困ったときに、占いを通じて解決策を見いだしたいと感じることは少なくありません。しかし、藁にもすがる思いで占いに頼った結果、逆にトラブルに巻き込まれる方が増加している現状があるようです。そこで今回は、問題視されている占いサービスについて詳しく解説していきます。
占いのトラブル
気軽に利用できるという特性から、インターネット上の占いサイトや電話占いでは、トラブルが頻繁に発生しています。特に女性が直面する問題が多く、国民生活センターへの相談件数の約80%を占めているという統計も存在します。具体的には、どのようなトラブルが実際に発生しているのか、一緒に見ていきましょう。
迷惑メールや電話が来る
無料占いのサイトが多く存在するため、お試し感覚で情報を気軽に入力してしまうことがあるかもしれません。SNSやバナー広告で目にして、思わずアクセスしてしまうことも少なくありません。匿名やニックネームを用いて生年月日や出生地を入力することは、あまり問題がないかもしれませんが、メールアドレスや住所、本名などの個人情報を必須とする会員登録が求められる場合には、十分に注意を払う必要があります。もし、個人情報の受け渡しを目的としている場合、迷惑メールやセールス電話が増加する可能性が高まります。さらに、占いサービスを退会したとしても、相手方に情報が保存されていることがあり、ブロックしても完全には防げないという実情もあるため、警戒が必要です。
悪質な占いアプリ
無料で占いができるという魅力に惹かれてアプリをインストールした結果、被害に遭う方も少なくありません。多くのアプリでは、最初の3日間が無料で利用できるという仕組みがあるため、その後の有料化を知らずに利用を続けてしまうケースが見受けられます。有料への切り替えに気づいた利用者は、慌ててアプリを削除しようとしますが、その際に数万円分の有料分を支払わなければならなくなることがあるのです。また、アプリを削除したことで、それまでの占いの記録が消失し、利用の証拠も残らなくなってしまうことも問題となっています。
有料時間まで引き伸ばして通話
電話占いにおいても、トラブルが発生することがあります。電話では通常、最初の10分間は無料で鑑定を受けられるケースが多いですが、その後は有料になるのが一般的です。有料に切り替わる際には、「残り○○分で無料鑑定が終了します」といったアナウンスが流れます。しかし、中には、占い師が話を引き延ばし、有料になるまで待たせる人もいるという問題が発生しています。相談者は結論を知りたいと願い、話の途中で切るのは失礼だと感じるため、つい電話を切るのをためらってしまうのです。その結果、占い師が長話を続け、30分以上オーバーした際には、有料の鑑定料として1万円以上を請求されることも多く、驚かされることになります。
占いで騙されない対策
悪質な占いサービスに騙されることなく、トラブルに巻き込まれないためには、どのような対策が必要でしょうか。具体的な対策を考えてみましょう。
口コミを確認
占いの広告を見て、良さそうだと感じたからといって、すぐにアプリをインストールしたり、サイトに登録したり、電話をかけたりするのは賢明ではありません。まずは、アプリ名やサイト名を検索して、口コミの内容を確認することが非常に重要です。消費者は何か問題が発生した場合、ネットに書き込みをしたりSNSで情報を拡散したりすることが多いため、特に悪い口コミについては注意深く確認する必要があります。もし、試してみたい占いサイトの口コミが褒め言葉で満たされている場合、それはサクラを雇ったレビューの可能性があるため、警戒が必要です。
個人情報をむやみに入力しない
占いサイトでは、名前や住所、電話番号などの個人を特定できる情報をむやみに入力しないように心掛けましょう。無料占いを試したいのであれば、ニックネームや生年月日、都道府県などの出生地を入力するだけで済むサービスを選ぶのが賢明です。
無料期間の確認
占いのアプリを利用する際は、事前に無料で利用できる期間や、有料後の料金が明確に記載されていることを確認することが重要です。もし、その情報が見えにくい場所に小さく記載されている場合、悪質なサービスの可能性があるため、十分な注意が必要です。電話占いの場合も、無料鑑定ができる時間をしっかり把握しておくことが重要です。もし有料鑑定に引き延ばそうとする気配を感じたら、思い切って途中で電話を切る勇気も必要です。
占いではできないことを占っている
依頼されても占いが不可能な内容も存在します。「占いの三禁」と呼ばれるもので、これらの占いを平気で行う占い師のサービスは避けるべきです。
- 生死に関すること…人の寿命や死期を占う、病気の治療に関する占い
犯罪に関すること…盗難などの罪の犯人を探す
浮気に関すること…誰がどのように浮気をしているか、パートナーの浮気相手を特定する
この三禁以外にも、試験の合否や宝くじの当選結果などを占うことは避けるべきです。「当てること」を目的とするため、占っても意味がないとされています。国民生活センターでは、高額な宝くじの当選を導くと称した有料鑑定が存在し、約50万円もの鑑定料を請求されても、結局当選はしなかったという実例も報告されています。
まとめ
「物事をうまく進めるためにはどうすればよいのか」といった前向きな気持ちから占いに頼ることは理解できます。しかし、その気持ちが裏目に出てトラブルに巻き込まれることは避けたいものです。無料であれ有料であれ、口コミなどの情報を活用し、信頼性の高い占いサービスを選ぶように心がけることが大切です。
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