
アウトドア活動や庭での作業、さらには屋外スポーツを楽しむ際に欠かせないアイテムとして、虫よけスプレーが挙げられます。このアイテムは、特にこれからの季節において需要が一層高まってくることでしょう。
蚊はさまざまな病原体を媒介することがあるため、虫が活発になりやすい季節には、虫よけスプレーが非常に重要な役割を果たします。
ドラッグストアやさまざまな店舗を訪れると、実に多くの種類の虫よけスプレーが並んでいるのを目にすることができます。しかし、実際のところ、配合されている有効成分によって、使用に関する制限や注意が必要な場合があることを理解している人は意外と少ないかもしれません。
また、かゆみを我慢できずに掻きむしってしまうことが多い幼いお子さんにとっても、虫よけ対策は非常に重要です。
「虫よけスプレーは何歳から使用できるのか?」
「赤ちゃんに適した虫よけ製品にはどれがあるのか?」
このような疑問を持つ方々に向けて、虫よけスプレーを購入する際に知識として持っておくべきポイントを詳しく解説していきます。
年齢制限はあるの?有効成分を確認しよう

虫よけスプレーには、主に「ディート」「イカリジン」「天然のハーブ成分」の3つの主要な有効成分が含まれています。
これらの成分はそれぞれ異なる効果や特徴を持っていますので、詳しく見ていくことにしましょう。
ディート
ディートは、日本において初めて虫よけとしての効果が正式に認められた成分であり、非常に長い歴史を有しています。
実に50年以上も前から虫よけスプレーの主要成分として広く利用されており、世界各地でも多くの製品に採用されている成分です。蚊やマダニに加え、ヤマビル・トコジラミ・アブ・ブユなどの様々な害虫に対しても高い効果を発揮します。
この成分は、吸血害虫の感知能力を妨害することができるため、虫に刺されにくくなるという利点があります。
ただし、ディートが30%含まれている製品は、12歳未満の子どもには使用できません。高濃度であるため、その効果も非常に強力で、医薬品として分類されることがあります。一方で、ディートが10%以下の製品は、生後6カ月から使用が可能です。
イカリジン
イカリジンはドイツで開発された虫よけ成分で、日本では2015年にその効果が正式に認められました。ディートと同様に、吸血害虫の感知能力を撹乱させることが可能ですが、その効果対象は蚊・ブユ・アブ・マダニ・イエダニなどに限られています。
イカリジンの最大の特徴は、年齢制限や使用回数の制限が一切ないという点です。
皮膚に対する刺激も少なく、虫が気になるときには何度でも塗り直しができ、虫よけ特有の嫌なニオイもないため、小さなお子さんや赤ちゃんにも安心して使用できるのが大きな魅力です。
ハーブなどの天然由来成分
ミント・レモングラス・シトロネラなどの蚊が嫌がる天然のハーブ成分を使用した虫よけスプレーも多く販売されています。
これらの製品はハーブウォーターやエッセンシャルオイルを使用しており、科学的な保存料や着色料を含まないものが多数、ペットにも優しい配合の製品や、オーガニック素材のみを使用したこだわりの虫よけスプレーも多数取り揃えられています。
ただし、天然由来成分であっても、使用できる年齢に制限が設けられている場合があるため、十分な注意が必要です。
購入する前には、必ずパッケージや公式サイトでしっかり確認することをお勧めします。
爆発の危険は?自分に合ったタイプを選ぼう

虫よけスプレーには、噴射剤としてガスが充填されたスプレー缶タイプと、虫よけ成分が液体として霧状に噴出するミストタイプの2つが主に販売されています。
さらに、子どもの口や鼻に入らないように配慮されたジェル・ローションタイプも非常に人気があります。
それぞれのタイプには異なるメリットとデメリットが存在しますので、使用する人やシーンに合わせて適切なものを選ぶことが大切です。
均一に塗布できるスプレー缶

スプレー缶タイプは、一度の噴出量が多く、広範囲にわたってムラなく塗布できるのが大きな利点です。特に肌の露出が多くなる夏場でも、効率的に虫よけ対策を行うことが可能です。
一方で、デメリットとして、屋内や車内などの狭い場所では使用が難しく、誤って吸引してしまうとむせやすいという点が挙げられます。また、LPガスを使用しているため、保管場所にも注意が必要です。炎天下の車内や屋外の物置などに放置してしまうと、爆発や火災を引き起こすリスクがあるため、十分な注意が求められます。
車内に置き忘れることが多い方は、安全性を考慮してスプレー缶タイプを避けることをお勧めします。
ポイント使いできるミスト

少量ずつ噴出し、対象の部分にピンポイントで塗布できるという特長を持つミストタイプ。
舞い散りにくく、むせる心配が少なく、手で伸ばしたり重ね塗りをしたりできるのも大きな魅力の一つです。また、保湿成分としてヒアルロン酸などが配合されているものも多く、肌に優しい商品が充実しています。
ただし、デメリットとして、少しずつしか噴出しないため一度に広範囲を塗布することが難しいという点があります。肌の露出が多い夏場には、塗布にかなりの時間がかかることが予想されます。
肌に優しいジェル・ローション

舞い散りが全くないため、口や鼻から吸い込むリスクがないジェルやローションタイプは、小さなお子さんや呼吸器系が弱い方に特におすすめです。保湿成分が含まれている商品が多く、化粧水のように均一に塗布しやすいという特徴もあります。
しかし、デメリットとしては、広範囲を塗布するのにかなりの時間がかかることが挙げられます。また、塗布時に手に付着してしまうため、手を洗えない屋外では使いづらいこともあります。
生後6カ月以下の赤ちゃんに使う場合はどうすれば?

生後6カ月以下の乳幼児に虫よけスプレーを使用する際は、年齢制限のあるディートを含む製品は使用できませんので、特に注意が必要です。
お宮参りやお散歩など、生後1カ月頃から外出する機会が増える赤ちゃんをどのようにして蚊から守ることができるのでしょうか。
それぞれのタイプについて詳しく見ていきましょう。
※乳幼児の肌は非常にデリケートですので、初めて使用する際には、上腕の内側に少量をスプレーして、問題がないか確認しながら徐々に使用してください。
イカリジン配合の虫よけスプレー
年齢や使用回数に制限のないイカリジンを配合した虫よけスプレーは、乳幼児にも安心して使用することができます。
特に赤ちゃんには、鼻や口から吸い込みにくいミストタイプやジェル・ローションタイプが非常に推奨されます。
天然由来成分の虫よけスプレー
優しい使い心地を重視する方には、エッセンシャルオイルなどの天然由来成分を使用した虫よけスプレーが理想的です。
ただし、天然由来の成分であっても、年齢制限が設定されている場合がありますので注意が必要です。
使用する前には、パッケージや公式サイトで対象年齢を必ず確認することを忘れないでください。
次にご紹介する2つの製品は、どちらも新生児から安心して使用できる商品です。
虫よけシール
洋服や帽子などの衣類に簡単に貼り付けることで、手軽に虫よけ対策を行えるシールタイプの製品も人気です。ユーカリ・シトロネラ・レモンユーカリなどの虫が避ける香りを持つ商品が多く、かわいいキャラクターデザインのものも豊富に揃っています。
有効時間は約6~12時間と、商品によって異なるため、使用シーンに合わせたものを選ぶことが重要です。
まとめ

以上の内容が、虫よけスプレーを購入する際に理解しておくべき3つの重要なポイントです。
虫よけスプレーと一口に言っても、その選び方や適切なタイプは使用する人やシーンによって大きく異なります。特に乳幼児や呼吸器系が弱い方には、選ぶ商品によって健康に影響が出ることもあるため、特に注意が必要です。
それぞれの虫よけスプレーの特性をしっかりと理解し、賢く活用していくことが大切ですね。



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