食中毒を防ぐための3つの基本原則
毎日お弁当作りに励んでいる皆さん、本当にお疲れ様です。お弁当を作ることは、普段の食事とは異なる多くの工夫を必要としますよね。
特に注意が必要なのは、衛生管理の面ではないでしょうか。お弁当は、調理したてをそのまま食べるのではなく、時間が経ってから食べることが多く、常温で保存されることも一般的です。このため、温度が高い日や暖房が効いている環境では、特に気を付ける必要があります。
私自身も、過去に食中毒を経験したことがあります。その際には入院を余儀なくされ、今でもその記憶がトラウマとなっています。そのため、毎日お弁当を作ることになったときには、インターネットや書籍を活用して徹底的に情報を集めました。
調査を進める中で気づいたのは、衛生管理の基本をしっかり守ることで、十分に対策ができるということです。特に、「菌をつけない・やっつける・ふやさない」という三つの原則を守ることが非常に重要です。今では、私自身も家族もお腹を壊すことはまったくなくなりました。
お弁当作りは日々の習慣ですから、少しでも楽に進めたいものですよね。そこで、自分に適した調理器具や便利グッズを取り入れることが効果的です。
この記事では、「菌をつけない・やっつける・ふやさない」という三つの視点から、私の実体験に基づいた「買ってはいけない×」と「おすすめ〇」のアイテムを紹介したいと思います。皆さんの参考になれば嬉しいです。
「菌をつけない」ために
パッキンありの弁当箱×、4点ロックのパッキンなし弁当箱〇
まず、菌をつけないために重視すべきポイントは、お弁当箱の選び方です。
市場には多くのパッキン付きのお弁当箱が流通していますが、これは衛生管理が非常に面倒であまり推奨できません。パッキンとその溝の間には汚れが溜まりやすく、毎日の洗浄が煩わしく感じることが多いです。また、正しくパッキンを戻さないと不衛生になり、その結果として食中毒のリスクが高まります。そこで私が見つけたのが、パッキンなしのお弁当箱です。
具体的には、スケーターのパッキン一体型4点ロック弁当箱を愛用しています。この弁当箱はパッキンがないため、洗浄が非常に簡単で、抗菌仕様なので安心して使えます。こちらの写真は、私の家庭で使用しているもので、約2年間愛用しています。

パッキンがないので洗いやすく、清潔
一方、同じスケーターのパッキンなしのお弁当箱の中で、購入して後悔したのはゴムバンドで押さえるタイプです。このタイプはエアーバルブ部分の洗浄が非常に面倒で、汁漏れが起こるようになったため、使用をやめました。蓋が反ってきたことやゴムが伸びてしまったことが原因だと思います。

エアバルブに汚れが溜まりやすい
フィット感のある使い捨て手袋が〇
菌をつけないためには、素手を使わないことが非常に効果的です。
私自身も、ラップでおにぎりを握ったり、出来上がったおかずを詰めたりする際には、使い捨て手袋を必ず着用しています。生の食材に触れる際に素手を使わないことで、手に菌が移ることを防ぐことができます。
さまざまな手袋を試してみて感じたのは、素材によって使い勝手が大きく異なることです。
ニトリル製の手袋は、手にぴったりフィットし、ずれにくいのが特徴です。いくつか試した中でも、ショーワの手袋は、ニトリル製の中では着用しやすく、破れにくいので非常に便利です。ただ、これは個々の好みにもよりますが、ぴったりとした肌触りが少し苦手な私には合いませんでした。
私が愛用しているのは、ポリエチレン製の手袋です。特に内側にエンボス加工が施されている製品は、着用しやすく、さらさらした感触がとても気に入っています。
ただし、ポリエチレン製の手袋には、種類によってはずれやすいものもあります。エステーの極うす手ポリエチレン手袋は、コストパフォーマンスが良いですが、Sサイズでも女性には大きすぎるかもしれません。薄手なので素手感覚で作業できますが、水がしみてくることがあるのが難点です。
対照的に、同じエステーのお料理にぴったり手袋は、少し高価ですが、ポリエチレン製でも指先がフィットするデザインで、非常に使いやすいです。
そのため、現在はポリエチレン製の二種類を使い分けており、力を入れずに短時間で済む作業、例えばおにぎりを作ったり、おかずを詰めたりする際には、安価な「極うす手」を利用しています。一方で、力を入れる必要がある長時間の作業、例えば挽肉をこねる際には、ずれにくい「お料理にぴったり」を使用しています。
まな板シートは、ワックスペーパー製は×、厚地のものが〇
生肉や生魚を切る際のまな板の汚染を防ぐために役立つのがまな板シートです。
私がリピートしているのは、財音商事のまな板シートです。このシートはしっかりしたポリエチレンとポリプロピレン素材で作られており、切った後にはシートごと持ち上げて食材を鍋に移すことができるため、調理の時短にもなります。
もっと安価なものもありますが、一定の厚みがないと実用性が低くなります。
購入して失敗したのは、コモライフのまな板シートです。これは一回分ずつカットされていて便利ですが、ワックスペーパー製のため非常に薄く、包丁で切れてしまう恐れがありました。
木製・エラストマー製のまな板は×、食洗機可・消毒可のまな板が〇
まな板シートを活用するのは良いですが、まな板自体も菌をつけないように注意が必要です。
使用をやめたのは、木製のまな板です。木製のまな板は刃の当たりが柔らかく、切り心地が非常に良いですが、どうしても傷がつきやすく、その傷に汚れがたまりやすいのが問題です。また、食洗機に入れられないため、手入れが面倒です。
同様の理由で、ヨシカワのエラストマー製のものも、私には合いませんでした。食洗機に入れることができず、熱湯消毒もできないのが不便です。(刃の当たりは非常に良いので、包丁で千切りをする方にはおすすめですが、私はズボラなのでスライサー派です…)。
現在、日常的に使用しているのは、オクソーのまな板です。小サイズと中サイズの二つを持っており、それぞれ肉用と魚用、野菜用として使い分けています。薄型のデザインなので、食洗機の平皿用の部分にも入れることができます。刃の当たりは硬いですが、日常の調理には問題ありません。
こちらの写真は、3年前に購入したもので、生の食材を切った後は塩素消毒を行い、毎日食洗機で洗っています。そのおかげで、清潔感のある白さを保つことができています。

漂白できて、食洗機で洗えるまな板
分解できないキッチンバサミ×、分解して丸洗いできるハサミ〇
まな板を使わない方法もあります。お鍋の上でトングを使いながら、ハサミで食材を切ることで、まな板を必要としないスタイルです。同じようにしている方も多いのではないでしょうか。
そこで大活躍するのが、下村工業のプログレードカーブ刃はさみです。このハサミは特殊な形状の刃を持っており、ぬるぬるしたお肉もしっかりと掴んで切ることができるため、ストレスを感じることがありません。また、厚みのあるお肉のカットも容易で、分解して食洗機で洗えるのも嬉しいポイントです。
残念ながら、プラスのカーブはさみは、食洗機に入れることができるものの、分解ができないため、中心部の重なっている部分の汚れが落としきれず、衛生的に食材を切るには不向きです。プラスの製品には分解可能なタイプもあるので、そちらを選ぶべきだったと後悔しています。
(余談ですが、「ベルヌーイカーブ」の刃によって、はさみに引っかかりがちな柔らかいビニール袋もスムーズに開封できるため、時短の面でもお弁当作りに役立っています。)
また、分解可能であっても、サビが出やすく後悔したのが、貝印のキッチンバサミです。ねじの周りにサビが浮いてくるのが気になります。
素手を使わないために、指先感覚のトングが〇
ハサミとともに活躍しているのが、オークスレイエのゆびさきトングです。
素手で触れない方が衛生的ですが、手を使った方が速いのではないかと感じることもあります。そんな問題を解決してくれるのが、このトングです。
名前の通り、指先感覚で使えるため非常に便利です。お肉をトングで持ちながら、お鍋の上ではさみで切ることで、汚れ物を最小限に抑えることができます。
同じシリーズのごはんのおともトングも非常に便利で、出来上がったおかずを詰める際にも、指先感覚で手早く行うことができます。

その名の通り、指先感覚で使えるトング
一方、購入して後悔したのはティファールのトングです。ギザギザ部分に汚れが溜まりやすく、生ものを使った後の消毒が手間で、また大きいため食洗機での洗浄も難しいのです。(パスタをよそうのには便利なので、その時には役立っていますが。)
「菌をやっつける」ために
まんべんなく加熱できないフライパンは×
菌を確実に死滅させるためには、食材の中央部まで均一に加熱することが重要です。たとえば、ノロウイルスの場合、85~90℃で90秒以上加熱する必要があります。
その観点で、使いにくくて失敗したのが、アーネストのセンターエッグトリプルパンです。我が家のコンロには合わず、困りました。
というのも、我が家の小型コンロでは、大きなフライパンを使うとどうしても中央部と周辺部の温度に差が生じてしまいます。
トリプルパンは、大型のフライパンが三つに仕切られていて、同時に三品を調理できるのは便利ですが、真ん中の卵は焼きあがっているのに、横のお肉がまだ焼けていないということが何度もありました。卵を取り出してお肉をさらに焼くことになると、その後は空焚きになり焦げてしまい、その後の洗浄が面倒になってしまいます。
そのため、今は小型のティファールのフライパンを二つ併用しています。フッ素加工が施されているため、汚れが簡単に落とせ、清潔に使用することができます。

フッ素加工のフライパンは、洗いやすく清潔
加熱時間を計るタイマーは、洗えるものが〇
しっかり加熱することは重要ですが、加熱しすぎると食材が硬くなり、おいしさが失われてしまいますよね。私は何度も硬い唐揚げを作ってしまった経験があります。そのため、加熱時間を正確に測るためにタイマーを使うようになりました。
調理中に非常に便利なのが、汚れても洗えるタニタのタイマーです。濡れた手で触れても壊れず、水洗いもできるため、清潔に保てます。こちらは、2~3年間愛用しているもので、コンロの横にかけており、非常に便利に使っています。

加熱時間を管理できる、洗えるタイマー
キッチンには向かないのが、ドリテックのタイマーです。調理中に操作していると水が入ってしまったのか、動かなくなりましたが、幸い乾かしたら復活したので、リビングでは活躍しています。
濃いめの味つけが素早くできる計量器具
菌をやっつけるためには、少し濃い味付けをすることも効果的です。細菌の繁殖を抑えられるだけでなく、冷めると味が薄く感じるため、味の観点からも良い方法です。
しかし、濃すぎるとおいしくなくなってしまうため、しっかりと調味料を量りたいものです。そんな時に役立つのが、オクソーのアングルドメジャーカップのミニサイズです。このカップにはスプーンの何杯という表記があり、計量スプーンを使わずに直接カップで量ることができ、混ぜるのも簡単です。さらに、食洗機で洗えるため、手間がかかりません。

シリコンのおかずカップは×、水分を吸う使い捨てが〇
細菌を増やさないためには、おかずの汁気をしっかり切ることが重要です。水分が多いと菌が繁殖しやすくなるため、ここで役立つのが、東洋アルミの汁も油も吸いとるケースです。この製品は味移りを気にせず詰めることができるので、手早く作業でき、またお弁当箱を洗う手間も軽減されます。
購入して後悔したのは、シリコンのおかずカップです。何度も洗って再利用できる点は良いのですが、汚れが落ちにくく、食洗機対応ではありますが、小物カゴに入れて洗っても水圧で動いてしまい、洗い残しが出てしまいます。
お弁当箱より小さい抗菌シートは×
蓋を閉める前にぜひ入れたいのが抗菌シートです。選ぶ際に注意すべきは「シートが触れていない部分には効果がない」という点です。
形やサイズもさまざまな製品が販売されているため、自分のお弁当箱に合ったサイズのものを選ぶことが重要です。
その点、コモライフの木でできた抗菌シートは、サイズが小さいため注意が必要です。プラスチックゴミにならない点は評価できますが、効果的な使用にはサイズ選びが鍵となります。
コストパフォーマンスが良く、使い勝手の良いサイズでリピートしているのは、大和物産の抗菌シートです。
保冷バッグや保冷剤
せっかく衛生的に作ったお弁当ですが、冷蔵庫に入れられない学校や職場では、常温で保管せざるを得ないことが多いのではないかと思います。私もその一人です。
温度が上昇すると細菌が増えるため、必ず保冷バッグに入れることが重要です。特に使いやすいと感じたのが、アスベルの保冷バッグです。少し厚手で、800MLのお弁当箱がぴったり収まります。トルネの保冷バッグも、少し薄手ですが、かさばらず、上部に保冷剤を入れるためのネットが付いているため非常に便利です。
保冷剤に関しては、エスコの不織布タイプが特におすすめです。不織布なので結露が発生せず、安心して使用できます。キャプテンスタッグの保冷剤も持っていますが、大きめで冷却効果が高いと実感しています。しかし、そのまま入れると結露でお弁当包みが湿ってしまうので、布やキッチンペーパーで包む手間が必要です。
保冷剤とお弁当箱が一体化したGEL-COOL ランチボックスも、使用にあたっては不便でした。蓋が保冷剤を内蔵しており均一に冷やせるのは良いのですが、蓋は食洗機不可で手入れが面倒です。さらに、パッキンがあるため汚れが溜まりやすいのが難点です。
まとめ
お弁当作りは衛生面に気を使うことが多いですが、実際には多くの助けになるグッズが存在します。
「菌をつけない・やっつける・ふやさない」を実践するために、調理器具や便利グッズを活用し、少しでも楽に、しかししっかりと食中毒対策を行いたいものです。
手間はかかるものの、経済的にも助かり、栄養にも気を配り、自分の好きなものを詰めた手作りのお弁当。私も、食中毒に注意を払いながら、無理なくこの習慣を続けていきたいと考えています。
この記事が、お弁当作りの食中毒対策に少しでもお役に立てれば幸いです。長文を最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。
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