憧れだけで買ってはいけない無垢のフローリング

マイホームの購入やリフォームを計画する際、無垢フローリングの選択を考える方は少なくないでしょう。シート系フローリングや集成材では味わえない独特の心地よさや、時間が経つにつれて変化する風合いを楽しむことができるため、木材本来の魅力を存分に味わうことができるのです。

憧れの無垢フローリングですが、安易な憧れだけで購入することは果たして適切でしょうか。

集成材に比べると価格が高くなるため、無垢材の特性や特長を十分に理解した上で、後悔のない選択をするためには、じっくりと考慮することが極めて重要となります。

無垢材の種類は?厳選7種のメリット・デメリットを比較

無垢材とは、丸太から直接切り出し、厚さや形状を整えた、自然本来の木材のことを指します。対照的に、集成材は切り出した木材を接着剤で接合した、人工の木材です。

無垢材と言っても、使用される木材の種類によって、その見た目、価格、さらには特性などは多様に異なります。ここでは、主に使用される無垢材の種類とその一般的な特性について詳しく見ていきましょう。

パイン材

見た目:節が多く、自然で素朴な風合いを持っています。
経年変化:初めは白色系ですが、時間の経過とともにオレンジや茶色系に変わります。
硬さ:比較的柔らかく、
価格:お手頃な価格帯です。
柔らかめで衝撃をよく吸収するため、傷がつきやすい特性があります。また、乾燥した環境が続くと割れやすくなることもあるため、注意が必要です。自然な風合いのため、カントリー調のインテリアに非常に適しています。

スギ材

見た目:節が豊富で、年輪がはっきりとしており、
経年変化:白色系(一部赤色系)から薄茶色系に変化します。
硬さ:柔らかめで、
価格:比較的安価から中価格帯です。
肌当たりが良く、小さなお子様がいる家庭でも安心して使用できます。しかし、針葉樹特有の柔らかさがあるため、傷つきやすいのは避けられません。傷も思い出として受け入れるくらいの大らかさが必要です。加えて、長い間日本で親しまれてきた材木であり、畳との組み合わせなど和風のインテリアにも非常に適しています。

ヒノキ材

見た目:まっすぐな木目と美しい艶感が特徴です。
経年変化:乳白色からあめ色に変わり、艶も増します。
硬さ:柔らかいですが、時間が経つにつれて重さと硬さが増します。
価格:中価格帯から高価です。
日本では古くから造船に使われるほど、強度がある木材です。肌触りも非常に良く、小さなお子様がいる家庭でも安心して使用できます。また、ヒノキ特有の香りも魅力的ですが、その好みは人それぞれ異なるかもしれません。

オーク材

見た目:美しい木目が魅力的です。
経年変化:薄茶色系や薄黄色系から、初期の状態が濃くなります。
硬さ:強度が高く、耐久性があります。
価格:中価格帯から高価です。
経年によって色合いは濃くなるものの、他の材木と比較すると変化は少なく、当初とのギャップは小さいです。耐久性に優れ、ワインの樽の素材としても使用されるほどですが、冬場はひんやりと感じることがあるかもしれません。北欧テイストの家具との相性も抜群です。

アカシア材

見た目:ウォルナットに似た高級感があります。
経年変化:茶褐色やオレンジ系の色合いがあり、濃淡が変化します。
硬さ:強度が高く、耐久性があります。
価格:中価格帯から高価です。
アカシア素材の食器もよく見られます。他の木材と比べて耐久性に優れていると言えるでしょう。表面が硬いため、冬場は冷たく感じることがあるかもしれません。また、さまざまなインテリアスタイルに融通が利く特徴もあります。

メープル材

見た目:きめが細かく、つるんとした外観が特徴です。
経年変化:乳白色からあめ色や茶褐色に変わります。
硬さ:強度が高く、耐久性も兼ね備えています。
価格:高価です。
明るい色合いで、傷がつきにくいため、子供部屋に特に適しています。夏の間はさらっとした肌触りですが、冬場は少し冷たく感じるかもしれません

ウォルナット材

見た目:重厚感があり、つやのある高級な印象を与えます。
経年変化:濃いこげ茶色から茶褐色に変化します。
硬さ:強度が高く、耐久性があります。
価格:高価です。
重厚感と高級感が際立ち、多様なインテリアスタイルに調和します。ただし、色が濃いため、ホコリやペットの毛が目立つことがあります。経年変化によって、色合いが薄くなり、柔らかく変わることもあるため、こちらについても理解しておく必要があります。

このように、主な7種の特徴をまとめました。気になる無垢材は見つかりましたか?また、「防虫効果がある」や「火災になりにくい」といった、見た目以外の特性を持つ無垢材も存在していますので、ぜひ詳しく調べてみてください。

無垢材を買ってはいけないケースとは?おすすめワックスも

さまざまな無垢材の種類を見てきましたが、無垢材全般のメリットとして以下の点が挙げられます。

・空気を含みやすい構造であるため、断熱効果が高く調湿効果も期待できる
・柔らかくて肌当たりが良い
自然の風合いを感じることができる。
・経年変化を楽しむことができる。

一方で、デメリットとしては以下のような点があります。

・膨張や伸縮を繰り返すため、床の反りやフローリング間の隙間が生じることがある。
傷がつきやすい
水がシミになることがある。
・手入れが面倒になることがある。

どんな手入れが必要になるの?

無垢材は自然素材であるため、丁寧なお手入れが欠かせません。

浸透系塗料(表面をコーティングするのではなく、木材に浸透させるタイプの塗装)を使用する際は、一般的に年に一度、自然由来のオイル・ワックスで油分を補うことが推奨されています。筆者は施工会社からリボス社の「アルドボス」をおすすめされました。

硬く絞った雑巾で拭くことも可能で、普段の汚れは水拭きで問題なく対応できます

水分を吸収しやすい特性があるため、シミが残りやすいので、水が溜まったらなるべく早く拭き取ることが非常に大切です。日常的な配慮が必要です。

また、たとえ施工技術が高くても、冬の乾燥する時期にはフローリング間に隙間が生じることが多いです。

食べかすやホコリなどの汚れがその隙間に溜まることも珍しくなく、ゴキブリを呼び込む原因にもなり得るため、注意が必要です(恐ろしいですね)。

買って後悔するケースとは?

仕事が忙しい家庭や、小さなお子様がいる家庭では、手入れの時間を確保できない気にかけられないということが十分にあります。
傷やシミがついていく様子や、隙間に溜まった汚れが気になる方は、購入を再考した方が良いかもしれません。

また、無垢材特有の経年変化にも注目しましょう。日焼けにより、施工時の色合いと10年後の色合いは大きく異なることが多いです。木材の種類によっては、経年変化が少ないものもありますが、注意が必要です。

特に、理想として描いていた雰囲気やテイストが大きく変わってしまうと、残念な気持ちになることもあります。大切に選んだカーテンやソファ、家具との色味のバランスが崩れてしまうことも考えられますので、この点についても十分に考慮するようにしましょう。

10年後、後悔しない無垢フローリング生活を送るには

いかがでしたでしょうか。
調べてみると、家族構成やライフスタイルを見据えた材木選びが非常に重要なポイントになってくるようです。

  • ペットや子供がいて、傷が気になる場合は、傷がつきにくい硬めの無垢材(広葉樹など)を選ぶことが望ましいです。
  • 冬のひんやり感が気になる場合は、柔らかめの無垢材(針葉樹など)を選ぶと良いでしょう。
  • 水場(キッチン・風呂場・トイレ)では、耐水性の高い無垢材を選ぶことが重要です。
  • 色味の経年変化も考慮し、家具選びを行うことが大切です。
  • 自然の肌触りや質感を重視する場合は、造膜系塗料(表面にコーティングするタイプの仕上げ)を検討することも一つの選択肢です。

施工時になんとなく当初の見た目だけや、施工会社の提案に従って決めるのでは、後々後悔する可能性が高くなります。

こんなはずじゃなかった・・・泣
こんな面倒だとは思わなかった・・・汗

と、後悔しないために、ぜひあなたの無垢材フローリング選びに役立ててください。

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