近年、学校においてもパソコンの導入が急速に進んでおり、さらに在宅勤務が増加する中、これまでスマートフォンのみを使用していた多くの人々が新たにパソコンを必要とする場面が増えてきています。このような状況では、パソコンの購入にあたって選択肢が多く、迷うことも多いでしょう。
パソコンを購入する際には、一般的にインターネットで情報収集を行ったり、実際に家電量販店を訪れて選ぶという方法が取られます。しかし、パソコンの価格は幅広く、数万円から始まり、高額なものでは20万円を超えることもあります。
また、知名度の高いメーカーからあまり知られていないメーカーまで、選択肢は無限に広がっています。このような状況では、実際にどのパソコンを選べば良いのか判断が難しくなるのも当然です。
そこで、今回はどのようなパソコンを購入するべきか、また避けるべき選択肢について詳しく解説していきます。
パソコン選びで検討すること
最近、個人用のパソコンとして多くの人に選ばれているのは、ノートパソコンです。その一方で、デスクトップパソコンは拡張性や性能に優れ、汎用性も高いため、魅力的な選択肢となっていますが、初めてパソコンを購入する方にはノートパソコンが最も適していると思います。
ノートパソコンを選ぶ際に重要なポイントは、主に以下の2つに集約されます。
1. パソコンのサイズ
2. パソコンの性能
まず、パソコンのサイズについてですが、現在の一般的な画面サイズは15.6インチです。初めてパソコンを購入する方には、このサイズを選ぶことを強くお勧めします。というのも、多くのメーカーがこのサイズで多彩な製品を展開しており、価格も非常にリーズナブルであるためです。
それよりも小さいサイズのモデルは、部品を狭いスペースに詰め込む必要があるため、価格が高くなる傾向があります。確かに持ち運びには便利ですが、キーボード周りの使い勝手が犠牲になったり、光学ドライブが搭載されていないことが多いため、パソコン初心者の方にはあまりお勧めできません。
また、15.6インチのノートパソコンでも、最近では1.5kg前後の軽量モデルが増えてきているため、たまに持ち運ぶ程度であれば、このサイズで十分だと言えます。
次に、パソコンの性能を考慮する際には、以下の3つのポイントに注目することが重要です。
1. CPUの種類
2. メモリーのサイズ
3. 記憶装置(ストレージ)の種類とサイズ
CPUを製造している主要な企業は、IntelとAMDの2社です。Intelは過去にテレビCMなどで頻繁に見かけたため、多くの人に親しまれていますが、AMDも長い歴史を有するCPU製造会社であり、NECや富士通といった企業の製品にも幅広く採用されています。どちらの会社のパソコンを選んでも、実際には大きな違いはないと言えるでしょう。
むしろ、注目すべきはCPUのグレードです。
たとえば、IntelのCPUは性能の高い順に、Core i9、Core i7、Core i5、Core i3、Pentium Gold、Pentium Silver、Celeron、Atomというように分類されます。
CPUの性能が高いほどパソコン全体のパフォーマンスも向上しますが、その分価格も高くなります。ただし、高ければ良いというわけでもありません。よく言われる例えとして、近くのショッピングセンターに行くのにスポーツカーと軽自動車では大差がないということがあります。
CPUは自分の使用目的に合わせて選ぶことが重要です。
メモリーに関しては次の項目で詳しく解説しますが、まずはストレージについて考えてみましょう。少し前まではハードディスク(HDD)が主流でしたが、最近では格安モデルでもSSDが標準装備されるようになりました。また、低価格帯の機種ではeMMCを搭載したものも多く見受けられます。
現在では、ファイルの保存がクラウドベースで行われる時代に突入しているため、ストレージの選択肢は128GBか256GBが一般的です。ただし、これは将来的にWindowsや使用するソフトのアップデートによって容量が圧迫される可能性があるため、多少の価格差があるなら、より多くの容量を選ぶ方が長期間にわたって使えるでしょう。
買ってはいけないメモリー4MBパソコン
パソコンの部品の役割を説明する際、CPUは「頭脳」に例えられ、記憶メディアは「書棚」に例えられることが多いですが、メモリーは何に例えられるのでしょうか。
メモリーは、作業を行うための「机の作業スペース」に例えられることが一般的です。
たとえば、コーヒーを飲みながら読書をする場合、広い作業スペースは必要ありません。また、電子辞書を使いながら手紙を書くのであれば、特に問題なく作業を行うことができるでしょう。しかし、辞書や参考書を調べながらノートを広げて宿題をする場合には、作業スペースが狭く感じることがあるでしょうし、さらに多くの参考図書が必要になれば、すべてを机に置くことができず、頻繁に整理しなければならなくなります。大きな図版を使う場合には、広いスペースが求められることもあるでしょう。
つまり、何を行うかによって必要な作業スペースは異なります。本を読むだけであれば、広いスペースは必要ないのです。
では、パソコンの場合はどうでしょうか。たとえば、Windows10では最低2MBのメモリーがあれば動作します。しかし、この場合、机のサイズがノートのサイズとほぼ同じという状況で、それ以上の作業を行うことは難しいです。実際には、2MBしかないパソコンはほとんど見かけることはありませんが。
では、低価格のパソコンで主流となっている4MBのメモリーはどうでしょうか。大手メーカーから多くの製品が発売されていますが、確かに作業が全くできないわけではありません。しかし、前述の例でも示した通り、一度に多くの作業をスムーズに行うことは非常に難しいのです。「そんなに多くのソフトは立ち上げないよ」と思われるかもしれませんが、意外と見落としがちなのは、Chromeなどのブラウザでタブをたくさん開いてしまうことです。これもパフォーマンスに悪影響を及ぼす要因となります。
次に、多くのノートパソコンは、一度購入したらメモリーの増設ができない機種がほとんどです。
パソコンを長期間使用するためには、CPUの性能よりもメモリーの容量がどれほどあるかが重要です。
インターネットを調査しながらWordやExcelで作業をする場合、Windows8のころは4MBのメモリーでも快適に作業できていました。しかし、Windows10や11では4MBでは非常に厳しい状況に陥っています。次世代のOSではどうなるのでしょうか。
8MBあれば、多少のもたつきがあるかもしれませんが、概ね問題なく使用できるでしょう。
インターネットやメールといった用途においては、低価格のCeleronと4MBのメモリーを搭載したパソコンが各社から販売されています。確かに、この用途であれば発売当初は問題なく使用できるでしょう。しかし、Windowsのアップデートやインターネット環境の進化を考慮すると、数年後には使用できるかどうか疑問が残ります。
以上の理由から、メモリーが4MBしかないパソコンは購入しない方が無難です。
買ってよいパソコンのメモリー量
4MBのパソコンは避けるべきですが、では購入しても良いパソコンは8MBと16MBのどちらが良いのでしょうか。現行の機種において、16MBは主にCore i9やCore i7を搭載したパソコンで多く採用されています。そのため、自然と価格も高く、20万円を超えることも珍しくありません。
もし、動画や画像を頻繁に処理するのであれば、16MBのメモリーを選ぶ方が良いでしょう。その理由は、先ほどの例えの通り、作業スペースに大きな画像を置きたいからです。
一方で、文書作成やWord、Excelでの作業が主な場合は、8MBのメモリーを搭載したパソコンで十分に事足ります。
まとめ
今回の記事では、パソコンを購入する際に特に重要なポイントとして、メモリーに焦点を当てて説明しました。
パソコンは高額な買い物であるため、慎重に選ぶ必要がありますが、一生使う製品ではありません。しかし、スマートフォンのように数年ごとに簡単に買い替えることも難しいため、しっかりと検討を重ね、自分にとって最適な一台を選ぶようにしましょう。
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