全世界で8,000万枚以上のセールスを達成し、「世界最強のロックバンド」として名を馳せるRed Hot Chili Peppers(以下、レッチリ)。彼らは日本国内でも非常に高い支持を得ており、数多くの来日公演を行ってきたことから、親日家としてもその名が知られています。
1983年に結成されたレッチリは、約40年にわたる音楽キャリアを築き上げてきました。今回はその歴史の中で、「買ってはいけないアルバム」とされる三つの作品に焦点を当てて詳しく解説していきたいと思います。
彼らがこれまでにリリースした13枚のオリジナルアルバムの中から、果たしてどの作品が失敗作と見なされているのか?これからレッチリを聴いてみようと考えている方々にとって、ぜひとも参考にしていただければ幸いです。
1st『Red Hot Chili Peppers』を買ってはいけない理由とは?
レッチリの「買ってはいけないアルバム」の最初に挙げられるのは、彼らのメジャーデビュー作である『Red Hot Chili Peppers』です。
このアルバムが「買ってはいけない」とされる理由は、以下のように多岐にわたります。
このように、デビューアルバムはバンド自身が認める失敗作として広く認識されているのが実情です。
ファンの間で語り継がれている伝説的なエピソードとして、メンバーがアルバムの出来に対して不満を抱き、プロデューサーであるアンディ・ギルに物理的に人糞を送りつけたという驚愕の逸話があります。
全体的に感じられる薄っぺらな音質は、明らかにレッチリが持つ本来の魅力を引き出すことができていません。さらに、オリジナルメンバーであるヒレルとジャックがこのアルバムには参加していないことも、非常に大きな欠点の一つとして挙げられます。
バンドとしての成熟度もまだ不十分であり、熱心なファンでさえこのアルバムを通して聴くことは少ないのではないかと考えられます。残念ながら、この作品は「買ってはいけないアルバム」の筆頭としてしばしば挙げられることが多いのです。
6th『One Hot Minute』を買ってはいけない理由とは?
次にご紹介するレッチリの「買ってはいけないアルバム」の二枚目は、1995年にリリースされた『One Hot Minute』です。
このアルバムがファンや音楽メディアから低評価を受けている理由は、以下のように整理できます。
途中加入して以来、レッチリの中心的なメンバーとして活躍していたジョン・フルシアンテが脱退した直後にリリースされたこのアルバムは、彼の存在の大きさを改めて痛感させられる作品となっています。
後任のギタリストであるデイヴ・ナヴァロはその空白を埋めようと懸命に努力しますが、いわゆる「捨て曲」も散見され、「悪くはない」といったレベルの作品にとどまっています。
楽曲のクオリティのばらつきは、まさにジョンの不在による影響と言わざるを得ません。ギタリストとしてのみならず、ソングライターとしても非常に優れた才能を持つジョン・フルシアンテの存在が、いかに重要であるかがこのアルバムからもよくわかるでしょう。
10th『I’m With You』を買ってはいけない理由とは?
レッチリの「買ってはいけないアルバム」として最後にご紹介するのは、ジョン・フルシアンテが脱退した後に制作された10枚目のアルバム『I’m With You』です。
このアルバムが「買ってはいけない」とされる理由は、次の通りです。
「レッチリという名バンドから離れ、自分のソロ作品に専念したい」という理由で再びバンドを脱退したジョン・フルシアンテ。その後、他のメンバーよりも一回り若いジョシュ・クリングホッファーが後任として加入しました。
彼もまた豊富な演奏経験を持つギタリストであり、10年間にわたりバンドを支え、再び存続の危機にあったレッチリを救った功績はファンの間でも高く評価されています。しかし、どうしてもジョンという天才との比較からは逃れられない運命にあります。
このアルバムからは、どこか前述の『One Hot Minute』のデジャヴを感じるような物足りなさが漂ってきます。メジャー路線から離れ、音楽的にさまざまな挑戦を試みる姿勢は見受けられるものの、どの試みも結局は結果に結びついていないのが現実です。
「全体的に中途半端な印象が否めない」という点が、今作で最も指摘されている部分です。ジョシュが加入して初めてのアルバムということもあり、遠慮があったのかもしれませんし、バンド全体が新たな形を模索する過渡期にあるため、この点については仕方がない部分もあるでしょう。
とはいえ、初めてレッチリを聴こうと考えている方にはお勧めできない作品であることは間違いありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
数々の解散の危機を乗り越え、現在に至るレッチリですが、彼らの波乱万丈な歴史には名作の影にいくつかの失敗作も存在します。これらの経験も含めてレッチリの魅力と捉える人も多いことでしょう。
しかし、今回ご紹介した作品は初心者にとっては決してお勧めできるものではないのが実情です。最近レッチリに興味を持ち始めた方々は、ぜひ上記の「買ってはいけないアルバム」三選を参考にして、世間的にも評価の高い名盤から楽しんでいただければと思います。
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