ダイエットを進める上で避けられない重要な要素として挙げられるのが「カロリー」と「糖質」です。これらは、体重管理や健康維持において非常に大切なポイントとなります。
ラカントSは、カロリーも糖質もゼロという特性を持ち、健康に気を使う多くの方々にとって理想的な食材のひとつといえるでしょう。
しかし、甘いものには思いがけない落とし穴が潜んでいる場合があります。
この記事では、ラカントSに関するデメリットや注意すべき点について詳しく解説していきます。
ラカントSとは?
ラカントSとは、「サラヤ」が開発した自然由来の甘味料のことを指します。
その主成分は主に「羅漢果(ラカンカ)」と「エリストール」の2つから構成されています。

それでは、これらの原材料についてそれぞれ簡単に見ていきましょう。
羅漢果(ラカンカ)とは?
このウリ科の植物は、中国の桂林地方で栽培されており、ラカントという名称の由来にもなっています。
この羅漢果から抽出された高純度のエキスが、ラカントSの主要成分として含まれています。
このエキスは、羅漢果1kgからわずか10gしか抽出できない非常に貴重なもので、驚くべきことに砂糖の300倍の甘さを持つとされています。
「砂糖の300倍なんて、本当にそんな驚くべきエキスが存在するのか…!」と思うかもしれませんが、サラヤ公式HPによれば、このエキスは特許成分として国の安全性確認試験を通過し、安全性が確認されているとされています。
エリストールとは?
ブドウ糖を原料とした糖アルコールの一種です。
このエリストールは、果実やキノコ、発酵食品などに含まれる天然のブドウ糖を原材料としており、それらを酵母を用いて発酵・精製・濃縮・結晶化させることによって製造されています。
ラカントSで使用されているエリストールはトウモロコシ由来のブドウ糖を使用しているとのこと(サラヤ公式HPより)です。
甘さは砂糖の約7割程度で、さっぱりとした味わいが特徴的です。
興味深いことに、このエリストールには私たちの体にはエリストールを分解するための酵素が存在しないという特性があります。
そのため、エリストールを摂取すると一度は体内に吸収されますが、最終的には分解されず、そのまま尿として排出されるという独自の特徴を持っています。
ラカントSの99.8%はエリストールから成り立っており、これがカロリーゼロの秘密となっています。
ラカントSのデメリットは?
ラカントSには、以下の4つのデメリットが存在することが確認されています。
・糖尿病になるリスクがある
・味覚が麻痺する恐れがある
・コストパフォーマンスが良くない
・上白糖の代わりにはなりにくい
それでは、これらの各デメリットについてさらに詳しく見ていきましょう。
糖尿病になる
私たちの体内では、甘いもの(糖質)を摂取すると血糖値が上昇し、その血糖値の上昇を抑えるためにインスリンが分泌されます。
糖尿病は、この血糖値とインスリンのバランスが崩れてしまう病気として知られています。
ラカントSの主成分であるエリストールは、糖ではありますが体内で分解されないため、血糖値の上昇を抑える効果があり、糖尿病の方にも推奨されることがあります。
しかし、ここに大きな落とし穴が存在します。
たとえ体内で分解されないとしても、甘いものを摂取すると脳は反射的にインスリンを分泌します。
その結果、血糖値が上昇しないため体が混乱し、インスリンの分泌がどんどん低下してしまい、結果的に糖尿病を発症しやすくなってしまうのです。
さらに、分泌されたインスリンが過剰に血糖値を下げることによって、低血糖状態に陥ることもあります。
そうなると、食事をしたばかりにもかかわらず異常な空腹感を感じ、結果的に過剰に食べてしまうことにもつながります。
味覚が麻痺する
ラカントSを長期間にわたり使用することで、味覚が麻痺してしまう可能性があるとの指摘があります。
砂糖の代わりにラカントSを使用し続けることで、脳が「ラカントS=砂糖の味」と誤解し、一般的に使用されている砂糖の味を正しく認識できなくなる可能性があるのです。
さらに、ラカントSは甘味に対する満足度が得られにくいという声もよく耳にします。
人間は甘味に依存する傾向が強いため、ラカントSを使用した料理やお菓子では満足感を得にくく、結果的に必要以上にラカントSを摂取してしまうという事例も見受けられます。
コスパが悪い
ラカントSの価格は、上白糖の約10倍ということが現実です。
それにもかかわらず、甘さは砂糖と同程度ですので、料理に使用する量は普段の砂糖と変わらないのです。
砂糖はさまざまな料理に欠かせない調味料であり、特にお菓子作りなどではあっという間に消費されてしまうことでしょう。
健康を意識することはとても素晴らしいことですが、経済的な観点からも考慮しながら使用しないと、長期的には続けることが難しいかもしれません。
上白糖の代用にはならない
サラヤ公式HPには「砂糖に近い味を再現」との記載がありますが、実際のところは黒糖と三温糖の間くらいの味であると言えます。
そのため、「甘くない」「まずい」という口コミが存在するのも事実です。
また、人工甘味料全般に共通することですが、基本的にスイーツ作りには適さないという特徴があります。
加熱すると甘味が減少してしまうことや、冷却すると再結晶化し、食感や味が著しく劣化することがあるためです。
普段から黒糖や三温糖を使用している方には問題ないかもしれませんが、日常的に上白糖を用いている方はそれなりの覚悟を持って使用することをお勧めします。
ラカントSが向いている人・向いていない人
先ほどラカントSに関するデメリットをお伝えしましたが、それでもカロリーゼロ・糖質ゼロという特性は非常に魅力的です。
そこで、私なりにラカントSの使用が適している人とそうでない人について考察してみました。
ラカントSが向いている人
①現在糖尿病の方、糖尿病予備軍の方
血糖の上昇を抑えることが最も重要です。味や価格のことよりも、健康を最優先に考慮しましょう。
②普段から上白糖を使用していない方
上白糖とは異なる味わいではありますが、他の種類の砂糖に慣れている方は抵抗感なく使用できるのではないでしょうか。
③短期間でダイエットを希望する方
ラカントSは長期間の使用については疑問が残るものの、短期的な使用であれば健康に悪影響を及ぼすことなく効果を実感できるでしょう。
ラカントSが向いていない人
①健康な人
糖尿病のリスクがある食材は避けた方が無難です。
②甘いものが好きな人
甘さが不足しているため、余計に食べ過ぎてしまう可能性が高いです。
③ダイエットに多くのお金をかけたくない人
ダイエット食品全般に共通して言えることですが、痩せる可能性のある食品は経済的な負担を伴うことがあります。ある程度の継続的な使用ができなければ、購入しても意味がありません。
まとめ
カロリーゼロ、糖質ゼロという魅力的な特徴を持つラカントSですが、その背後には潜むデメリットも存在することをお伝えしました。
自身の体調や性格をしっかりと考慮しながら、今後の使用についてしっかりと検討してみてください。
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