風が強いときには灰が飛び散り、火事になるリスクが高まります。
最近では、煙が少なく灰があまり出ない種類の贈答用線香も販売されているため、選択肢として考えるのも良いかもしれません。
線香を使うのが難しい生活スタイル
アパートやマンションに住んでいる方の場合、線香を焚くことが難しいことがあるのです。火災報知器が線香の煙を感知し、火事を誤検知する可能性があるからです。
また、交通の騒音や大気汚染の影響で、窓を開けられない方もいらっしゃいます。仕事の都合で留守にすることが多い世帯では、長時間線香を焚いておくことも困難です。
そのような状況にある方に贈りたい場合、燃焼時間が短めの線香や煙が少ないタイプのものを選ぶと良いかもしれません。
線香を贈りたい場合のポイント
もしどうしても線香を贈りたいと考えるのであれば、以下の点に留意することが重要です。
- 香りが控えめなものを選ぶこと
- 煙が少なめなものを選ぶこと
- 燃焼時間が短めなものを選ぶこと
スーパーの線香をそのまま贈らない方が良い理由
スーパーやドラッグストアでは、普段使い用の大容量の線香が手に入りますが、それをそのまま贈答用として包装するのは避けた方が賢明です。
なぜなら、線香がつぶれて細かくなったり、割れてしまったりすることもあるからです。できれば、冠婚葬祭用のギフトショップやデパートの売り場、仏具店で贈答用の線香を選ぶことをお勧めします。
また、オンラインショップでは様々なギフトショップやデパートのサイトをチェックすることができますので、ぜひ確認してみてください。これらの店舗では贈答用の箱やメッセージカードも用意されているため、相手に失礼なく贈ることが可能です。
弔事用の電報を取り扱っているショップサイトでは、電報やメッセージカードと一緒に線香を付けられるサービスも行っていることがありますので、自分のニーズに合ったサービスを見つけることをお勧めします。
コメント
香典の代わりに、線香を頂いたがとても迷惑している。なぜなら生前からの故人の意向で共同墓地に埋葬して欲しいと言う事、また、家には仏壇もなく線香を使う機会がない。 相手の事も良く考えて贈るべき。