今回は、敏感肌の方々に特に注目して、「口紅」に関連する情報をお届けし、購入時に留意すべき成分について詳しく解説いたします。
敏感肌をお持ちの皆さんは、日常的に肌トラブルに悩まされていることが多いのではないでしょうか。特に季節が変わる際や、乾燥がひどくなる時期には、トラブルが増加し、心身共にストレスを感じることがしばしばあると思います。
私自身もアレルギー体質でアトピーを持っているため、常に何かに敏感に反応してしまい、肌がかゆくなることやチクチクしたり、ピリピリとした感覚が日常的に現れることがあります。
化粧品を選ぶ際、基礎化粧品からメイクアップ製品まで、自分の肌にぴったり合うものを見つけるのは本当に難しいものです。そのため、今回は私が実際に経験したトラブルや、今後避けるべきだと考える口紅の成分についてお話ししたいと思います。
敏感肌の人が注意したい成分
まず結論から申し上げますと、敏感肌の方が特に気を付けるべき成分は、色素の一種である「染料」です。
では、なぜ「染料」が注意を要するのか、その理由について詳しく説明していきます。
・色素には2つの種類がある
最近の口紅には、鮮やかな発色と色付きの良さを兼ね備えた製品がたくさん登場しています。落ちにくいものや、潤い成分が配合された製品など、さまざまなタイプの口紅が店頭に並んでいます。
特に最近注目されているのが「リップティント」と呼ばれるアイテムで、発色の良さや艶感、さらには持続性の高さから多くの人々に支持されています。
リップティントがこれほどまでに発色が良く、落ちにくい理由は何でしょうか?
その答えは、「染料を使用しているから」です。
化粧品に使われる色素には「顔料」と「染料」の2種類があり、リップティントはその名の通り「染料」という着色料が主成分として配合されています。
染料の特性として、非常に細かい粒子形状をしている点が挙げられます。この微細な粒子が皮膚の凹凸にしっかりと入り込み、その部分に色素が密着することで、非常に鮮やかな発色を実現しています。
染料は文字通り「染める」作用を持つ色素であるため、染料を使用したリップティントは唇を「染める」ため、落ちにくいのですが、その一方で色素沈着しやすいという特性も持っています。
染料を含むリップティントを使用し続けることで、唇に色素沈着の症状が見られることがありますが、肌のターンオーバーによって古い皮膚が落ち、新しい皮膚が生まれることで色素沈着した部分の皮膚が入れ替わるため、あまり心配する必要はないでしょう。
ちなみに、一般的な口紅の色素は「顔料」であることをご存知でしたか?
顔料は粒子が大きく、皮膚の表面にのみ付着するため、内部に入り込むことはありません。この特性から、発色はあまり強くなく、落ちやすいという特徴があります。
・染料は「アレルギーを引き起こしやすい」
アレルギーの原因となる物質は主にたんぱく質由来の成分が多いですが、染料自体はたんぱく質ではありません。
しかし、染料には「皮膚の角質などのたんぱく質と非常に結合しやすい」という特性があります。そのため、染料とたんぱく質が結びついた物質がアレルギーを引き起こす可能性があるのです。
アレルギーの発症には個人差があり、許容範囲を超えてしまうと、ある日突然発症することもあります。
私も最初はリップティントを問題なく使用していましたが、ある日を境に、朝に塗ると唇がかゆくなり、夕方には水疱ができて唇がボロボロになってしまいました。
その後も何度か試してみましたが、必ず同じ症状が出てしまい、唇がどんどんダメージを受けていくため、以来リップティントは全く使用しなくなりました。
一度アレルギーが出ると治癒することはほぼないため、たとえ購入したばかりであっても使用を中止することを強くお勧めします。
・タール色素ってどうなの?
アレルギーの原因となる物質の一つとして「タール色素」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。
口紅やリップティントなどの化粧品の成分表示には、「赤202」「青1」といった表示が見られますが、これがタール色素です。
タール色素は化学的に合成された着色料であり、現在ではタール以外の素材で合成されたものも存在し、これを「有機合成色素」と呼ぶこともあります。
タール色素は多彩な色調と色鮮やかな発色が特徴で、口紅やリップティントだけでなく、さまざまな化粧品に含まれていますが、化粧品に配合できる有機合成色素は国によって安全と認められたものだけであり、日本では約83種類が認可されています。
海外では認められていない成分が日本では使用されていることから、安全性に疑問を持つ声も存在しますが、アレルギーを引き起こしやすいのはタール色素の中でも、「染料系のタール色素」に分類される成分です。
タール色素は、前述の「顔料」と「染料」の2種類に分かれ、染料系タール色素がアレルギーを引き起こしやすい成分となります。
・天然成分でもアレルギーは起こる
ちなみに、「オーガニックコスメ」や「天然着色料」といった表記のある口紅も最近人気を集めており、体に優しそうでアレルギーとは無縁なイメージがありますが、天然成分でもアレルギーが発生する可能性は決してゼロではないため、十分な注意が必要です。
例えば、コチニール色素という天然の赤色着色料がありますが、過去には消費者庁からアレルギーに関する注意喚起が出されたこともあります。
また、口紅だけでなくリップクリームなどに使用されるミツロウやヒマシ油、メントールなどでもアレルギーの発症が考えられますので、「天然だから安全」と過信せずに、いくつかの種類の口紅でトラブルが発生した場合は、成分表示をしっかり確認し、共通する成分を見つけ出してください。
そして、その成分が含まれている製品は今後使用しない方が良いでしょう。
まとめ
女性の皆さんは、かわいいパッケージのコスメや美しい色のリップ、アイカラーを見つけると、ついつい心が躍り、購入してしまうことが多いのではないでしょうか。
せっかく手に入れた製品なのに肌に合わず、がっかりしてお蔵入りにするのは、できるだけ避けたいものです。
敏感肌の方は、購入前に成分をしっかり確認することで、メイクの楽しさをより一層感じられると思いますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
長文をお読みいただき、心より感謝申し上げます。
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