地方では役に立たない！買ってはいけないスマートタグ

最近、落とし物の対策として注目されているのがスマートタグというデバイスです。この便利なアイテムは、物を失くす心配を軽減してくれるため、多くの人々の関心を集めています。

レビューサイトや実際のユーザーの体験談を見ていると、「使ってみて本当に良かった！」というポジティブな意見が多く見られます。

特に、財布や鍵といった、無くしてしまうと非常に困るアイテムにあらかじめ取り付けておくことで、安心感を得ることができるのは魅力的ですよね。

ただし、スマートタグには解決すべきデメリットも多く存在し、筆者としてはすべての人におすすめできるアイテムではないと感じています。

この記事では、スマートタグの購入を考えている方々に向けて、筆者が実際に使用した感想と、購入を避けるべき理由を詳しく解説していきます。

スマートタグとは

スマートタグとは、Bluetoothなどの通信技術を利用して、小型の電子機器をスマートフォンと連携させて使用するデバイスのことを指します。

主に取り付ける対象として選ばれるのは、財布や鍵など、失くすと非常に困るアイテムです。

財布や鍵に加え、ノートパソコンやパスポートに取り付けたり、小さなお子さんやペットに持たせたりするなど、その利用方法は非常に多岐にわたります。

このデバイスの使い方は、専用のアプリをインストールし、Bluetooth接続を通じて管理するのが一般的です。

Bluetoothの範囲を超えてしまうと、音が鳴ったり通知が送られたりして、持ち主に鍵や財布を失くしたことを知らせてくれます。

機種によっては、ARカメラを利用して詳細な位置情報を表示したり、最後に接続されていた場所を地図上に示す機能が搭載されているものもあります。

では、代表的なスマートタグのいくつかを紹介していきましょう。

Air Tagは、iPhoneなどのApple製品専用に設計されたスマートタグです。このデバイスは電池交換が可能で、専用ケースもAppleから多く販売されているため、ファッションに合わせておしゃれに使うことができます。

アプリから警告音を鳴らす機能があり、部屋の中で紛失した場合にはその音を頼りに探すことも可能です。

最大の特徴は、他人の持ち物も含め、全世界のiOSデバイスがこのタグを検知できる点です。

Air Tagを装着したものを落とした際には、近くを通ったデバイスがAir Tagを検知し、Apple社のサーバーを通じてその場所を持ち主に通知してくれます。

発見した側はAir Tagの持ち主を特定することができないため、セキュリティ面でも安心です。

mamorioは、いくつかの異なる機種が販売されており、全体的に薄くて軽いのが特徴です。財布の小銭入れに入れたり、キーケースに取り付けても邪魔にならないサイズ感が魅力です。

自宅で紛失した場合には、AR機能を利用してカメラをかざしながら家の中を歩くことで、発見を助ける機能も備わっています。

また、全国各地に設置された「MAMORIO Spot」という忘れ物センターがあり、対応するセンターに届けられた際には自動的に通知が送られる仕組みも整っています。

さらに、Air Tagと同様に、専用アプリがインストールされたスマートフォンがタグを検知すると、持ち主に通知が届く仕組みになっています。

一見便利に思えるスマートタグですが、筆者が実際に使用してみた結果、いくつかの決定的なデメリットを感じました。

特に地方に住んでいる方々には、あまり向いていないと強く感じるため、その理由について詳しく解説していきます。

こちらの画像は、筆者が2か月間使用してみたmamorioの画面です。過去一週間分のデータしか表示されていませんが、2か月間で紛失したタグが発見された数はゼロでした。

地方ではmamorioを使用している人が少ないため、この「タグを検知する」機能がほぼ使えないことが明らかになりました。

そのため、落とした物が「現在どこにあるか」を調べることが非常に難しい状況です。

幸運なことに、落とし物が多い日本では、交番や施設の受付に届けられることがよくありますので、そうした場所を訪れることで見つかる可能性はあります。

ただし、必ずしもその場所にあるとは限らないため、探す範囲を限定することはできても、確実に見つかるわけではありません。

見つけるためにスマートタグを購入するのであれば、そのコストに見合う価値があるかどうかをしっかりと考えるべきでしょう。

正直なところ、気休め程度の機能に数千円を支払うのは非常に勿体ないと感じます。

したがって、現時点ではスマートタグは購入すべきではないと考えます。

筆者はAndroidユーザーなので、mamorioに関するレビューしかできませんでしたが、Air Tagであれば全てのiOSデバイスが検知できるため、地方でも見つけ出せる可能性が格段に高まります。

もしあなたがiPhoneユーザーであれば、迷わずAir Tagを導入することを強くお勧めしますが、現状ではAndroidには同等の性能を持つデバイスやアプリが存在しないのが現実です。

よく誤解されがちですが、スマートタグはGPSデバイスではありません。「最後に検知された場所」を確認することはできても、「現在どこにあるか」を正確に把握することはできないのです。

実は、筆者は子供の迷子防止のために安価なスマートタグを購入した経験がありますが、やはり子供用GPSの代替品としては不十分だと感じました。

もしお子さんの迷子対策としてスマートタグを検討しているのであれば、やはり本来の目的に合った子供用GPSを推奨します。