安易に車椅子を買ってはいけない？その理由とは

一昔前と比べると、近年では様々な福祉用具を利用する機会が飛躍的に増加しています。このような背景の中、もし自分自身やご家族が車椅子を必要とする状況に直面した際には、どの車椅子を選べばよいのか悩むことがあるかもしれません。車椅子は、座って様々な活動を行ったり、外出を楽しむための非常に重要な道具であり、用途や体に合った車椅子を選ぶことはとても大切なポイントとなります。

本記事では、福祉用具の中でも特に移動手段として重要な役割を担う車椅子の種類やその選び方について、詳しく解説していきたいと思います。

車椅子の役割
1. 座る
2. 移動する
車椅子の種類
車椅子を使いたい場合はどうする？
1. レンタル
2. 購入
まとめ

車椅子の役割

車椅子の主な役割としては、「座る」ことと「移動する」ことの2つが挙げられます。それぞれの役割について、より詳しく見ていきましょう。

座る

適切なサイズの車椅子やクッションを使用することで、これまでベッドの上で過ごすことしかできなかった方でも、体を起こして座ることが可能になります。「車椅子に座ることができる」ということは、私たちが椅子に座って行う日常的な活動、たとえば自分で食事を摂ったり、机で作業を行ったりすることができるようになることを意味します。このことによって、自分の生活の幅が大きく広がるのです。

移動する

移動の方法には、自分自身で動く場合と介助者の助けを借りる場合があります。いずれの場合でも、移動が可能になることで、家庭内や外出先でのさまざまな場所に行けるようになります。たとえば、家の中でトイレに行くことができたり、外で買い物や旅行を楽しんだり、散歩に出かけることができるようになるなど、ベッドの上ではできなかった新しい挑戦ができるようになります。

車椅子の種類

日常生活の中で使用される車椅子は、大きく分けて4つのタイプが存在します。

普通型（自走型）車椅子

その名の通り、車椅子に座る本人が自らの手や足を駆使して、車椅子を動かしながら移動することが可能なタイプです。普通型といっても、多様な機能があり、ひじ掛け（アームレスト）や足置き（フットレスト）が取り外し可能なものや、体のサイズに合わせて座面の高さを調整できるものなど、選択肢は豊富に揃っています。

介助型車椅子

普通型に比べてタイヤが小さく設計されており、移動は車椅子に座る本人ではなく、介助者が押して行います。タイヤが小さいため、車椅子自体が軽量で、折りたたむことでコンパクトに収納できるため、外出時に車に載せる際には非常に便利です。

リクライニング型（ティルト型）車椅子

普通型車椅子よりも大きめの設計で、リクライニング型は背もたれの角度を調整でき、ティルト型は座ったまま座面の角度を変えることが可能です。両方の機能を兼ね備えた車椅子も存在しますので、選ぶ際にはその点を確認してみてください。また、多くのモデルでは背もたれが頭まで支えられる設計になっており、足置き台（フットレスト）を上に挙げることができるものもあります。普通型の車椅子に座ることが難しい方でも、ベッドから離れて外出や食事を楽しむために非常におすすめです。

電動車いす

上述の3つの車椅子は人力で動かすのに対し、電動車椅子はその名の通り電気によって動作します。電動自転車のようにバッテリーを搭載し、手元にあるスティックやハンドルを操作することで、車椅子を自在に動かすことができます。自らの手や足で車椅子を操作することが困難な場合でも、電動車椅子を利用すれば、買い物などの外出が可能になるでしょう。車椅子のサイズなど一定の条件を満たせば、免許なしで歩道を走行することができるため、興味のある方はぜひ福祉業者に相談してみることをお勧めします。

付属品

・座面クッション：硬いものから低反発のものまで、さまざまな種類が揃っています。

・転倒防止バー：後ろに傾いて車椅子ごと転倒するのを防ぐためのものです。

・ブレーキ延長用レバー：片手で左右のブレーキをかける際に、ブレーキに手が届くように延長レバーを取り付けます。

・サポートシート：背もたれに取り付けるシートで、体を支え、座位姿勢を保つ手助けをします。

車椅子を使いたい場合はどうする？

車椅子の利用を検討している場合、レンタルと購入の2つの方法があります。それぞれのメリットについて詳しく説明していきましょう。

レンタル

姿勢や体調の変化に応じて車椅子を柔軟に変更することができ、不要になった際には返却することができるため、非常に便利です。また、定期的にメンテナンスが行われるため、安心して使用することができ、万が一故障した場合でも修理や交換が可能です。車椅子を購入する場合は多くの費用がかかりますが、介護保険を利用したレンタルでは所得に応じて1～3割の自己負担で使用することができます。レンタルの際には、外出先で使用する場合に公共機関やショッピングセンターなどの貸出車椅子を利用でき、自宅やデイサービスなどで使用する場合には介護保険を活用してレンタルすることが可能です。

購入

毎日車椅子を利用して外出や仕事に出かける方にとっては、自分の体型に合わせた車椅子を作ることで、身体への負担を軽減することができます。長期間の使用が見込まれる場合、初期費用はかかりますが、レンタルするよりも総コストを抑えられる可能性もあります。さらに、レンタル品に傷をつけることを避けたい方や、自分好みに車椅子をカスタマイズしたい方には、自由度の高い購入を検討することを強くお勧めします。