寒い冬の時期に特に重宝される暖かなセーターやニットのアイテムは、多くの人々にとって冬の必需品と言えるでしょう。お気に入りのニットを日常的に着用することで、いつの間にか毛玉ができてしまったという経験を、皆さんも一度はされたことがあるのではないでしょうか。
毛玉が増えてくると、たとえどれほど好きなセーターであっても、その見た目が気になり、外出時に着ることをためらうことがあるかもしれません。大切にしている愛用アイテムを長持ちさせるためには、正しいお手入れが不可欠です。毛玉を取り除く方法は多岐にわたりますが、その中から適切な方法を選ぶことが、セーターを長く楽しむための重要なポイントとなります。それでは、具体的にどのような毛玉取りの方法が存在するのか、詳しく見ていきましょう。

毛玉になる原因
まずは毛玉が発生する理由を考えてみましょう。毛玉の主な原因は、衣類の生地同士が擦れ合うことによる摩擦です。
毛玉ができやすい部分には特定の傾向が見られます。特に目立つのは、脇の下部分や袖口など、体の動きによって摩擦が生じやすい部分です。日常生活の中で着用していると、どうしても擦れる箇所が生じるため、こうした部分に毛玉ができやすくなります。
さらに、衣類を保管する際にも、生地同士が触れ合い摩擦が発生し、繊維が絡まることで毛玉ができてしまいます。また、洗濯時にも衣類同士が擦れることによって摩擦が生じ、毛玉の原因となるのです。
毛玉取の種類
毛玉を効果的に取り除くためには、いくつかの方法が存在します。ここでは一般的に知られているいくつかの方法をご紹介いたします。
・T字カミソリ
・食器用スポンジ
・ハサミ
・毛玉取ブラシ
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
電動カミソリ器
スイッチを入れるだけで、迅速に毛玉をカットしてくれる便利な電動カミソリ器ですが、使用する際には特に注意が必要です。スピーディで便利な一方で、生地を傷めてしまうリスクがあるため、取り扱いには細心の注意を払うことが大切です。平らな場所で慎重に使用しないと、生地を巻き込んでしまい、洋服に傷をつける恐れがあるのです。筆者自身も、うっかり注意を怠ってニットが機械に入り込んでしまい、ガリッと穴が開いてしまったという悲しい経験があります。穴が開いてしまった場合、その修復は非常に難しくなるため、慎重な扱いが必要です。
機械を使う作業では、力の加減を調整することが難しく、丁寧な作業が特に求められるのです。

T字カミソリ、食器用スポンジ
この2つは、家庭にあるアイテムを利用して手軽に毛玉のお手入れができる方法です。
食器用スポンジの固い面(不織布研磨材)を使って、衣類の表面を優しくこすります。この場合は固めのスポンジを使用することが推奨されます。力を入れすぎると生地を傷めてしまうリスクがあるため、使用する際には注意が必要です。スポンジは面が広いため、均一に毛玉を取り除くことができ、手で持って行うため力加減も調整しやすいのが特徴です。

ハサミ
毛玉を切り取って取り除くための道具として、通常の文房具用のハサミは毛玉に対してサイズが大きく、余分な部分もカットしてしまう恐れがあるため、裁縫用の小さなハサミを使用することが望ましいです。
一つ一つの毛玉を手作業で取り除くため、均一に仕上げるのは難しいですが、どちらかと言えば小さな部分のピンポイントでの毛玉取りに適しています。
毛玉取ブラシ
タイツやセーターなど、幅広いアイテムに使える毛玉取ブラシは、デリケートな素材にも使用できるため、ダメージが心配な方には特におすすめです。
馬、豚、猪など動物毛を使用したものが多く、特に馬の毛は豚や猪と比べてしなやかで、きめ細かい毛質を持っています。
力を入れずに衣服の繊維に沿ってブラッシングするだけで、毛玉だけでなく、埃や髪の毛などのゴミも絡め取ることができます。
毛羽立った繊維をブラッシングすることで静電気を抑え、埃がつきにくくなるため、ニットにとって非常に良い効果があります。目が細かいブラシを使用することで、生地への負担も少なく、衣類を優しく扱うことができます。

ニットだけでなく、スーツなど他の衣類のお手入れにも使えるため、家に一つ持っておくと非常に便利です。

毛玉の予防
毛玉ができてしまう前に、毛玉を予防するための方法がいくつか存在します。
衣類を着用した後、こまめにブラッシングをすること。
洗濯時には裏返して洗濯ネットに入れること。
洗濯時に衣類が擦れることも毛玉の原因の一つですので、洗濯する際には裏返すことで、ニットの裏側が擦れることにより、表面へのダメージを軽減できます。
また、洗濯ネットに入れて洗うことも効果的です。洗濯ネットは目が細かく、ニット一枚に適したサイズを選ぶことで、衣類への負担を軽減することが可能です。
着用頻度を見直す。
一度着用しただけでも、ニットには少なからずダメージが蓄積されます。日常の着用で摩擦が生じやすい箇所には毛玉ができやすくなるため、一度着たらニットを休ませる日を設けるなど、続けて着用しない工夫をすることで、長持ちさせることができるでしょう。
上に着るものとの摩擦を考慮する。
寒い冬に着るニットは、外出時に羽織るコートとも摩擦が生じます。摩擦を無駄に発生させないためには、アウターは少しゆったり目のサイズを選ぶことをおすすめします。
毛玉のできにくい素材の服を選ぶ。
アルパカやモヘア、コットンなど、毛玉ができにくい素材の服を選ぶことで、毛玉に関するストレスを軽減することが可能です。
化学繊維との混紡ではなく、天然素材100%で植物由来のものは、繊維の構造上毛玉ができにくいとされています。このように毛玉のできにくい素材を選ぶことで、安心して洋服を楽しむことができるでしょう。
バッグとの摩擦を避ける。
毛玉は摩擦から生じるため、バッグとの摩擦も同様です。レザー素材など、繊維同士が絡まりにくい素材のバッグであれば、毛玉ができにくいかもしれません。
まとめ
寒い季節に欠かせないセーターやニットアイテム。愛着のあるニットと長く付き合うためには、毛玉取りやブラッシングなどの適切なお手入れが極めて重要です。
毛玉を未然に防ぎ、毛玉のない美しいニットを身に着けて、冬のファッションを存分に楽しむことができるようにしましょう。

 

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