
年齢が進むにつれて、健康診断に対する不安や憂鬱な気持ちが増えてくることに気づく方も多いのではないでしょうか。
健診の結果で「血圧が高めですね」と告げられると、これからの健康状態がどうなるのか心配になり、ドキドキしてしまうこともありますよね。
一般的には、高血圧の原因として「塩分の過剰摂取」が強くイメージされています。
医師から「塩分を控えるように」とアドバイスを受けることもありますが、実際のところはどうなのか、深く考える必要があります。
実は、塩には大きく分けて2つの種類があり、中には注意が必要な塩も存在するのです。
そもそも塩とは?その適切な量は?
さて、そもそも塩とは一体どのような成分から成り立っているのでしょうか?
塩は、主成分として塩化ナトリウムを含む調味料の一種であり、料理には欠かせない存在です。
法律においては、「塩化ナトリウムの含有割合が40%以上の固形物」と明確に定義されています。
一般に市販されている塩は、ほとんどが塩化ナトリウムの割合が90%以上を占めていることが多いです。
では、塩の1日の適切な摂取量はどのくらいなのでしょうか?
厚生労働省の公式サイトによると、塩分の摂取量は健康な日本人の成人男性の場合、7.5g未満、女性の場合は6.5g未満が推奨されています。
ちなみに、小さじ1杯の塩に相当する量は約5~6gです。
ここで注意が必要なのは、単なる「塩」だけでなく、醤油や味噌、さらには加工食品にも塩化ナトリウムが含まれているという点です。
これらの製品にはパッケージに「食塩相当量」として表示されているので、ぜひ確認してみてください。
塩の種類
塩は大きなカテゴリーで分けると、主に2つの種類に分類されます。
それは、「精製塩」と「自然塩」です。
実は、注意が必要な塩として挙げられるのはこの「精製塩」なのです。
次に、それぞれの塩にはどのような特徴があるのか見ていきましょう。
「精製塩」とは

精製塩は、電気分解のプロセスを経てナトリウムイオンを抽出し、煮詰めることで塩の結晶を生成したものです。
海水を元に作られますが、精製過程でナトリウム以外のミネラルはほとんど失われてしまいます。
大量生産が可能で、価格が安価であることが特徴的です。
味わいは雑味がなく、塩辛さが際立っており、スーパーマーケットで見かける塩の多くはこの精製塩です。
「自然塩」とは

自然塩は、昔ながらの塩田などで製造されており、豊富なミネラルを含み、甘味や苦味を感じることができるのが特徴です。
製造には手間や時間がかかるため、価格が高くなる傾向があります。
自然塩はさらに、原材料によって分類されます。
海水塩


・海水を天日干しまたは煮詰めることで製造される
・日本は雨が多いので、塩田での製法は困難であり、海水を釜で煮詰める方法が主流となっています
・マグネシウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含んでいます
・味わいには深みがあり、まろやかな風味があります
岩塩


・世界中で最も多く採掘される塩の一つです
・日本ではほとんど採取されません
・欧米では一般的に流通しています
・かつて海だった場所が岩塩層を形成し、そこから採掘されます
・鉄分や硫黄を含むことがあり、色合いも多様です
他にも、湖塩という種類がありますが、こちらは生産量が非常に少ないため、珍しい塩となっています。
体にいい塩 体に悪い塩
先ほどお話しした精製塩は「買ってはいけない塩」として警鐘を鳴らしましたが、その理由は一体何なのでしょうか?
塩の主成分であるナトリウムは、体内のミネラルバランスを維持するために非常に重要な役割を果たし、体内の水分量の調整や神経伝達にも寄与しています。
ですから、ナトリウムは人体にとって欠かせない存在と言えるでしょう。
しかし、過剰に摂取すると、むくみや高血圧、腎臓疾患、不整脈などの健康問題を引き起こす原因になりかねません。
高血圧になってしまった場合、塩分を控えるように指導されることが多いのはこうした理由からです。
精製塩は、その成分の99.5%がナトリウムで構成されています。
そのため、精製塩を多く摂取することは必然的にナトリウムも大量に摂取することになるのです。
一方で、自然塩にはナトリウムだけでなく、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどの他のミネラルも含まれています。
これらのミネラルは、実は糖質、脂質、タンパク質、ビタミンと共に五大栄養素と呼ばれ、非常に重要な栄養素なのです。
ミネラルは人体内で生成できないため、食物から摂取する必要があるのです。
そのため、私たちは古くから塩を通じて多くのミネラルを摂取してきたのです。
また、自然塩に含まれるカリウムは、ナトリウムに対して拮抗作用を持ち、これらを一緒に摂取することでナトリウムの排出を助けてくれるのです。
しかし、現在市販されている塩のほとんどは精製塩であり、注意が必要です。
さらに、現代社会では加工食品や化学調味料が溢れ、ミネラルの摂取がますます難しくなっています・・・。
ぜひ、良質な自然塩を選んで、健康を大切にしていきましょう。
良い塩はどんな塩?
では、良い塩とは一体どのようなものでしょうか?
良い塩を選ぶためのポイントは2つあります。
①原材料が海水100%であり、精製方法が天日または平釜であること。
(精製塩には、イオン交換膜や立釜と記載されていることが多いので注意が必要です。)
②原材料名に添加物が記載されていないこと。
(添加物の例としては、無水リン酸ソーダ、炭酸マグネシウム、グルタミン酸ナトリウムなどが挙げられます)
どちらのポイントもパッケージに明記されていますので、ぜひ確認してみてください。
また、自然塩の中でも岩塩は肉料理の風味を引き立てるアクセントとして非常に適しています。
種類も豊富で、多くの人々に好まれていると思います。
ただし、同じ自然塩であっても、岩塩はその成分の大半がナトリウムで構成されていることが多いです。
日常的に使用する際には、ミネラルバランスの良い海水塩を強くおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
何気なく日常的に使用している塩ですが、実はその奥深さに気づかされたのではないでしょうか。
毎日口にするものであるからこそ、少しこだわって体に良い塩を選んでいただければと思います。
スーパーマーケットにはもちろん、最近ではインターネットでも多種多様な塩が販売されています。
コメント
精製塩が電気分解によって
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