買ってはいけない?若い時の苦労【買わなくてもいい?】

若い世代の皆さん、もしかしたらご両親や年長者から「若いからこそ、苦労しないと意味がない」とか、「楽なことばかりだと成長できない、もっと苦労が必要だ」といった言葉を耳にしたことがあるかもしれません。また、「昔はもっと大変だった。今の若い人たちは苦労がわからないから甘えている」といった意見もよく聞かれますね。

「若い時の苦労は買ってでもせよ」ということわざもありますが、本当に若い時の苦労は価値があるものなのでしょうか?

確かに、苦労を通じて得られる学びや経験は多くありますが、果たして苦労することにはメリットだけでなくデメリットも存在するのではないでしょうか?

今回は、若い時に苦労したことによって生じる様々なメリットとデメリットについて検討してみたいと思います。

若い時に苦労することによるメリット

・人にやさしくなれる

苦労を経験した人は、自らの体験を通じて同じような状況に置かれている他者の痛みや辛さを理解し、寄り添う優しさを持つことができるのです。私たちは、自分が経験していない出来事については他人の気持ちを理解しようとしても、実際にはその感情に共感することが難しいことがあります。このため、経験を通じて得た感情や理解が重要となります。

もし自分自身が同じような苦労を経験したのであれば、同じように苦しんでいる人々の状況に対する理解が深まりますし、辛い思いをしている他者に対しても優しく接することが可能になるでしょう。人に優しくなることで、自分自身の心も穏やかに保たれるようになります。

常に他人に対して怒りやイライラを抱えていると、自分の心も苦しくなりますよね。人に優しく接することは、結局のところ自分自身に対しても優しい行動であると言えるのです。

・忍耐力がつく

苦労を乗り越える経験は、我慢する力や諦めない強さを育む要因となります。受験の失敗や友人関係、恋愛における摩擦、さらには職場での上司からの厳しい対応など、人生には失敗や挫折がつきものです。楽しいことに対しては簡単に取り組めますが、失敗や挫折を乗り越えてあきらめずに続けることは非常に大変な努力を要します。

途中でイライラしてしまったり、あきらめてしまったりすることの方が多いかもしれませんが、あきらめずに何度も挑戦し続けることで忍耐力が養われます。忍耐強い人は目標に向かって努力を続けられるため、自然と成功への道を歩むことができるでしょう。

・小さなことにも感謝できるようになる

自分が苦労している最中に周囲の人々から助けられたり励まされたりした経験はありませんか?苦労を経験した人は、そのような出来事を通じて「周囲に対する感謝の気持ち」がいかに重要であるかを実感します。この感謝の気持ちを持ち続けることによって、小さなことにも感謝できるようになり、人生の幸福度を高めることにつながります。

若い時に苦労することによるデメリット

・卑屈になる

成長に結びつく苦労であれば良いのですが、自分で選択できない理不尽な苦労を強いられると、卑屈になってしまう可能性があります。たとえば、いじめや虐待、またはパワハラ上司の影響でどれだけ頑張っても成果が認められない場合、過度な苦労や乗り越えることが難しい試練が重なると、「自分はダメな人間だ」といった卑屈な思考に陥ることがあるのです。

・心が疲れてしまい、鬱などの病気になってしまう

理不尽な苦労が続きすぎると、ストレスが溜まり、鬱や不安障害などの精神的な病に陥るリスクも高まります。鬱などの精神疾患を抱える人は、しばしば「真面目」で「我慢強い」性格を持っていることが多いとされています。

「自分が我慢すれば物事がうまくいく」とか「仕事は完璧に仕上げなければならない」といった考えに囚われすぎると、自分の内側にどんどん苦しみや辛い気持ちが蓄積されてしまいます。それによって、ネガティブな感情が溜まりすぎると、「眠れない」「体がだるい」「何をしても楽しくない」といった症状が徐々に現れ、日常生活に影響を及ぼすことになります。

真面目で我慢強い性格の人は、「これではいけない」と思い、更に頑張り続けることが多いのですが、その結果、心身の限界を超えてしまい、鬱や不安障害、さらにはパニック障害などの精神的な疾患を引き起こすことがあるのです。

まとめ

日本社会においては、根性論が未だに強く根付いているのが現状です。根性によって困難を乗り越えることが美徳とされ、成長のために苦労を重ねて根性を鍛えなければならないという考え方が、至る所で見受けられます。

自分の成長に繋がる苦労であれば、ことわざの通り「買ってでも」する価値がありますし、困難を克服することで得られる経験は、さらなる成長へと繋がることでしょう。しかし、しなくても良い苦労も存在します。

理不尽で、自分ではどうすることもできない状況での苦労は、逆に自身の成長を妨げてしまうことになりかねません。若い世代の皆さんには、ぜひこのことを心に留めておいてほしいと思います。全ての苦労を無理に引き受ける必要はないと、筆者は強く信じています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました