
最近、注目を集めている新しいライフスタイルの一つに、移動が可能な住宅、つまり『トレーラーハウス』があります。このスタイルは、これまでの住まいとは異なる魅力を持ち、特に若い世代からの支持が増えてきています。
トレーラーハウスは、その多機能性から、事務所や家の離れ、さらには子供部屋としても利用できるため、用途の幅が非常に広いです。この特性を活かすことで、アイデア次第で様々なシーンにおいて活用することができます。
最近では「トレーラーハウスに住んでみたい」と考える人々の声が増加しており、従来の『一軒の家』という概念を超え、移動ができる『小さな家』という新しいスタイルが広がりを見せています。
しかし、実際に購入する際には様々な注意点があり、思わぬ落とし穴が存在することもあるため、後悔することになりかねません。
購入にあたっては、しっかりと下調べを行うことが絶対に必要です!!
トレーラーハウスは、決して安くない金額が必要となる重要な買い物です。慎重な選択が求められます。
この記事では、トレーラーハウスについて詳しく解説し、その魅力や注意点についてご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
そもそもトレーラーハウスってなに?
トレーラーハウスとは、『車輪のついた、車で牽引可能な住居』のことを指します。これにより、特定の場所にとどまることなく、自由に移動することができるのです。
タイヤ付きのフレームの上に住宅の構造が乗せられているため、移動が可能となります。キャンピングカーを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際には「建物を載せたフレームを車で牽引する」必要があるため、これは車の後部座席や荷台に設備が備わったキャンピングカーとは根本的に異なる点があります。
利用方法は多岐にわたり、カフェや店舗、オフィス、さらには別荘やセカンドハウスとして活用する人々も多く、相対的に長期間または恒久的に同じ場所に設置されて利用されることが一般的です。
トレーラーハウスには、お風呂やキッチン、トイレといった一般住宅と変わらない設備が備わっているため、特別な準備をしなくても生活が可能です。
要するに、『タイヤのついたプレハブの家』という印象を持つ方が多いかもしれませんね。通常の住宅と同様に生活するために必要な機能は十分に揃っています。
土地さえ確保できれば、日本全国を自由に移動し、定住することができるというのは、トレーラーハウスの大きな魅力の一つです。
移動可能な特性を活かし、グランピングやキャンプ場での宿泊施設としても非常に便利な『移動できる家』として重宝されています。
トレーラーハウスのメリット
トレーラーハウスを活用することで、どのようなメリットが享受できるのでしょうか?
税制のメリット
トレーラーハウスは不動産としては見なされず、可動産として車両扱いされるため、固定資産税や不動産取得税の対象外になります。
一般の住宅と同様に生活できるにもかかわらず、車両として分類される理由は、建築基準法において、建物は地面に固定される必要があるからです。
基礎や土台がないトレーラーハウスはこの条件を満たさないため、建物として認識されず、税金が課されることがありません。
固定資産税や不動産取得税を支払う必要がないというのは、まさに夢のような状況ですね!
建物が建てられない土地でも大丈夫!
例えば、市街化調整区域など、建物の建設が禁止されている場所でも、トレーラーハウスは車両として扱われるため、設置が可能です。建築確認や工事の手続きも不要で、借地にも設置できるため、土地から土地への移動も自由に行えます。
もちろん、定住する際にはライフラインも接続可能で、気に入った場所に長期間住むことも容易になります!
住み心地は一般住宅と変わらない
トレーラーハウスは、一般の住宅に比べるとサイズは小さいものの、外観は通常の住宅とほとんど変わらず、内装も『車』という印象はほとんど受けません。キッチンやトイレ、お風呂、ベッドも完備されており、通常の生活を送るのに何の問題もなく住むことができます。
間取りはトレーラーハウスの特性上、長方形になることが多いですが、間仕切りを工夫することで部屋数を増やせば、2人以上での生活も十分に可能です。
自宅の庭に離れとして使ったり、子供部屋や趣味の部屋として活用することもでき、夢が広がりますね!
しかし、トレーラーハウスにはメリットだけでなく、当然ながらデメリットも存在します。
魅力的なトレーラーハウスですが、一体どのようなデメリットがあるのでしょうか。
知らずに購入してはいけない事!注意点
このように、夢のような生活が実現できるトレーラーハウスですが、十分に調査を行わずに購入すると、後悔することになります!
ここでは、注意すべきポイントをいくつか挙げますので、ぜひ参考にしてください。
間取りが不自由
トレーラーハウスは移動のためにサイズに制限があり、公道を通る必要があるため、サイズには限界があります。
そのため、平屋程度の大きさにとどまることが多く、二階建てや三階建て、または横幅を広くすることは非常に難しいでしょう。
このような理由から、大人数での生活には向かない間取りになってしまうのです。
トレーラーハウスには大きさに関する制限があるため、広々とした空間での生活を望む方には向いていないかもしれません。
車両扱いにするには条件がある!
トレーラーハウスを固定資産税がかからない『車両扱い』にするためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
これは日本建築行政会議が定めた『車両を利用した工作物』に該当しない条件を意識する必要があることを意味します。
逆に言えば、これらの条件のいずれかを満たさない場合、建築物として扱われ、固定資産税が発生してしまうのです。
- 常に移動可能な状態で設置し、その状態を維持すること
- 水道・ガス・電気などのライフラインが、工具を使わずに接続・取り外しできること
- 適法に公道を移動できる車両であること
この3つの条件のうち、1つでも満たされない場合は車両として認定されず、建築確認を取得しなければ『違法建築物』となる恐れがあります。
タイヤがパンクしていたり取り外されている場合や、ポーチやベランダといった移動を妨げる設備がある場合、さらにライフラインが脱着式でない場合は認められないため、十分な注意が必要です。
耐用年数が短く、定期的なメンテが必要になる
トレーラーハウスは、定期的なメンテナンスを行ったとしても、耐用年数はおおよそ20年程度に限られる可能性があります。
一般的な住宅と異なり、基礎などの工事がしっかりしていないため、地盤が沈下したり、支えているジャッキやタイヤの劣化が進むことがあります。その結果、耐久性が低くなりやすいです。
金属の土台に家が載っている状態なので、雨風によって錆が発生する可能性も考えられます。したがって、長期間住むためには多くのメンテナンスが必要となり、その費用がかさむこともあります。
トレーラーハウスをどれくらいの期間使用するつもりなのか、予算についてしっかりと話し合う必要がありますので、どれだけ資金を準備できるのかを明確にしておくことが大切です。
設置や運搬費用が高額
トレーラーハウスの大きな魅力は、自由に様々な場所へ移動できることですが、そのためには高額な費用がかかることもあります。
運搬と設置には通常50万から80万円程度の費用がかかることが一般的です。この金額に加えて、設置する土地の状態によっては、コンクリートや砂利による『整地費用』も考慮する必要があります。
また、ライフラインを接続する際には、給水や排水、電気配線などの費用もかさむことが予想されます。
さらに、牽引する車にかかる自動車税や自賠責保険、車検などの諸費用も発生します。
本体だけでも数百万円の費用が必要ですが、その他の費用も考慮する必要があるため、『こんなはずではなかった!』と後悔しないように、予算は余裕を持って準備しておくことが非常に重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
トレーラーハウスは、車両としての条件を満たすことで、さまざまな場面で利用できる非常に魅力的な選択肢です。
住まいとしてだけでなく、オフィスや店舗として選ばれる理由の一つには、節税効果が大きく関与しています。
しかし、非常に便利な一方でデメリットも多く存在するため、計画的な購入が求められます。
『買わなければ良かった…』という後悔をしないように、事前にしっかりと下調べを行うことが重要です。
メリットとデメリットをしっかりと把握した上で、自由で楽しい生活を手に入れていただければと思います。
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