色とりどりの美しい外観と、優雅に水中を泳ぐ姿で私たちに癒しを提供してくれる海水魚。最近では、ペットを飼うことに興味を持つ方々が増えてきているのが見受けられます。
海水魚の飼育は、一般的に少し難しいと感じられることがよくありますが、実際には淡水魚と同じような設備で飼うことができるため、それほど心構えをする必要はありません。ペット飼育に挑戦したいと考えている方々にとっては、非常に良い選択肢となるでしょう。
ただし、自宅で飼うことができる海水魚の中には、初心者には飼育が難しい種も存在するため、注意が必要です。そこで今回は「買ってはいけない?飼育が難しい海水魚」というテーマで、特に注意が必要な種類をご紹介します。
飼育が難しい原因とは?
初心者が海水魚の飼育において難しさを感じる主な要因は、基本的に3つに分けられます。
①水質管理が難しい
海水魚の飼育を始める際に、まず直面するのが“水質管理”に関する課題です。淡水魚の場合、水質管理は比較的簡単であり、少し水換えを怠っても大きな問題にはなりませんが、海水魚はその点で異なります。
種によって異なるものの、海水魚は水質に対して非常に敏感です。そのため、海水魚に適した水質を維持できない場合、病気が水槽内で広がる可能性が高く、最悪の場合、魚が死んでしまうリスクもあるのです。
②水温管理
海水魚は水温にも非常に敏感です。多くの海水魚は、年間を通じて温暖な気候の熱帯地域に生息しており、寒冷な環境には適応できません。
さらに、温暖な地域で育った海水魚であっても、水温が極端に上昇すると弱ってしまう可能性があるため、注意が必要です。そのため、寒い冬の時期にはヒーターを使用して水温を上げ、暑い夏にはクーラーで水温を下げる必要があります。
③水槽の立ち上げ
海水魚を飼育する際に最初に行う作業が“水槽の立ち上げ”です。
このプロセスは、水槽内で水質を維持するために必要不可欠なバクテリアを繁殖させ、海水魚が問題なく住める環境を整えることを目的としています。
淡水魚水槽と比べると、海水魚水槽のバクテリアの発生・繁殖スピードは著しく遅いため、海水魚の立ち上げにはより多くの時間と手間がかかることを理解しておく必要があります。
飼育が難しい海水魚3選
海水魚の中には、特に飼育が難しい種類が数多く存在します。ここでは、特に初心者には飼育が難しいとされる海水魚を3種類ピックアップしてご紹介します。
①ナンヨウハギ
ナンヨウハギは、映画「ファインディング・ニモ」に登場するキャラクター“ドリー”のモデルとなったことで、多くの人気を得た海水魚です。
その愛らしい外見から飼育に挑戦する人も多いですが、成長が早く小型水槽では飼うことが難しい、気性が荒く他の魚を攻撃することがある、病気にかかりやすい、またヒレのトゲには毒があるなどの理由から、飼育の難易度は高いとされています。
②ヤッコ
ヤッコは非常に多くの種類が存在し、ヒレをパタパタと動かす可愛らしい泳ぎ方や、その色鮮やかな見た目が多くの人に愛されている海水魚です。
ヤッコは他の海水魚よりも水質の良い環境を好むため、水質が悪化しやすく、病気にかかりやすく、最悪の場合には死に至ることも少なくありません。
③チョウチョウウオ
チョウチョウウオは、鮮やかで美しい模様と優雅に泳ぐ動きが特徴的な海水魚です。
この種類は、自然界ではサンゴのポリプのみを食べる傾向があるため、偏食の海水魚であり、そのため餌付けが非常に難しく、初心者には飼育の難易度が高いとされています。
海水魚を快適に飼育するために
海水魚を楽しみながら飼育するためには、以下の3つのポイントをしっかりと押さえることが重要です。
①水質・水温の維持を徹底する
海水魚にとって望ましい水質を保つためには、定期的な水替えや生体の数を増やしすぎないこと、また水質悪化の原因となる物質を取り除くためにプロテインスキマーを利用することが必要です。
さらに、急激な水温の変化は海水魚にとって致命的な影響を及ぼす可能性があるため、エアコンや水槽用ヒーター・クーラーを使って、温度を一定に保つよう心掛けることが大切です。
②立ち上げはしっかりと
海水魚を飼育する際に“バクテリア”は欠かせない存在です。立ち上げ作業が不十分な水槽では、バクテリアの数が少なく、魚の糞や尿などの分解が追いつかず、あっという間に水質が悪化してしまいます。
海水魚を快適に飼育するためには、立ち上げ期間をしっかりと確保し、十分にバクテリアを増やすことが極めて重要です。
③コケ対策
海水魚を飼育する上での最大の魅力といえば、その色鮮やかで華やかな美しさではないでしょうか。しかし、せっかくの美しい水槽にコケが生えてしまうと、魅力が台無しになってしまいます。
海水魚の美しさを損なわないためにも、コケ取りや、コケの原因物質であるケイ素を含まないRO水を用いるなどして、積極的にコケ対策を行うことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。“メンテナンスが大変そう”という理由から、敷居が高く敬遠されがちな海水魚の飼育ですが、海水魚の特性を正しく理解し、飼育のポイントをしっかり押さえることができれば、決して難易度の高いものではないのです。
他のペットに比べると手間がかかることは間違いありませんが、丁寧に育てることで、あなたに癒しをもたらしてくれる存在となることでしょう。ぜひ、皆さんもペットとして海水魚を迎え入れてみてはいかがでしょうか。
今回は「買ってはいけない?飼育が難しい海水魚3選」というテーマでお伝えしました。この記事があなたのお役に立てれば嬉しく思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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