象印マホービン EVERINO 26Lの実力を徹底検証:時短と本格を両立するスレートブラックのレビュー
象印の新機能を搭載したオーブンレンジ EVERINO 26L スレートブラックモデルを実機で使って感じたことを、良い点と正直な不安点の両方から詳しく綴ります。まず外観ですが、スレートブラックのボディはキッチンに落ち着きを与えつつ、存在感は控えめ。光の当たり方で微妙に表情が変わる面材が高級感を演出しており、日常の家事スペースにもすっと馴染みます。操作パネルは正面に配置され、初めて使う人でも直感的に操作できる設計です。料理中の視認性も良好で、液晶表示の文字サイズは大きめ、芯までレジグリといった新機能の説明も視認性の高い表示で提示されます。長時間の使用でも指紋が目立ちにくい仕上げが、毎日の使い勝手を高めています。
この機種の中核となるのは、レンジとグリルの自動切替機構です。実際に使ってみると、全方位あたためが思いのほか強力で、庫内の温度ムラを抑えつつ、均一に温める印象を受けました。特に取り出し時の温度が均等になっていると、途中で待ち時間を挟む必要が少なく、作業の流れを止めずに調理を完結できる点が大きなメリットです。さらに、うきレジ機構のおかげで、食材を庫内で浮かせて置くような動作を自然に実現してくれるのも印象的でした。油を使わなくても、表面の焼き色と水分の蒸発をコントロールしやすい設計になっています。
揚げ物の仕上がりにも注目したいポイントです。揚げ物サクレジ機能は、コロッケや天ぷらといった揚げ物の衣が揚げたてのようなサクサク感を保ちつつ、油の過剰な吸収を抑える方向へ設計されているように感じました。実際に試した場合、油っぽさが気になる場面が減り、家族の好みも分かれにくい仕上がりになりました。ただし、揚げ物を中心とする用途が多い場合、油分を多く使う料理の量産には、庫内の広さと熱循環の組み合わせがもう少し工夫を要する場面もありました。
また、庫内の浮かせ機構を活用すると、食材が接触する面が少なくなるため、焦げ付きのリスクが抑えられる反面、立体的な盛り付けを大きく変える場合には配置に少しコツが必要です。慣れるまでは、予め調理段階を想定して食材を配置するのが良いでしょう。
総じて、日常の時短ニーズと本格志向の中間地点を狙った設計だと感じます。朝の忙しい時間帯に、解凍から温め、加熱までを自動で流してくれる機能は、家事の負担を大きく減らしてくれます。特に全方位あたためとうきレジの組み合わせは、難しい手順を踏まずに安定した仕上がりを得られる点で評価できます。加えて揚げ物サクレジ機能は、家庭での揚げ物の“再現性”を高める要素として優秀でした。難点としては、初期設定の理解に少し時間がかかる場面がある点と、油を多く使う料理を頻繁に作る場合には、レンジとグリルの出力バランスを自分好みに細かく設定する余地がもう少し欲しいと感じました。
使い勝手をさらに高めるためのポイントをいくつか挙げます。まず、庫内の浮遊方式を活かすには、食材の配置を縦横に工夫することが重要です。特に高さがある食材を複数並べる場合は、熱の回り道を考慮して配置すると、ムラを避けられます。次に、揚げ物系を時短で仕上げたいときは、前もって薄衣の食材を用意しておくと良いでしょう。衣が薄いほどサクサク感が長時間保たれ、油跳ねも抑えられます。最後に、操作パネルの表示を一度覚えると、その後は直感的に扱えるはずです。説明書にある代表的な組み合わせを最初に試しておくと、後々の料理がスムーズになります。
ここまでの体験を踏まえ、私の結論としては「日常の調理時間を削減しつつ、揚げ物を中心にした食感の再現性を高めたい人」に特におすすめできる機種です。スタイリッシュなスレートブラックのデザインと、芯までレジグリ、全方位あたため、うきレジ、揚げ物サクレジといった新機能が、実際のキッチンでの使い勝手を大きく向上させてくれます。これからオーブンレンジを選ぶ人には、デザイン性と機能性の両立を第一に検討するならぜひ候補に入れてほしい一台です。
評価項目 | 評価 |
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デザイン | ★★★★☆ |
機能性 | ★★★★☆ |
価格満足度 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★★★☆ |