プロテインという言葉は、日本語では「タンパク質」を意味しています。このタンパク質は、糖質や脂質と並ぶ三大栄養素の一つであり、日本人の食生活においては特に不足しがちな重要な栄養素の代表格と位置付けられています。
「プロテイン」と呼ばれる製品は、この大切なタンパク質を手軽に摂取できる形で加工したもので、現在市場には多種多様な製品が流通しています。この記事では、特に購入を避けるべきプロテインの種類について、理由も含めて詳しく解説していきたいと考えています。
通常、健康な人の体の組成において、体水分の次にタンパク質が占める割合は非常に大きいです。トレーニングを行う人たちがプロテインを摂取する理由は、プロテインが筋肉の合成に不可欠な栄養素であるからです。さらに、免疫力や肌、髪の健康にも良い影響を与えることが知られています。
プロテインは、基本的には食事から摂取できない不足分を補う目的で利用されます。日常的な食事から十分なタンパク質を摂取できているのであれば、特にプロテインを追加で摂取する必要はないかもしれません。
成人男性においては1日の推奨されるタンパク質摂取量は約60g、女性では50gとされています。しかし、最近の調査によると、すべての年代において平均的なタンパク質の摂取量はこの推奨値を上回っていることが分かっています。この背景には、プロテインが容易に摂取できる形で商品化されている点が大きく影響しています。現在流通しているプロテイン製品は多岐に渡り、それぞれ異なる特性と役割を持っています。
プロテインの種類
プロテインは、大きく分けて3つの種類に分類されます。まず一つ目は、動物性のホエイプロテイン(牛乳由来)、次にカゼインプロテイン、そして最後に植物性のソイプロテインです。
それぞれのプロテインには独自の特徴があります。まず、ホエイプロテインは市場に最も多く流通しているタイプで、牛乳からチーズを製造する際に、タンパク質を凝固させた後にできる水分を加工したものです。ホエイプロテインは、脂肪分やカゼインを含まないため、カロリーが低く、吸収が非常に早いという特長を持っています。この特性から、運動後の筋肉の回復や栄養補給に非常に適しています。
次に、カゼインプロテインは、ホエイプロテインと同じく牛乳を原料としていますが、製造過程で生じる乳固形分が主成分となっています。ホエイプロテインと比較すると水溶性が低く、吸収が遅いという特性がありますが、体内で持続的に吸収されるため、腹持ちが良く、特に就寝中のタンパク質補給には適しています。
三つ目のソイプロテインは、ホエイやカゼインとは異なり、植物由来のプロテインです。このプロテインも吸収が遅く、腹持ちが良いのが特徴です。また、大豆に含まれるイソフラボンなどの成分は、女性ホルモンのバランスを整える効果が期待されており、牛乳を摂取するとお腹を壊してしまう方にも適していると言えます。
買ってはいけないプロテインとは?
これまでの説明からも明らかなように、プロテインにはそれぞれ異なる特性があります。ここで注意すべき「買ってはいけないプロテイン」とは、ズバリ「目的に合わないプロテイン」です。
プロテイン製品を購入しようと考える方は、健康を意識しているか、トレーニングに励んでいるなど、必ず何らかの目的を持っているはずです。現在、プロテイン商品は新しいものが次々と登場しており、自分の好みに応じた美味しいものを選ぶことができるのですが、その成分をしっかり確認すると、糖質や脂質が多く含まれているものが少なくありません。タンパク質補給を目的として選んでいるつもりでも、実際にはただのスナックに過ぎない可能性もあるのです。
特に注意が必要なのが、手軽に食べられる「プロテインバー」と呼ばれる商品です。どのコンビニエンスストアに行ってもほぼ必ず見かけるこの商品は、さまざまな種類があり、以下のようなものがあります。
・しっかりとした重量感のある「ベイクド」
・クリームが挟まれた軽やかな食感の「ウエハース」
・パフが入っていてザクザクした食感の「クランチ」
・健康的なイメージのあるグラノーラを固めた「グラノーラ」
これらの製品は企業の努力によって味も美味しいものが多いため、ついつい手が伸びてしまいます。しかし、裏に記載されている成分表示を見ると、味を調整するために必ず脂質や糖質が多く含まれていることがわかります。
このように糖質や脂質が多く含まれているプロテイン商品は、タンパク質補給を目的とするには適していないと言えるでしょう。
さらに、糖質を抑えるために多くの人工甘味料が含まれている商品も存在しますが、健康面から見てもあまり好ましくない選択肢です。
プロテインという言葉を耳にすると、罪悪感なく食べてしまう方も多いですが、まずは自分の目的を明確にし、成分をしっかりと確認した上で食べるかどうかを判断することが非常に重要です。
まとめ
プロテインは多くの役割を担っており、私たちの生活において非常に重要な存在です。意識的にプロテインを摂取することは、健康的な生活を送るために欠かせない要素となります。
今回お伝えした「目的に合わないプロテインは買ってはいけない」という点についてですが、ダイエットを目的とした場合には、糖質や脂質が少ないクリーンなプロテインを選ぶことが重要です。
一方で、激しい筋トレの後にプロテインを摂取する場合は、体内に糖質が不足している状態であるため、筋肉の回復と疲労回復を目的として糖質を多く含むプロテインバーの摂取は効果的であると言えます。
最初に述べたように、日常生活の中でプロテインを取り入れなくても、健康を意識した食生活を心がけることで十分にタンパク質を摂取することが可能です。ぜひ、プロテインを購入する際には、自分の目的に合ったものを選ぶように意識してください。
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