夏や冬の季節が訪れると、私たちの買い物に対する意欲が急激に高まる瞬間が訪れます。それはまさに、待ちに待った「バーゲン」の時期が到来するからです。欲しかった洋服が、セール価格で手に入るという喜びは、多くの人々にとって非常に魅力的な体験です。特に冬の初売りでは、衣類だけでなく、自動車や家電製品、さらには日常的に使う日用品までもが驚くほどの特価で販売されることが多く見受けられます。このようなバーゲンやセールの存在は、つい財布のひもを緩めてしまう要因の一つであり、これは日本人特有の心理かもしれません。筆者はアパレル業界で約8年間勤務してきましたが、実際のところバーゲンやセール品に特に心を奪われた記憶はあまりありません。その結果として、いつもその時期を逃してしまい、買い物を楽しむことができずに過ぎ去ってしまったのです。そこで、なぜ筆者がバーゲンに飛びつかないのか、その理由を自身の経験やアンケートの結果をもとにお話ししたいと思います。テーマは「夏のバーゲン・冬のバーゲン、その服を安易に買ってはいけない理由」です。
新年の幕開け初売り
初売りは多くの人にとって、特別なイベントであり、そのワクワク感は何物にも代えがたいものがあります。筆者自身は服にはあまり興味がないものの、家電製品には心が躍る瞬間があります。その中でも、一度は試してみたいと思う福袋については、実は購入を避けるべき商品だと考えています。その理由は、福袋が運試しのような性質を持っているからです。最近では、中身がわかる福袋も増えてきましたが、一般的には5点の商品が入っており、1万円以上することが普通です。たとえば、もしも好きなブランドの欲しかったアイテムがすべて5点入っていて1万円で販売されているなら、それは確かにお得に思えます。しかし、現実にはそのようなケースは非常に稀です。ネット上の統計によると、福袋の中身5点分をすべて活用できているか、または欲しかったアイテムがすべて含まれていたかという質問に対して、活用していると答えた人はわずか約30%で、活用していないと答えた人は約54%、分からないと答えた人は約16%という結果が出ています。筆者がアパレル業界で実施したアンケートでも、全て欲しかったアイテムだったかという問いに対して、約70%の人が欲しかったアイテムは3点だったと回答しています。これはつまり、5点で1万円の福袋の実際の価値がそれほど高くないことを示しています。福袋を購入するくらいなら、じっくり悩んでいたアイテムを1点ずつでも確実に購入する方が賢明だと思います。実際、筆者も販売側に回ってからは、ネットで福袋を購入することはなくなりました。初売りだからといって安易に福袋を買うことは避けるべきです。
バーゲン、お得は初日のみ
お買い物をしたいと思っている方々にお伝えしたいのですが、初日は混雑するからといって2日目以降に行こうと考えている方は、ぜひ考えを改めてください。バーゲンの魅力を最大限に享受するためには、初日に行くことが絶対に重要だと言えます。なぜ初日がこれほど重要かというと、目玉商品がまだ在庫として残っているからです。どのブランドや店舗にも、バーゲン時には特に注目を集める商品が用意されています。それがなければ、その店舗は売上を伸ばすことが難しく、売れる時期に失敗してしまう可能性があります。目玉商品は広告宣伝の一環としても使用されており、その商品を求めてくるお客様も多く存在します。しかし、在庫には限りがあるため、目玉商品がなくなるのは時間の問題です。店舗側は目玉商品の次に位置付けられるサブ商品を用意しているでしょうが、次の日以降になるとそのサブ商品も少なくなり、昨年のシーズン商品や人気のない商品が50%off、60%off、果ては70%offで販売されることもあります。これは言わば、在庫処分のようなものです。したがって、バーゲンに行く際は、ぜひ初日に足を運ぶことをお勧めします。高い割引率であっても、活用しない服は購入すべきではありません。
シーズン物ばかりを買ってはいけません
夏のバーゲンでは春夏商品の、冬のバーゲンでは秋冬商品のセールがよく行われます。しかし、夏のバーゲンだからといって春夏用品ばかりを購入してしまうと、結局着られる時期が過ぎてしまったり、冬のバーゲンで高額なコートを購入したものの、一度しか着られずに暖かくなってしまったという事態にもなりかねません。そのため、バーゲンを待たずに定価で購入し、実際のシーズン中に何度も利用できる方が、結果的にはお得だと感じるかもしれません。「でも、定価は高い!」と感じる方には、オンラインショップなどを活用して最も安く手に入れる手段を検討するのも良いでしょう。シーズンが終わり、来年同じ服を着るかどうか、流行に左右されるデザインであれば着るのをためらうか、しっかり考えてから購入することが重要です。最も良いバーゲン品を手に入れるためには、流行に左右されない半年後の季節に着られる商品を選ぶのが一番良い方法です。夏のバーゲンではシンプルな秋冬商品を、冬のバーゲンではシンプルな春夏商品を選ぶことが賢明な選択です。この方法を用いることで、無駄に活用しない服を減らし、欲しかった商品をもう1点購入することができる満足感を得られます。筆者もこの方法を駆使してバーゲン時に満足感を得ています。流行を追った商品は定価で購入し、そのシーズンに着回しを楽しむことで、服を購入するための資金を得るモチベーションとなります。したがって、シーズン物ばかりを購入することは避けるべきです。
まとめ
初売りの福袋については、一旦考え直すことをお勧めします。
自分がほしい商品がどの程度入っているのか、その割合が少ないのであれば福袋は避けるべきです。
バーゲンは2日目以降では損をします。
バーゲンを目的にお買い物に出かけるのであれば、ぜひ初日に行くことを強くお勧めします。
2日目以降には、在庫処分の商品が並ぶことになります。シーズン物ばかりを購入しないように注意しましょう。
バーゲンで目当ての商品を手に入れても、すぐにシーズンオフになってしまう可能性があります。夏のバーゲンでは秋冬商品を、冬のバーゲンでは春夏商品を選ぶ方が賢明です。これが、夏のバーゲン・冬のバーゲンを上手に利用するための方法です。無駄なお買い物を減らし、充実したショッピングができることを願っています。最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。
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