サクサクとした心地よい食感が多くの人々を魅了し、手軽に楽しむことができるお菓子、それがクッキーです。シンプルなプレーンタイプに加え、チョコチップやナッツを使ったさまざまなバリエーションが市販されており、どれも個性豊かです。また、家庭でも簡単に手作りできるため、世代を問わず幅広い層の人々に親しまれているお菓子の一つと言えるでしょう。
家庭で作るホームメイドのクッキーは、基本的に小麦粉、砂糖、バター、卵という4つのシンプルな材料から成り立っていますが、それに対して市販のクッキーには手作りのものよりも多くの原材料が含まれていることをご存知でしたか?
その中には、健康や美容に対して悪影響を与える成分も含まれている場合があります。小腹が空いたときの軽食や、小さなお子さんのおやつとして無意識に市販のクッキーを選ぶことが多いかもしれませんが、少し注意が必要です。この記事では、クッキーが私たちの健康に与える影響について、詳しく解説をしていきます。
トランス脂肪酸を摂取してしまう
クッキーには、市販品でも手作り品でも、一般的にバターやマーガリンなどの油分が豊富に含まれています。市販のクッキーは、コストを抑えるためや、サクサクとした食感を出すためにショートニングやマーガリンが多く用いられることが一般的です。これに対して、手作りの場合は、主にバターを使用したレシピが多く見られます。
これらの油脂には、健康に対するリスクが懸念されるトランス脂肪酸が含まれていることがあるのです。トランス脂肪酸を過剰に摂取し続けると、冠状動脈性心疾患のリスクが高まることが、農林水産省のウェブサイトでも示されています。
トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングに多く含まれているというイメージがありますが、実はバターやサラダオイルにも同等、もしくはそれ以上のトランス脂肪酸が含まれている可能性があることを認識しておく必要があります。「ショートニング・マーガリン不使用」とパッケージに記載されていると、少し健康的な印象を受けるかもしれませんが、クッキーは基本的にトランス脂肪酸を含むものであることを理解し、食べ過ぎには細心の注意を払うべきです。
香料・膨張剤など添加物が多い
市販のクッキーには、香料や着色料、乳化剤、膨張剤など、手作りのものと比較して多くの添加物が使用されています。品質や安全性にこだわった商品や天然由来の添加物も存在するものの、原材料表示を見ても「香料」や「膨張剤」とだけ書かれていることが多く、詳細が不明なために不安を感じることもあるでしょう。
例えば、「膨張剤」と一口に言っても、さまざまな種類があり、その具体的な内容は不明瞭です。アルミニウム入りのベーキングパウダーが使われていることもあり、幼児が摂取することでアルミニウムの摂取量が過剰になる可能性があると、東京都健康安全研究センターが警告しています。もちろん、厚生労働省による使用基準量は守られていますが、大量に摂取したり、小さなお子さんのおやつとして与え続けたりすることは避けるべきでしょう。
おいしさ重視で高カロリー
クッキーのカロリーは1枚あたり平均50kcal前後で、炭水化物や脂質が豊富に含まれています。特に、ながら食いをしながら無意識に食べてしまうと、あっという間にカロリーや糖質を摂り過ぎてしまうため、十分な注意が必要です。
ここで気になるのは、市販品と手作りクッキーとのカロリーの違いです。実際には市販品も手作りも、カロリーはほぼ同じです。ただし、幅広い層に好まれるように味のバランスを重視した市販のクッキーは、手作りに比べて高カロリーになることもあります。そのため、個包装タイプを選ぶなどして、食べ過ぎない工夫が求められます。
手作りクッキーの大きな利点は、原材料を調整することでカロリーや糖質を抑えることができるという点です。たとえば、小麦粉の代わりにおからパウダーを活用したり、砂糖の一部を天然のゼロカロリー甘味料に置き換えたりすることで、よりヘルシーな仕上がりにすることが可能です。糖質やカロリーを抑えつつも美味しく作れるレシピは、書籍やインターネット上にたくさん存在しているため、ぜひ挑戦してみることをお勧めします。
買う前には原材料チェックを!
もちろん、香料や乳化剤を一切使用せずに、シンプルな原材料で作られた市販のクッキーも存在しています。市販のクッキーを購入する際には、ぜひパッケージの原材料をしっかりと確認してみてください。意外にも添加物が少ない商品を見つけることができるかもしれません。
例えば、江崎グリコの「Shall we?」シリーズの「発酵バターが薫るショートブレッド」や「エクセレント 発酵バター」は、香料や乳化剤を使用していません。また、輸入お菓子の「Walkers(ウォーカー)」のショートブレッドは、小麦粉、バター、砂糖、食塩の4つだけで作られています。
カロリーや糖質が気になる方には、おからや豆乳を使ったクッキーを強くお勧めします。膨張剤や乳化剤を使用していない製品も多く存在しています。食べたいお菓子を我慢することなく、ほっとひと息つきたいときや、自分を褒めるためのご褒美として、上手に取り入れることが推奨されます。
まとめ
子供のころから親しんできたクッキーですが、自分自身や家族の健康を考慮すると、食べ過ぎには特に気を付ける必要があります。食べたくなったときには、個包装のものを少量だけ購入し、できるだけ原材料や栄養成分の表示にも目を配ることが重要です。また、手作りを楽しむという選択肢も非常に良いアイデアです。
適切な量を守りながら、ティータイムのお供としてクッキーを上手に楽しむ方法を見つけていきましょう。
コメント