「新しく購入した野菜を切ったら、なんと中が腐っていた!」
こういった悲しい体験をしたことがある方は、意外と多いのではないでしょうか。
新鮮で美味しい野菜を選ぶことは、食卓を豊かに彩るためにも極めて重要です。
とはいえ、見た目が美しい野菜が必ずしも新鮮であるとは限りません。
新鮮で栄養たっぷりの野菜を見分けるためには、いくつかのポイントを理解しておくことが必要です。
そこで、本記事では失敗しない!新鮮で美味しい野菜の選び方について詳しくお伝えします。
野菜が腐る原因は?
さて、野菜が腐ってしまう理由には何があるのでしょうか?
実は、野菜が傷む原因には主に4つの要素が考えられます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①水分
生の魚を乾燥させることで干物にすると、長持ちすることがあるように、食品の水分が抜けることで保存性が向上します。
水分は生物にとって不可欠な物質ですが、カビや菌などの微生物にとっても同じく重要です。
水分を多く含む食品は微生物にとっても快適な環境となり、
その結果、カビや菌が増殖し、食品の変質や腐敗が進行してしまうのです。
②pH
pHとは、液体中の水素イオンの濃度を示す指標です。
pHの値が小さいほど酸性になりますが、逆に値が高いほどアルカリ性となります。
食品中の脂質やタンパク質といった栄養素はアルカリ環境下で活発に反応し、
一方で酸性環境では微生物の生存や増殖を妨げ、
腐敗や変質を防ぐ役割を果たします。
このため、酢漬けにすることで保存性が高まる理由があるのです。
③温度
冷凍することで寒さに弱い微生物の増殖を抑えることが可能です。
また、熱に弱い微生物は高温で加熱することによって死滅します。
このように微生物それぞれに異なる苦手な温度が存在するため、
食材の品質を保つには微生物にとって快適な温度を避けることが非常に重要です。
④空気
野菜や果物は、人間と同じように酸素を吸収し二酸化炭素を吐き出すことで呼吸をしています。
さらに、この呼吸は収穫後も続きます。
このため、収穫後に実が熟成していくのですが、
熟成が早すぎたり、過熟になってしまうと腐敗を引き起こす原因となります。
傷んだ野菜の見分け方
ここからは、野菜を選ぶ際に注意すべき、
避けるべきものと選ぶべきもののポイントをお伝えします。
今回は冬野菜に特化してご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ほうれん草
茎が太いほうれん草は成長し過ぎており、アクが強く出る可能性がありますので、避けるのが賢明です。
根元が赤く色付いているのは、鉄分やマンガンなどのミネラルが豊富に含まれている証拠です。
しっかりと洗って土を落とせば美味しくいただけるので、根元も捨てずに食べることをお勧めします。
避けるべきもの
- 茎が太いもの
- 葉がしなびているもの
選ぶべきもの
- 葉先までハリがあるもの
- 厚みがあり濃い緑色のもの
- 根元が赤くふっくらしているもの
ごぼう
太いごぼうは一見すると立派に見えますが、中が空洞で「す」が入っている可能性があるため注意が必要です。
一般的に泥付きのごぼうの方が風味が良く、栄養価も高いとされています。
また、切った後に水にさらすとポリフェノールやクロロゲン酸などの貴重な栄養素が流れ出てしまうため、
アク抜きは短時間で済ませることをお勧めします。
避けるべきもの
- ぐにゃぐにゃと曲がり、柔らかいもの
- 太すぎるもの
- ひげの多いもの
選ぶべきもの
- ごぼうの根元を持ったとき、曲がらずに自立するもの。
- 太さが均一なもの
- ひげ根の少ないもの
大根
大根も成長しすぎると「す」が入る</strongことがあります。
見た目が大きく立派でも、しなびていたりハリがないものは鮮度が悪いので注意が必要です。
また、大根の栄養は皮の付近に多く含まれているため、新鮮なものを選び、皮ごと食べるのが理想的です。
避けるべきもの
- 葉の切り落とした部分が乾燥しているもの
- ひび割れ、黒ずみ、先端がしおれているもの
- ひげ根の多いもの
選ぶべきもの
- 皮にハリとツヤがあるもの
- ずっしりとした重みがあるもの
- ひげ根が少ないもの
キャベツ
キャベツを購入する際には芯のサイズをしっかり確認することが大切です。
太い芯を持つキャベツは育ちすぎていることが多く、葉が硬くなる傾向があります。
理想的な芯の大きさは500円玉が載るくらいのサイズです。
また、キャベツは外葉と芯にも栄養が豊富に詰まっていますので、
新鮮なものを選び、外葉も芯も捨てずに楽しむことをお勧めします。
避けるべきもの
- 乾燥やひび割れがあるもの
- 切り口が変色していて断面が膨らんでいるもの
- 軸のサイズが大きすぎる、小さすぎるもの
選ぶべきもの
- 軸のサイズが500円玉が載るくらいのもの
- 外葉にハリがあるもの
小松菜
大きな葉が特徴の小松菜ですが、
その葉が大きいために葉先から水分が蒸発しやすいのです。
鮮度を保つためには、購入後に葉を乾燥させないことが非常に重要です。
濡れた新聞紙やキッチンペーパーで包んで保存し、
2~3日以内に食べ切るよう心掛けましょう。
避けるべきもの
- しおれているもの
- みずみずしさのないもの
選ぶべきもの
- 葉が肉厚で丸みがあるもの
- 茎が太めで根元のハリがしっかりしているもの
里芋
里芋もごぼうと同じく、泥付きのものが風味良く、鮮度を保ちやすいとされています。
そのため、可能であれば泥付きのものを選ぶことをお勧めします。
泥がついていないものは柔らかく乾燥していることが多いため、
持った時にしっかりとした硬さを感じるものを選ぶようにしましょう。
避けるべきもの
- 皮が乾燥しているもの
- お尻が柔らかいもの
選ぶべきもの
- 皮が湿っているもの
- 泥がついていて実が硬いもの
春菊
新鮮な春菊は生で食べても美味しく味わえます。
しかし、鮮度が落ちてしまうと春菊特有の香りが薄れ、
茎が太く硬くなってしまうため、食感が悪くなることがあります。
もし新鮮なものが手に入らない場合は、加熱して調理するのが良いでしょう。
避けるべきもの
- 茎が太いもの
- 葉が黄色く枯れているもの
選ぶべきもの
- 茎が細く短いもの
- 濃い緑色でツヤがあるもの
- 根元まで葉がしっかり生えているもの
ブロッコリー
栄養価が非常に高いブロッコリーですが、
出荷後は茎から栄養素が放出され、そのために鮮度も落ちやすくなります。
購入したらできるだけ早く食べることをお勧めします。
花が咲いているものや、茎に空洞が見えるものは成長しすぎているため避けましょう。
避けるべきもの
- 花が咲いているもの
- つぼみが黄色いもの
- 茎に空洞があり黒ずんでいるもの
選ぶべきもの
- 小さいつぼみが隙間なくぎっしり詰まっているもの
- 丸く硬く盛り上がっているもの
- 鮮やかで緑色が濃いもの
- 茎の切り口がみずみずしいもの
水菜
水菜も葉が乾燥しやすいため、
鮮度が悪いものはしなびてしまいます。
購入後は濡れたキッチンペーパーや新聞紙で包み、
乾燥を防ぐことが非常に大切です。
避けるべきもの
- 茎が半透明なもの
- 根元が変色しているもの
- 葉がしなびているもの
選ぶべきもの
- 茎にツヤがあるもの
- 葉脈がはっきりしているもの
- 葉が鮮やかな緑色のもの
れんこん
れんこんはアクが強い野菜であり、空気に触れると黒く変色することがあります。
そのため、れんこんを切った際には酢水にさらすことで変色を防ぐ効果が期待できます。
穴の内側が黒ずんでいるものは古くなっている証拠ですので、
穴の状態をよく確認し、清潔で新鮮なものを選ぶようにしましょう。
避けるべきもの
- 穴の内側が黒ずんでいるもの
- 切り口が変色しているもの
選ぶべきもの
- 穴が小さくサイズが均一なもの
- ふっくらと丸みがあり肉厚なもの
- 皮にツヤがあり、褐色から黄色い色合いのもの
まとめ
ここまで、野菜の選び方について詳しくご紹介しました。
鮮度が落ちた野菜は、美味しさが失われるだけでなく、
栄養価も大きく低下してしまいます。
せっかく購入するのですから、美味しくて栄養満点の野菜を選びたいものですね。
購入後に損をしないためにも、カゴに入れる段階でしっかりと見極めることができれば理想的です。
正しい野菜の選び方をマスターして、賢いお買い物を楽しみましょう!
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