手軽に手に入るようになったアーモンドミルクは、近年非常に人気を集めています。香ばしい味わいと飲みやすさが特徴で、コーヒーとの相性も抜群です。日本では初めはアーモンドミルク自体の認知度が低かったものの、コーヒーに加えて楽しむことで、その人気が急速に高まりました。
アーモンドの原材料は、実は古くから人々に親しまれてきたもので、ギリシャ神話や旧約聖書にも登場します。遊牧民にとっては、持ち運びが容易な携行食としても利用されており、亜鉛や鉄、カルシウム、マグネシウムといった栄養素がバランスよく含まれているため、健康や疲労回復に効果的だとされています。日本では江戸時代にポルトガル人によって持ち込まれ、当初は痰の薬として知られていました。アーモンドミルクは、豆乳に続く第3のミルクとも言われており、植物性の飲料として注目を集めています。ただし、ミルクと名がついているものの、乳製品は一切含まれていません。
アーモンドを直接食べるよりも、アーモンドミルクを飲むほうが手軽で、より多くの人が摂取しやすくなっています。なぜこれほどまでに飲みやすく、人気があるのか、興味はありませんか?
流行のアーモンドミルク
最近では、牛乳の代替品が増加傾向にあります。特に、乳製品にアレルギーを持つ人や乳糖不耐性の方々にとって、アーモンドミルクは理想的な代替飲料となります。その中でも、アーモンドミルクはビタミンEが豊富に含まれているため、美容にも良いとされ、多くの人々に好まれています。スーパーにはさまざまな種類のアーモンドミルクが並ぶようになりました。
アメリカやヨーロッパではすでに一般的な飲み物として浸透していましたが、海外のセレブたちが愛飲しているという情報が日本にも広まり、美容や健康に関心の高い女性たちを中心に人気が爆発しました。その後、男性にも広がりを見せ、なんと、ひとりあたりの購入金額は男性の方が高いというデータもあります。さらに、アーモンドミルクを使用したヨーグルトやスープなどの製品も登場し、日常の食事に取り入れられるようになっています。
アーモンドミルクはどうやってつくられている?
見た目は牛乳に似ていますが、主な原材料はアーモンドと水です。アーモンドにはタンパク質が含まれていますが、加工の過程で多くの栄養が失われることが少なくありません。さらに、添加物が多く使われているため、安全基準は守られていますが、できるだけ摂取は控えた方が良いでしょう。
環境に優しいイメージのあるアーモンドミルクですが、実はナッツ類を育てるためには大量の水が必要です。アーモンドの80%はカリフォルニアで生産されており、毎年水不足や干ばつが深刻な問題となっています。一粒のアーモンドを育てるのに、なんと12リットルもの水が使用されます。現在も温暖化や異常気象の影響が世界中で広がっており、カリフォルニア地域でも節水が求められ、農作物の生産量が減少しています。干ばつによる水の確保が難しくなり、アーモンド農家の中には、木を処分し農業を辞めて他の事業を始めざるを得ない状況にあるところもあります。そして、日本が輸入するアーモンドの約90%がカリフォルニア産に依存しているのです。
どんなものをどれだけ飲めばいいのか?
市販されているアーモンドミルクの中には、砂糖や添加物が多く含まれているものもあります。味を飲みやすくするための調整が施されていますが、飲みすぎには注意が必要です。できるだけ砂糖不使用のものや、オーガニックの製品を選ぶと良いでしょう。
商品のパッケージ裏を見て、原材料に目を向ける習慣をつけることで、いつでも体に優しい選択ができるようになります。最近のスーパーには本当に多様なアーモンドミルクが揃っているので、いくつかの種類を試してみて、自分の好みの味を見つけることができるはずです。
キャラメル味やカカオ味、コーヒー味など、さまざまなフレーバーのアーモンドミルクも存在します。アーモンドの独特な風味が苦手な方は、まずフレーバー付きのものから飲んでみるのをおすすめします。アーモンドの味がすでに好きな方には、ロースト風味のアーモンドミルクがぴったりです。普段のアーモンドミルクに、香ばしいローストの風味をプラスして楽しむことができます。
また、飲む量には注意が必要です。アーモンドミルクは食物繊維を多く含むため、ダイエット中には非常に良い効果をもたらしますが、飲みすぎるとお腹が緩くなることもあるので注意が必要です。
さらに、アレルギーにも留意が必要です。日本における主要なアレルゲンとしては、鶏卵、小麦、牛乳が挙げられますが、ナッツ類のアレルギーも増加してきています。特にクルミやカシューナッツ、アーモンドなどのアレルギーの報告が増えています。これは、健康志向が高まる中でナッツの消費量が増加していることが一因と考えられます。身近な商品にはドレッシングなどにもナッツが使われていることが多く、知らないうちに摂取量が増えてしまうこともあるため、日々の摂取量に注意を払うことが大切です。
まとめ
アーモンドミルクは、1日に200ml程度の摂取が理想的です。コップ1杯分くらいの量が適しているとされています。1Lの製品を購入して、分けて飲むのも良いアイデアです。アーモンドミルクは適量を飲めば問題なく、もちろん美味しいですが、注意も必要です。
ダイエット効果やアンチエイジングといった健康に良いイメージがありますが、悪い面も存在します。できるだけオーガニックな製品など、体に優しいものを選び、正しく取り入れて生活に役立てることが大切です。
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